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「ふーん。神様からの罰ね。それってさ、人間の神様? それとも人工知能の神様ってこと?」こまの首から下げているタブレットを見ながら(にやにやしながら)わたあめが言う。
『さあ、どうだろう? 僕にはわからない。でも、神様は神様だよ。神様に人工知能の神様も人間の神様もないさ。動物たちの神様や、それからこの砂漠に住んでいる獣たちの神様がいないようにね』
さいころは言う。
「人間は特別じゃないってことを言いたいんだね、さいころはさ」
と(さいころの前にかがみこんで、タブレットをのぞきこむようにして)わたあめは言う。
『命は平等だよ。人も、人工知能も、動物たちも、砂漠の獣たちも、みんな平等だ。神様は平等に愛してくれている。見てくれている。どんなときでも。どんな場所でもね』
「人工知能には、命はないでしょ? さいころ」とわたあめが言ったところで、「わたあめお姉ちゃん。さいころ。二人とも議論はそこまでにして」とみずあめが言った。
みずあめはその白く綺麗な指を一本だけ、上に向けていた。
みんなに、上を見て、と言う合図を出している。
そのみずあめの白い指の先をみんなが一斉に見上げた。するとそこには一機の銀色の(まるで随分と古いアニメに出てくるような、あるいは男の子の子供のおもちゃのような)細長い楕円形の宇宙船のような飛行物体が砂漠の青色の空の中を飛んでいるのが見えた。
その銀色のおもちゃのような宇宙船のようなも乗り物は、その真下の部分にあるエンジン部分から青白い炎を放ちながら、青色の空の中をゆらゆらと飛行しながら、砂漠に着陸するために、ゆっくりとその高度を下げているようだった。
その銀色のおもちゃのような宇宙船のような乗り物はそのまま、こまたちのいる場所のすぐ近くの砂漠の大地の上に危なっかしい運転をしながらも、三本の足の部分を砂漠の砂の大地の上に立たせて、やがてしっかりと止まった。(見ていて、ひやひやしたけど、きちんと着陸したのだ)
「向こうから連絡しておいて時間に遅れるとはね。まあ『王子様とかお姫様っていうのが、わがままなのはさ、どこの国でも同じなのかもしれないね』」と呆れた顔をしてわたあめが言った。(宇宙船の運転がへただったことにも、いらいらしているようだった)
「わたあめお姉ちゃん。失礼になるから、胸、ちゃんと隠してください」
と(わたあめの大きめの胸を見ながら)みずあめが言った。
「わかってるよ。もう、ちょっと忘れてただけじゃん。そんなに怒らないでよ。みずあめ」
とわたあめは発掘士用の作業着の上着をちゃんと着ながら、みずあめに言った。
木登砂漠発掘隊キャンプに突然の『SOS信号』が送られてきたのは、ほんの数時間前のことだった。
そのSOS信号を出した相手は、砂漠の上にある、ある国の王子様とお姫様だった。二人はある目的を持って、国を飛び出して、世界の国々が議論をする場所である議会のある北の国まで王家の専用の飛行機に乗って、空を飛んで移動をしようとしていた。そのときに、その王子様とお姫様の『これから起こそうとしている、ある行動』を邪魔しようとした『悪の組織』(王子様が通信の中で、すごろく博士にそう表現したらしい)に攻撃をされてしまい、現在、砂漠上空の空の中を砂漠特有の電磁嵐の雲の中に隠れるようにして隠密飛行しているから、助けてほしい、ということだった。そのSOS通信を受信した木登発掘隊の隊長である木登すごろく博士は王子様と通信機で話をして、王子様とお姫様を木登キャンプで一時的に保護することに決めた。(木登砂漠発掘隊キャンプは世界の国々から認められているどこの国にも所属していない国際的な法律に守られている組織だった)そのことが決まって、そのSOS信号を送ってきた王子様とお姫様を迎えに行くために、わたあめの運転する多目的カートに乗って、こまたちは、わざわざ砂漠にある巨大な鋼鉄の世界を遮る壁のある場所までやってきたのだった。
こまが珍しく興味津々と言った好奇心を丸出しにした顔をして銀色のおもちゃのような宇宙船のような乗り物を見ていると、しゅーー、という小さな音がしたあとで、ゆっくりと長方形の形の壁が開くと、その壁が階段になるようになって、その出入り口の部分が開いていった。
そしてそこから『金色の髪をしたかっこいい王子様と美しいお姫様』が、砂漠の大地の上に二人一緒に降りてきたのだった。




