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『了解しました』

 みちびきの声と同時に幽霊ホロウの街の一部で大きな爆発音と一緒に巨大な真っ赤な火の柱があがった。(まるで炎の魔法のようだった)その巨大な火柱は高く空まで伸びて、まめまきを飲み込もうとしていた巨大な(ロストチャイルドたちの群れ)竜を爆風でこなごなに吹き飛ばした。大爆発が起こった幽霊ホロウの街の一部は真っ赤な炎に包まれて燃えている。とても明るい巨大な燃え盛る炎の海が、たくさんのロストチャイルドたちと幽霊ホロウの街とずっと真っ暗だった(永遠の夜の)地下の世界の一部分を橙色に明るく照らし出している。

 巨大なかがり火のようなその燃え盛る激しい炎を(仲間たちがたくさん吹き飛んだというのに)恐れることなく、むしろなにかの(お祭りの)イベントでも起きたようにはしゃぎながら、ロストチャイルドたちはまるでみんなで踊るように手をつないで輪になってその大きな炎を包むようにして、げらげらと笑いながら、楽しそうにくるくると遊びまわっている。(その大きなわっかの外側では、輪に入れなかったほかのロストチャイルドたちが走りまわったり、飛びまわったりしていた)

 まめまきはほんの少しの間、そんなずっと真っ暗だった地下の世界が真っ赤に燃える風景を見てから、(……なにかを考えるような真剣な顔をしていた)再び動き始めると、古い橋の上を風のように走り抜けて、真っ暗な闇の中にその獣のような特殊な(変化をした)体を溶け込ませるようにしてあっという間に幽霊ホロウの街のどこかに消えていった。

 ……そして少しして、とんとんという、小さな足音をたてながら、さっきまでまめまきたちがいた古い橋の上にゆっくりと歩いて浮雲ひまわり博士が一人でやってきた。

 ひまわりの姿には一部変化があった。

 ひまわりはさっきまでの綺麗な(まるで妖精のような)素顔ではなくその美しい顔の上に白い仮面をつけている。『死んでしまった名もなき王女様の仮面』という名前の仮面だ。

 仮面をつけているひまわりは古い橋の真ん中で立ち止まると、(ちょうどまめまきたちが立ち止まっていた場所だった)明るい橙色に燃え続けている幽霊ホロウの街の見る。巨大な炎の海のゆらめきに照らされているひまわりのところに、偶然ちかくにいたロストチャイルドたちが数人、ひまわりの姿を見て引き寄せられるように集まってきた。

『お母さん』

『ひまわりお母さんだ』

『ひまわりお母さん。遊んで。ねえ。一緒に遊んで』

 ロストチャイルドたちは楽しそうに笑いながら、ひまわりの髪や腰やお尻のあたりに、まとわりつくようにして甘えてくる。

「よしよし」とひまわりはそんなロスチャイルドたちの頭を順番にそっとなでた。

「どこに逃げても無駄ですよ。まめまき。あなたはとっくの昔に私の悪い魔法によって、その体と心をとらえられているのですから。どこに隠れたとしても、絶対に私からあなたは逃れることはできません」

 ひまわりは古い橋の向こう側にある(まめまきたちが消えていった)真っ暗な闇を見る。

 それからくるりと向きを変えるとさっき歩いてきた道を戻るようにして、とんとんと小さな足音を立てながら、自分の部屋に向かって歩いて行った。

 舞台の上から役者たちの姿はなくなったが、ひまわりに解放されて自由になった(おそらくそうなのだろう)ロストチャイルドたちのお祭りは終わらない。むしろ舞台の上の演劇の中で自分たちが演じていえる役柄から解放されたようにして、ロストチャイルドたちのどんちゃんさわぎのお祭りはその混沌さをさらに増していった。

 どこに隠れていたのか、ロストチャイルドたちの数はいつまでも増え続けている。

 ……まるで地獄のふたが(本当に)あいてしまったかのように。


(……場面はいったん地上の砂漠へ)

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