59 巨大な砂漠 西暦××××年。時刻。昼。(少し過ぎ)
巨大な砂漠
西暦××××年。時刻。昼。(少し過ぎ)
砂漠に伸びるくっきりとした僕の影のお友達
えっと、こんにちは。
初めまして。
あ、すみません。そんなに驚かないでください。
僕はあなたの影なんです。
ずっと一緒にいて、ずっと声をかけたかったんですけど、恥ずかしかったので、なかなか声をかけられなくて、……。
やっぱり、ご迷惑でしたか? (少しだけ、泣きそうになりながら)
今日も暑いね。
季節は夏。真夏の太陽がぎらぎらと照りつける名もない砂漠の緑色のオアシスの中。
からからと氷の転がる音がする。見るとわたあめがストローでグラスの中の氷をくるくるとかき回していた。
「暑いね、こまちゃん」三つ星わたあめがとても強い光を放っている真夏の太陽を見つめながらそういった。
「砂漠にいるんだから、当たり前ですよ、わたあめお姉ちゃん」丸いテールを挟んで、わたあめと反対側に座っていた三つ星みずあめが言う。
わたあめはオレンジジュースを、みずあめはブルーハワイを、それぞれ透明な丸い形をしたグラスに入れてハート形に折れ曲がったストローで飲んでいた。
木登こまはそんな二人の様子を雲一つない青色に晴れ渡った砂漠の空を見上げながら、ときおり、うかがっていた。
近くには砂漠特有の少し変わった形をした緑色の植物と地下水の作り出す小さな泉、つまりオアシスがあり、そこには大きな気球と、そして大型の生活用テントが張られている。風はない。それ以外はすべてが砂。
そんな世界一(大陸の半分も面積のある)巨大な砂漠の上にカラフルな海水浴用のパラソルをさして、三人はのんびりとくつろぎながら会話をしていた。
わたあめとみずあめのそれぞれ髪の色と同じ色をした黄緑色と水色の大きな瞳の中には、よく見ると、その中に不思議な文様が見える。(それは二人が、コンタクトレンズ型のコンピューターデバイスを装着している証拠だった)
二人の容姿(顔や体の形)はわたあめの短い髪の毛とみずあめの長い髪の毛の髪型とメガネ(わたあめがかけている)以外、(まるで鏡にうつしたように)とてもよくにている。二人は双子の(星読みと呼ばれる家の)姉妹だった。
ここは木登砂漠発掘隊キャンプ。
その仕事の合間の休日に当たる午後の一時。(ひととき)




