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 まめまきはかげろうを連れて、(荷物のように抱えるように持ち運んで)かげろうの隠れ家である廃棄されている電車の車両の中に移動をした。

 その車両の中は綺麗に掃除がされていて、いろんなものがきちんと整理されて、いろんなところに置かれていた。(ほとんど、まるで彫刻のような、あるいはオブジェのようないろんな材質で作られている変な形をしている使い道がわからないものばかりだったけど……)

 色は晴れている空のような青色で、大きさは車両ひとつぶんで、入り口のドアは半分壊れていたけど、車両の中はいたるところにへこみや傷はあるけれど、ちゃんと全部の空間スペースが使えるようだった。車両は少しだけがらくたの山に重なるようにして廃棄されていたので、部屋の中は斜めになっていた。

 もう一つの少し高いところにある出入り口のドアはへこんでしまっていて、おそらく(見た様子では)開かないようになっている。

 窓ガラスは全部割れてしまっていた。だけど、ガラスの破片などはどこにもなかった。(木の板のようなもので、割れた窓をふさぐような補修はしてあった)

 目立つものは白い毛布のある(おそらく手作りの)ベットと、四角いテーブルと丸い椅子とのようなものが置いてあった。そのどれもすべてがどこかが壊れているもの(いろいろと補修はされている)ばかりで、きっと全部、かげろうが星屑のがらくたの山から拾ってきたものだろうとまめまきは思った。

 一通り簡単にだけど観察してみたけど、……どこかからひまわりがいやらしい機械をつかって、この場所を監視している様子はなかった。

 そんな風にかげろうの秘密の隠れ場の中を見ているまめまきの姿はいつの間にか、胡桃色の猫の耳と猫の尻尾がなくなっていて、いつもの人間の形をした普通のまめまきの姿に戻っていた。

 白い眼帯をしていない片方の猫のような目で、おびえているかげろうを見ながら、緊張をといて、(安全を確認して)にっこりと笑ったまめまきは「大丈夫。殺したりはしないよ。私は君の味方なんだよ。ひとりぼっちの君をさ、とっても悪いことを考えている悪の親玉から助けにきた正義の味方なんだ。まあ、ちょっとだけ、くるのが遅くなっちゃったけどね」とかげろうのちいさな耳元で(楽しそうな声で)かげろうに言った。

 かげろうはきょとんとした顔をしている。

 そんなかわいいかげろうの顔を見て、くすっと思わず笑うと、そこでまめまきはかげろうを開放して、その口から自分のてのひらを離した。(まめまきのてのひらは真っ赤になっていた)

「ぷはぁ」

 と、かげろうは言った。

「し、大きな声を出さないで」と口の前に人差し指をあてて、まめまきはいう。

「あ、は、はい。……すみません」

 と言って、かげろうは今度は自分の両手で自分の口に(ばってんをするように)蓋をした。そんなかげろうを見てまめまきは我慢できなくなって、(小さな声で)笑う。

「よし。いい子だね。それじゃあ、ゆっくりと自分の口からその手を離して、なるべく静かな声で喋るのよ。いいわね?」

「……はい。……わかりました」とまめまきの言った通りにして、静かなひそひそ声でかげろうは言った。

「うん。素直でよろしい」とまめまきはかげろうの頭を優しくなでながら、少しだけ中腰になって、(かげろうと目の高さを合わせながら)にこにこしながらそう言った。

 そんなまめまきのことを、かげろうはなんだか、とても珍しい光景でも見るような驚いた目をして、じっと見ていた。(なにに驚いているんだろう? まだ私が怖いのかな? まめまきはそっと自分の姿を怖くないか、確認する)

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