57 フェスティバル 幻想的な巨大な竜と幽霊ホロウたちのお祭りの夜
フェスティバル 幻想的な巨大な竜と幽霊ホロウたちのお祭りの夜
ひまわりの部屋を飛び出したまめまきはつばさちゃんとひかりちゃんをその腕と背中に抱えながら、白い階段をジャンプしておりて、あっという間に吹き抜けの部屋のところまで戻ってきた。まめまきは止まらずに、そのまま吹き抜けの部屋を風のように走り抜けて古い橋のところまできたときにまめまきは空を見て驚いた。
「なに、あれ?」
思わず橋の真ん中あたりで立ち止まってしまったまめまきが見た風景は、まさに地獄と呼べるものだった。
幽霊ホロウの街の真っ暗な太陽の光のない空の中には、『数えきれないくらいのたくさんのロストチャイルドたち(今までどこにも姿の見えなかった亡霊たち)』であふれかえっていた。
その数は、本当に数えきれないほどに多い。その黄色に発光するロストチャイルド(迷子)たちは複数の群れをつくるようにして、『へけけ』と楽しそうに笑いながら、遠目から見ると、なんだか巨大な幻想上の生き物である竜のように、ぐるりと大きくうねりながら真っ暗な空の中をまるで泳ぐようにして飛んでいた。(そこはまるで真っ暗な深い海の底のようだった)
……ううん。それだけではない。空だけではない。誰もいなかった幽霊ホロウの街のあちこちにもロストチャイルドたちがいる。(獣になっているまめまきの月のように輝く瞳には遠くの街の中の風景がかろうじて見えた)ロストチャイルドたちはまるでおままごとでもするみたいに、幽霊ホロウの街の中でそれぞれが好き勝手にいろんな遊びをしながら遊びまわっていた。とても楽しそうに。……まるで、今日という日が、なにかの幽霊ホロウたちの記念日であり、今日が大きな幽霊ホロウのお祭りの日の夜でもあるかのように。
『これは、……まるで昔あなたと一緒にいった世界的に有名な大きなお祭りのようですね。まめまき』とみちびきが(まめまきの思っていることと同じようなことを)言った。
「うわー」
「すごいです」
それは実際に本当に、お祭りだったのかもしれない。普段からこんなたくさんのロストチャイルドたちが遊びまわっている風景は、地下の世界でもありえない風景なのだろう。それが自分の抱えているつばさちゃんとひかりちゃんの(まめまきやみちびきと同じように)この恐ろしい風景を見て、目を丸くして驚いている様子からわかった。
「みちびき。ロストチャイルドたちの数は?」とまるで邪魔をするように吹き抜ける強い風にその胡桃色の美しいふわふわのポニーテールの髪を揺らしながらまめまきは言う。
『ここから見えるだけの数であれば、三万くらいです』とみちびきは言った。
真っ暗な空の中を泳いでいた巨大な黄色に発光する竜の一匹が、古い橋の上にいるまめまきたちのことに気が付いたようで、まめまきたちのところに向かって、大きく口をあけながら向かってくる。
「みちびき。一番の爆弾を爆破させて」と(冷静な声で)まめまきは言った。




