62話
気がつくとすっかりお昼になっていた。
お腹減ったなあ…。
仕事もいいぐらいだし、そろそろ切り上げてくれないかな〜。
なんて思っていると、カレンが作業の手を止めて言った。
「ふー、結構進んだっすね。この辺でお昼休みにするっすか。」
わーい!
カレンは庭にある木(俺が昨日折ったやつ)の下に置いてあったカバンを取りに行った。
お弁当でもあるのかな?
…あ、てかノエルのことをすっかり忘れてた。
ノエルは木の下でじっと目を瞑ってるんだけど…何をしてるんだ?
近づいてみる。
おーいノエルさーん、お昼休みですよー。
「ちょっと話しかけないで。」
あ、はい。
なんだかただならぬ雰囲気なので、そっとしておこう…。
触らぬ神に祟りなし、触らぬノエルに祟りなし。
「なんか失礼なこと考えてない?」
ぎくっ!いえ、何も。
「…、さっさと休んでなさいよ。」
そうします。
と、カレンがカバンから木でできた箱を取り出した。
お弁当かな?
「ふふ〜ん。今日は朝食用のベーコンを厨房からくすねて作ったサンドイッチっす!いただきまーす!パクっ!」
カレンのお弁当はシンプルながら美味しそうだ。
…うん、実に美味しそうだ。
「ん〜!美味しいっす!…ミーくん何すかその目は?」
いや、美味しそうだな〜って。
「も〜、しょうがないっすね。1口だけっすよ?はい。」
わーい!いただきまーす!
俺はカレンの言葉通り、1口を開けた。
それも、ちょっと大きな。
バクっ!!
モグモグ…。
んー!美味しい!
仕事の後のご飯は美味しいね。ちょっと量は物足りないけど。
「な、な、な…」
な?
「何で全部食べてるんすかー!?」
ふと見ると、カレンの手からサンドイッチが無くなっていた。
あ、いっけね、つい。
「ついじゃないっすよ!ミーくんのバカー!」
そう言うと、カレンはドアの方へ走って行った。
あのドアってどこに繋がってるんだ?
カレンはドアにたどり着くと、ドアを開け放って言った、
「マルター!ミーくんが、ミーくんが!」
するとドアの向こうに居たのは…
「分かったから私に抱きつく前に手を洗って来なさい。」
と言ってカレンの顔を手で抑えながらこちらを呆れた目でじっと見るマルタがいた。
…え、あれほんとにマルタ?




