57話
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「サリーちゃん大丈夫?」
ミーシャがサリーに近寄る。
「だ、大丈夫だけどちょっと寒い…。」
そりゃそうでしょうね。秋だもの。
「…ピーン!そうだ!」
え、何その音?あ、なんかミーシャが悪い顔してる。
「あー、私はサリーちゃんをお風呂に連れていかなきゃいけないなー。でも、ここも片付けないといけないなー。どーしよー。」
なんという棒読み。
「そうだー。ここには私とサリーちゃん以外にもとっても美味しいご飯が作れる可愛いメイドのマルタちゃんがいるじゃないかー。」
厨房のメイドさんのことだよね?
恥ずかしがり屋っていう。
マルタっていうんだ。
「ということで!マルタちゃん片付けよろしく!」
「ええ!?」
そういうとミーシャはサリーを連れて食堂を出ていってしまった。
さっき驚いてたのがマルタっていう厨房担当の使用人…おっと、メイドさんかな?
ミーシャたちが出ていって少しすると、背後から何か視線を感じた。
振り向くと…
ジー
「…」
そこにはこちらを凝視する女の娘がいた。
ミーシャたちが出ていったドアとは逆方向にある、おそらく厨房につながるドアから頭だけをピョコッと出している。
ピクッ
あ、俺たちが見てるのに気づいた。
パタン
ドアが閉められた。
「…何よあれ。」
噂のマルタって子じゃない?
ピョコッ
あ、ドアが開いた。
今度はちゃんと体ごとドアから出てきた。
以外に小さいんだな…。
背はシアンと同じくらいかそれより少しあるかくらいだ。
手には…あれは空のバケツだけを持っていて、モップや雑巾は持っていない。
どうする気だ?
マルタはミルクがひっくり返された場所まで行くと、おもむろに床に手をついた。
何をしてるんだろう?
「あれは…」
ん?ノエルは分かるの?
するとマルタは何か言葉を紡ぐ。
「水よ、我が意を示せ、アクアウォール!」
たちまち、カーペットに染みていたミルクがマルタの前に集まり、壁を作った。
そしてその壁を持ってきていた空のバケツに残さず入れる。
あれってひょっとして…
「水魔法ね。魔法自体は低級のものだけど、操作の腕はなかなかいいわ。」
あ、やっぱり。
そうして俺たちがマルタの一連の作業を見ていると、マルタもこっちを見て…
サササッ パタン
すごい勢いで厨房まで戻って行ってしまった。
早っ!?
…実はメイドじゃなくて、忍者かなにかなんじゃないかな?
ほら、証拠隠滅!みたいな。
と、アホなことを考えていると、ドアがまた少し開いて頭だけピョコンと出てきた。
「た、たくさん食べてくれて…あ、ありがと。」
ペコッ パタン
ドアが閉められた。
…ごちそうさまでした!
「なんなのよあの娘。」
確かに無口というか、挙動不審というか…。
でも悪い娘じゃなさそうだね。
仲良く出来るといいな。
さーて、朝ごはんも食べたし、これからどうしようかな〜?




