95
「ねえ、かげろう。私たち友達になろうよ?」とにっこりと笑ってまめまきは言った。
すると、かげろうはいきなりのことだったから、はじめは、ぽかんという顔をしてまめまきの顔を見ていたのだけど、すぐに「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。まめまきさん」とまるで太陽のような明るい顔で(ぱっと、花が咲いたみたいに)嬉しそうに笑ってまめまきに言った。
「うん。こちらこそ、これからよろしくね。かげろう」そう言ってまめまきは子供っぽい表情で(えへへと)嬉しそうに笑うと、思わず、そのままかげろうの氷のように冷たいほっぺたに(かげろうのほっぺたはおもちみたいに柔らかかった)そっと、ちゅっと、キスをした。かげろうにキスをしてから、そんなことをするつもりは(本当だよ)全然なかったので、まめまきは自分の突然の行動に自分でもちょっとだけびっくりした。(まめまきにキスされたかげろうは、大きな目を丸くして、顔を真っ赤にして、もっとびっくりしていたけど)
それからまめまきは目の前にいる幽霊ホロウの男の子、浮雲かげろうの小さな体をぎゅっと抱きしめた。(それは突然のキスと同じで、本当に突発的な行動だった)
「え? あ、あの、まめまき、……さん?」
まめまきにしっかりとぎゅっと抱きしめられて、かげろうは戸惑っているようで、まめまきの小さなふくらみの胸の中で、あたふたしながら、(キスのときから、ずっとそのままの色の)真っ赤な顔をして、そんなことをまめまきに言った。
まめまきは無言のまま、かげろうのことを抱きしめる。
やがて、かげろうはどうしていいのかわからずに、(動くことをやめて)そのままずっとまめまきにされるがままにしていた。……誰かにこんな風にしっかりと抱きしめられたことなんて生まれてから今まで一度もなかったから、こういうときにどうしたらいいのか、どんな言葉を言えばいいのか、……かげろうにはよくわからなかった。(でも、なんだか、すごく嬉しかった。心があったかくなるような感じがした)
……つめたい。まめまきは思う。
かげろうの小さな体は、あいかわらず氷のように冷たかったけど、きっと、もっといろんなところが凍傷になっちゃうけど、かげろうを抱きしめている間は、そんなことは全然、ほんの少しも気にならなかった。(あとでみちびきからは、無理をしてはいけないといっぱい怒られちゃったけど……、ごめんなさい)




