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「幽霊ホロウの街に仕掛けた爆弾はみちびきがスイッチを押したらすぐにでも爆発できる。さあ、……どうする? ひまわり」つばさちゃんの姿をひまわりから隠すようにして、ゆっくりと立ち上がって、まめまきは言う。
ひまわりはにっこりと余裕のある表情で笑うとその白い手袋をした手の中にいつの間にか(きっとぶかぶかの大きな袖の中にしまっていたのだと思うけど……)見覚えのある真っ白な小さな箱を持っていて、それを花が咲くような仕草で、まめまきに見せるようにした。
そのまるで結婚指輪を入れておくような綺麗な小さな白い箱は、さきほどまめまきとひまわりがそれぞれの自分のイヤリングを閉まった小さな箱だった。
「この中にみちびきをしまってしまえば、まめまき。あなたはなにもできなくなります」とひまわりは言った。
「そうだね。でも、今はできる。みちびき、私の声が聞こえる?」
(つばさちゃんの力によってロストチャイルドたちは怯えている。今ならみちびきといつのもように会話ができるはずだ)
『はい。聞こえます。現在妨害電波はありません。幽霊ホロウの街に仕掛けた爆弾はいつでも爆破することができます。爆発の規模は幽霊ホロウの街全域に及びます。ただし、街の地下の施設まで破壊することはできません。おそらくは街の上側の部分を破壊することが限界だと予測されます』とみちびきは言った。
「なら、いま、私たちのいるこの幽霊ホロウのお城は吹き飛ぶよね」
『はい。ばらばらに吹き飛びます』とみちびきは言った。
「OK。計画通りだね」
まめまきはじっとひまわりを見る。
するとひまわりはにっこりと天使のような顔で微笑んで「お城だけじゃなくて、私もまめまき、あなたも吹き飛んでしまいますね。それだけじゃなくて、つばさも、ひかりも吹き飛んでしまいますよ。まめまき。あなたにそんな残酷なことができますか?」と言った。
できない、とまめまきは思った。
それはまめまきのことを小さな子供のころからとてもよく知っているひまわりにもわかっていることだった。だから最初から、幽霊ホロウの街に爆弾が仕掛けられていると知っているのに、その起爆スイッチがみちびきだってわかっているのに、いつでも爆弾を爆発できるって状態なのに、ちゃんと約束通りに二人だけのお話が終わったあとで、ひまわりは余裕をもって、まめまきにみちびき(起爆スイッチ)をかえしたのだ。
そのひまわりの未来予測は当たっている。まめまきは最初から爆弾を爆破するつもりはこれっぽっちもなかった。はじめから(有利な条件で交渉するために)はったりを言っているのだ。(……はじめっから、ばれちゃってたけど)




