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まめまきとひかりちゃんとつばさちゃんは今、幽霊ホロウの街にある天の川銀河の駅という名前の大きな(古代の神殿のような造りの)駅にいた。そこの物陰になっている暗がりのところで、三人で集まってこそこそと内緒話をしている。(幽霊ホロウの街から脱出するための作戦会議をしているのだ)
『まめまき。つばさちゃんにきらめきのことは聞かなくてもいいのですか?』みちびきが言う。(幽霊ホロウに関係する情報を集めることはみちびきのプログラムの中で上位に設定されている)
「うん。時間もないし、かげろうを助けに行かなくちゃいけないから、きらめきのことは、あとでゆっくりとつばさちゃんに聞くよ。もう私はつばさちゃんを手放すつもりはないし、安全な場所までみんなで脱出してからね」
とまめまきはつばさちゃんを見ながら言った。つばさちゃんはまめまきを見ながらこくんと小さく笑顔のままでうなずいた。(まめまきはつばさちゃんの顔を見て、なんだか聖母のような雰囲気を感じた。不思議な感覚だった。……それと、今、きためきのことを聞いたとしても、つばさちゃんはきっとまだきらめきのことをまめまきに教えてくれないような気がした。もし教えてくれるのなら、きっとつばさちゃんからきらめきのことをもうすでにまめまきに話してくれていると思った。もしかしたら、きためきとは言葉ではうまく誰かに伝えることのできない力なのかもしれないとまめまきは思った)
天の川銀河の駅は幽霊ホロウの街に最初に足を踏み入れたときに、みちびきと一緒に幽霊ホロウの街の地図を作るために、街の中を隅々まで探索したときに一度、まめまきは訪れていた。(神殿のような不思議な形をしたへんてこな駅だと思った)
ひまわりのところから逃げ出したまめまきはつばさちゃんとひかりちゃんを連れて(二人を左右の小脇に抱えて)まずは幽霊ホロウの街の中心にある幽霊ホロウのお城の前に広がる円形の広間にまで移動をした。そこははしゃぎまわるロストチャイルドたちであふれかえっている幽霊たちのお祭りの中心部分でもあった。へんてこな形をした塔のようなオブジェまで、(牛とか馬とかだろうか? 動物のような形の積み上がったオブジェだ。それはどこか神様に捧げる生贄のようでもあった)いつの間にかどこかから集めてきたいろいろながらくたを組み立てて建てられていた。そこでいったん大勢の黄色く発光するロストチャイルドたちの動きを観察した。(落ち着いて。冷静に。情報収集は大切なのだ)
するとロストチャイルドたちはひまわりが命令をしていないのか、あるいは命令されていても、それを忘れて好き勝手に無邪気に遊んでいるのかはわからないけれど、みんなで必死で逃げ出したまめまきたちを探している様子は感じられなかった。(何人かのロストチャイルドはきょろきょろとしながら誰かを探すようなそぶりをして辺りを見渡していたので、まめまきたちのことを探しているようだった)ロストチャイルドたちはまるで地上の幽霊ホロウの街に出られたことを、あるいは久しぶりの自由を楽しむようにして、この幽霊のお祭りの夜を全力で、がむしゃらに楽しみながらはしゃぎまわっているだけのように見えた。
まめまきは闇にまぎれるようにして、ロストチャイルドたちに気が付かれないように慎重に(風のように素早く)移動する。
そこにある大きな噴水(神話の神様たちのような彫刻がたくさんの数、施されていた)の脇の闇を通り抜けて、七色に淡くランプの明かりに照らされて光る幽霊ホロウの街の影になっている石畳の道を走り抜けて、まめまきたちはとても大きな駅(つまり、今隠れている天の川銀河の駅だ)の前に音もなく到着した。
その駅の巨大な駅名を書いた看板には『天の川銀河の駅』と言う文字が書かれていた。
初めてその駅の名前をみたときに、まめまきはなんだか不思議な名前だと思った。そう思ったあとで、もしかしたらこの駅以外にもどこかに、たとえば、アンドロメダ星雲の駅とか、ケンタウルス座の駅とか、双子座の駅とか、プレアデス星団の駅とか、そういう駅があるのかもしれないと思った。
そう思った理由は天の川銀河の駅から続いている長い線路は幽霊ホロウの街の中だけではなくて『その外側の真っ暗な闇の先にまでずっと続いていた』からだった。




