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砂漠の太陽は熱く、そしてとても強く光り輝き、今、岩が砕けて、生み出されたばかりのようなさらさらとした美しい砂の大地の上には、すごろくとこまの黒く濃い影がくっきりと映し出されていた。
「砂漠というのはの、この世界でもっとも清からな風の吹く場所なんじゃよ」もじゃもじゃの白いひげをさわりながらふぉふぉ、と笑ってすごろくは言う。
「清らか?」顔をかたむけてこまは言う。
「そうじゃ」
そう言ってすごろくは嬉しそうな顔で(こまを見て)笑った。
こまは透明はオワシスの水を眺めて、それから、この世界でもっとも清からな風を感じようとして顔を上げたのだけど、残念なことに今日の午後の砂漠には、風は吹いていはいなかった。
こまの見える世界は永遠の黄色い、あるいは少し赤みのあるオレンジかがった色をした砂漠の大地が海のように広がっていた。……海よりも広い砂の大地。(こまにはそんな風に思えた)
砂漠にはなにもない。(こんなにも大きいのに。果てがないのに)
今、こまたちがキャンプを張っている緑と水のあるオアシスのように、とても小さな点として地図上に奇跡のように人が一応生活していける場所も存在しているけど、それは本当の本当に奇跡のような場所であり、広大な砂漠に比べるとあまりにも小さな小さな命のための聖域だった。(無人島のような場所だった)
「どうして砂漠は清らかなの?」すごろくおじいちゃんを見て、こまは言う。
「砂漠には今の人たちが忘れてしまった昔の神様が住んでいるからじゃよ」
ふぉふぉ、と笑ってすごろくは言う。
それからすごろくはにっこりと笑った顔のまま、体の大きさから考えて明らかに大きな手でこまの頭を優しく撫でた。
砂漠の発掘隊を率いるベテランの発掘士であり、また地下資源に詳しい世界でも有名な砂漠の研究者でもある七十歳になる年老いた(心も体も健康的でまだまだとっても丈夫だった)すごろくの大きな手は相変わらず、すっごくごつごつとしていた。(それに、細かい傷だらけだった)
こまはそんなすごろくのごつごつとした大きな手が、本当に本当に、小さなころからずっと大好きだった。




