64話
「ふい〜、さっぱりしたっす!」
カレンが戻ってきた。
風呂上がりなので、彼女のオレンジ色の髪はまだ少し水滴が付いてしっとりとしている。
こうしてみると、ちょっと色っぽいな。
「あ、これからお昼っすか!自分も食べるっす!」
そんなことも無かった。
やっぱりカレンはカレンだ。
「む、なんか失礼なこと考えたっすか?」
おっと、そんなことはないよ?
「むむ…、っていうか誰のせいで自分のお昼が無くなったと思ってるんすか!」
あ、それはごめんなさい。
「まあ、マルタの作ったご飯が食べれるんなら結果オーライっすけどね!」
そんな話をしていると、厨房からマルタが顔を出して
「カレンの分は無いわよ?」
と言った。
衝撃の事実。
「ガーン!?え、嘘っすよね?嘘っすよね!?」
カレンが動揺をあらわにする。
するとマルタが
「もちろん嘘よ。ちゃんと全員分作ってるから。」
「マルタの嘘は心臓に悪いっすよ…。」
…傍から見てて思ったんだけど、2人は仲がいいね。
それと、全員分って?
「あー、お昼ご飯は基本的にお屋敷の使用人で集まって食べるんすよ。で、情報交換したりするっす。」
へー。
「マルタとは…まあなんというか、出身が同じの幼なじみなんすよ。」
そうだったんだ。
あ、あとお昼ご飯食べた後は何をするの?
「うーん、そうっすね…。」
カレンは少し考える素振りをしたが、やがて
「やりたかった作業は大体出来たんで、残りは自分がやるっす。なんで、ミーくんは今日はもういいっすよ。」
と言った。
そっか、分かった。
あ、でも午後から何をしよう…。
そんなことを考えながらご飯を待っていると
「ごっはーん!今日のご飯はなんですかー!」
とミーシャが元気よく食堂に入ってきた。
その後ろにはサリーと、俺がまだ知らない人が落ち着いた様子で入ってくる。
あ、こっち見て少しビックリしてる。
こんにちは。
ん、まてよ。この人俺が初めてこのお屋敷に来たときにシアンを出迎えた人か。
全員が席に座るとまたマルタが厨房から顔を出した。
「…あと少しで出来る。今日はパスタ。」
わーい!
「わーい!」
…ミーシャとシンクロしてしまった。
あ、カレンクスクス笑うな!
まあ、そうして使用人がテーブルを囲んで、昼食が始まるのだった。
…あれ?俺、場違いじゃね?




