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0066 ダンジョンと発電所!?

『ダンジョンを復元中……結晶アプデを行います。アップデート中……』


ダンジョンが崩壊してからすでに三十分という時間が経過した。

復元が完了したというう通知が入り、終わったと思えば今度は結晶アプデとかいうよくわからないアプデが始まった。おそらくこのアプデは水晶の核を合体させたことによる拡張機能だろう。


「それにしても長い……」


紬は我慢できず椅子から勢いよく立ち上がった。

やりたいことがたくさんあるのに、それができずにずっと待たされているのは何とも酷なことである。さらに紬は我慢強くない。とうに限界に達していた。


『アップデートが終了しました。アプデ内容を表示します』


「きた!」


紬は闘牛が赤い布に突っ込んでいくぐらいの勢いで、管理モニターの前へ走った。

そして管理モニターにかぶりつくレベルで顔を近づけて、モニターに移されたアプデ内容に目を落とした。


『アプデにより以下の変更が行われました。

・結晶施設の建設、結晶関連のオブジェクトのアンロック

・新地形、「結晶の湖」のアンロック

・結晶モンスターのアンロック

・ダンジョングレードがⅠ→Ⅱに上昇』


「結晶関連のものがアンロックされた感じかぁ……。それにしてもダンジョングレードってなんだろ?」

「ダンジョングレードは名前の通り、ダンジョンのグレードを現すものですね」


紬が独り言をつぶやいていると、カオルが伊達メガネをかけながら、自信満々で現れた。どうやら先生モードになっているようである。


「ダンジョングレードが上がるということは、ダンジョンとしての格が上がることです。わかりやすく言うと……そうですね……。風のダンジョン(初級)が風のダンジョン(中級)になる、という感じです」

「なるほど……じゃあ、それでいろいろできることが増えるってこと?」


「その通りです。変わることはたくさんありますが、大きく変わるのは3つ。上位種スポナーの開放、ダンジョン拡張のシステムの増加、そして……」

「そして?」


カオルは紬の目を見て、ニコッと笑った。


「DPの獲得量が二倍になります」

「DPの獲得量が二倍!?!?!?!?」


紬は思わず大きな声で叫んだ。

大きく口を開けて、なんとも間抜けな顔である。だが、そうなってしまうほどに紬にとっては大きなことだった。


DPが多く入るようになればできることもたくさん増えていく。

そうすればダンジョン拡張のテンポが上がり、プレイヤーがマップを覚える前に拡張していく、無限に探索させちゃえ戦法が実現できるわけである。


「だめだ、さっきからいろいろとできることが増えすぎて脳のキャパが追い付いてない……。とりあえず新しい設備から見てみるか」


紬は大きく深呼吸し、冷静になった後、管理モニターから設備の項目を選択した。

設備の項目が表示されると、今までは迷路のギミックや階層追加、転移の魔法陣の設置、入り口の追加といったぐらいしかなかった設備が、セーフティエリア、モンスターハウス、食肉モンスターの植物園など、おなじみのものが追加され、多種多様なものがずらりと並んでいた。


スクロールしながら、新しく追加されたものを一つ一つ確認していく。

どれもおなじみのものでダンジョンといえば!というものである。そうしてスクロールし終え、まだ見ていない設備が四つ表示される。そんな中、一個の設備に紬は目を止めた。


「は、発電所……?」


紬の見ている画面には、確かに「発電所」と書かれている。

紬の知っている発電所は、石油や石炭を燃やして電気を作る火力発電所や、ダムの水の力で電気を作る水力発電所である。そもそもこんな洞窟の中ではなく、人が住んでいるところに電気を送りやすい場所に作られるものである。

どうやらこのゲームの世界では、発電所はスマホやパソコンを使うための電気を作るものではないらしい。もしかしたら電気を餌にするモンスターなどがいるのかもしれない。そもそも動力源に電気なんか使わないよな。魔石あるし。


「あぁ、グレードⅢになると、電気を動力源にして動かすものが出てきますからね。前もって発電しておけるように作れるようになっているのかもしれません。作ってみてもいいかもしれないですね!」


どうやら普通に動力源として使う電気だったようである。

紬が思っていたより、魔石というものは便利じゃないらしい。なんとなく、なんにでも魔力で動かせてしまいそうなものだが、そうではないようである。なかなか複雑である。


「そういえば、発電所を作れば素材自動掘削機を動かせた気がします。ですが、それを作るマスターはあんまりいらっしゃらな……」

「よし作ろう」


「え?」

「作ろう」


紬は街開拓ゲームや素材をだんだん自動化して楽になっていく系のゲームが大好物のゲーマーである。そう、自動掘削機など紬のハートにクリティカルヒットなのである。


「そのためには、先に階層つくらなきゃですね」

「よっしゃ、やるか!」


紬は腕まくりをして、モニターの前に置かれた椅子に深く座った。

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