80 ここじゃない世界って、本当にあるのかな?
ここじゃない世界って、本当にあるのかな?
『……まめまき。なにか行動を起こす前に、深く物事を考えることは良いことですが、とりあえず、今は一刻も早く、この天の川銀河の駅が生きている駅なのか、あるいは死んでいる駅なのか、まずはそれを確かめてみましょう』とみちびきが言った。
「……あ、うん。そうだね。確かにその通りだ。ごめん、みちびき」とまめまきは言った。
まめまきはみちびきにそう言われるまでの少しの間、このあとの(かなり大変でとても危険なことになるであろう)あらゆる可能性や自分たちの行動を予測して、無意識のうちにじっと立ち止まってその体の動きを止めていた。
……よし。みちびきの言っている通り、とりあえず悩むのはあとだ。
まずはつばさちゃんの言うとおりにこの天の川銀河の駅の中に緊急時の脱出用の電車があるのか、それを最初に確認する。そう決心すると、まめまきの行動は早かった。
「ひかりちゃん、つばさちゃん。移動するよ」
「え? あ、はい」
「はい。わかりました」
ひかりちゃんとつばさちゃんがそう言っている間に、すでにまめまきは二人を一人ずつ脇に抱えて、地下に吹く冷たい冬のような風よりも速い速度で、もう大地の上を駆け出していた。
「わー!」
ひかりちゃんとつばさちゃんは、ひまわりのところから逃げ出したときと同じように、ものすごい速さで動く世界(風景)を見て、思わず、その星のある大きな目をきらきらと輝かせた。
そのまままめまきは天の川銀河の駅の古い改札(腰辺りまでの高さの神殿の柱のようだった)をジャンプして通り抜けると駅の構内に移動した。
古い改札を抜けて天の川銀河の駅のホームに向かうと、初めに確認した通りにそこに電車は止まっていなかった。
まめまきは立ち止まると、ひかりちゃんとつばさちゃんを地面の上にそっとおろした。
「この下にもう一つ、隠されているホームがあるんです」と(まめまきを見上げて)つばさちゃんは言った。
「隠されているホーム?」(つばさちゃんを見て)まめまきは言う。
「はい。秘密のホームです。えっと、こっちです。ついてきてください」そう言ってつばさちゃんは薄暗いホームの上を歩いて奥に移動した。
それから、あるところで立ち止まったつばさちゃんがなにやらホームの床をごそごそとしていると、ぱかっと(まるで魔法を唱えたみたいに)ホームの床が丸い形にすっぽりと抜けて、その下に梯子のついている下に続く抜け道があった。(それは幽霊ホロウの城の図書室にある映像記憶保管室から地下のつばさちゃんの秘密の隠れ家に続いていたあの梯子のある長い縦穴にとてもよくにていた)
おどろいているまめまきとひかりちゃんを(振り返って)見て、つばさちゃんはなんだか嬉しそうな顔でくすくすと小さな口に手を当てて笑った。
その梯子をおりて下にいくと、そこには地下鉄のような大きな半円形の空間のホームがあり、そこには古びた列車が一台、確かに止まっていた。
それは、電車ではなく列車と呼ぶのが正しいと思われるとても古風な列車だった。その列車は三つの車両で構成されていて、先頭車両は機関車のようだった。(王様が乗るような派手で豪華な装飾がされていた)後ろの二つの車両は客車とそれから、どうやら食堂車になっているようだった。
それらの車両はとても豪華な列車で外装にとても立派な装飾がなされている。(この列車だけ過去のままで時間が止まっているように)古びているけど……。(国賓とかそういった人たちをのせるための列車、あるいはテーマパークにあるような物語の中に出てくるような空想のおもちゃの列車のようだった)
天の川銀河の駅は現在、(古代の神殿のような)駅の造りはとても立派だったけど、使われている形跡はどこにもなかった。やはり天の川銀河の駅は地下の幽霊ホロウの街を建設中に資源の運搬用に使用されて、現在は廃棄された施設のようだった。
それにくらべて地下に隠されていた駅の施設はそうではなかった。地下の隠されていたホームにやってくると(自然と)明かりがついたし、不必要なものはなにもおいていないシンプルな(大規模だけど)構造だけど、使おうと思えばすぐに使えるようにちゃんと整備と準備がされている駅のようだった。
「……ひかりちゃん。この天の川銀河の駅は、もう使われてないんだよね?」
物珍しそうに、(ぽかんと大きく口を開けながら)ぐるぐると星のある大きな瞳で周囲を見ているひかりちゃんにジラは言った。
「え、あ、はい! まめまきさん。確かにこの天の川銀河の駅はもう使われていないです」と(慌ててまじめな顔をして)ひかりちゃんは言う。




