39 天使のつばさ 天使のわっか 天使のこえ
天使のつばさ 天使のわっか 天使のこえ
「二人だけでお話がしたいの。その銀色の月のイヤリングは外してもらえますか?」と自分の右耳を指さしながらひまわりは言った。
「……わかった。いいよ」とまめまきはいう。
『まめまき。任務中に私を外す(つまり、案内人を失って道に迷う)ことは契約に違反しています。外すことを拒否します』みちびきが言う。
「ごめん。みちびき。みんなには内緒にしておいて」
右耳の銀色の月の形をしたイヤリングを外しながら、小さく赤い舌を出してまめまきは(いたずらっ子の顔をして)いった。
ひまわりはそっと、その美しい形をしている指である場所を指さした。その人差し指の先にはグランドピアノの横に置いてある小さな白い丸いテーブルの上に、とても小さな箱があった。結婚指輪を入れておくようなどこも汚れていない小さくて真っ白な箱だった。
ぱかっと、その白い箱を開けると、(中身はからっぽだった)その中にまめまきは右耳から外した銀色のイヤリングをそっと(指輪を入れるように)箱を閉じないままでしまった。
「どうもありがとう」とにっこりと笑ってひまわりはいった。
それからひまわりは自分の右耳につけていた金色の太陽の形をしたイヤリングを優雅な仕草で外すと、その白い箱の中にまめまきのイヤリングと並べるようにして入れて、そっと白い箱の蓋をしめた。
「ちょうどよかった。ひまわり。私もあなたと二人だけで話がしたいと思ってたんだ。昔みたいに秘密の隠れ場の中でしていた二人だけの内緒の話のように。そのために素直にあなたの言葉に従って契約に違反してまでみちびき(イヤリング)を外した。だからあなたも、もうどこにも逃げたり隠れたりしないで、このまま私とちゃんと本当の話をしてくれるかな? 嘘偽りのない本当のあなたの話を……」とまめまきはいった。
「はい。もちろん。いいですよ」とひまわりは天使のような笑顔でいった。




