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「大丈夫。怖くない。私は全然怖くないよ。ただ、つばさちゃん。私はあなたとお友達になりたいだけなの」まめまきは言う。
「……怖くない。まめまきさんは全然、……怖くない人」とまっすぐにその少し潤んだ水晶玉のような大きくて透明な不思議な星の浮かんでいる瞳で、まめまきの目を見ながら、つばさは言う。
『なるほど。そのタイミングで、unknown、もとい、データ修正。幽霊ホロウ小枝つばさを捕まえるのですか?』と余計なことをみちびきが言う。
……みちびき。いまはそういう余計なことを言わない。私に全部任せて。
まめまきは心の中で、みちびきにそう言って(表情にはほとんど出さずに)『ほんの少し』だけ、みちびきに対して怒りのような感情を向けた。(いつものように毒づいた)
……しかし、その『ほんの少し』の怒りの感情に、幽霊ホロウ小枝つばさはとても敏感に反応したようだった。
びくっ!! と、一瞬、手を伸ばして、まめまきの手を掴みかけていたつばさの手が、体ごと、小さく震えた。
かと思うと、急につばさはフードを今まで以上にぎゅっと両手で下げるようにして、深くかぶりなおして、まめまきからその顔のほとんどの部分を隠してしまうと、それからくるりと体の向きを回転させて、そのまま一目散に駆け足をして、まめまきの元から遠ざかっていこうとした。
「あ! 待って! つばさ!!」つばさと握手をしようとした手を伸ばしながら、まめまきはそう叫ぶ。
……でも、つばさは駆け足を止めることはなかった、
つばさの姿は、そのまま、すぐに真っ暗な闇の中に消えて見えなくなってしまった。
どうやら、つばさは手に持っていた小さなランプのオレンジ色の淡い明かりを駆け足の途中で、ふっと『吹き消して』しまったようだった。
つばさの周囲を明るく照らし出していた小さなオレンジ色のランプの淡い光は、まめまきの見ている前で、突然、消えてなくなった。
……そして、真っ暗な闇の中に笹枝まめまきは一人取り残された。
『逃げられちゃいましたね』とみちびきは言った。
「もう!! 誰のせいだと思っているのよ。みちびき。あなたが余計なことを言うからさ。……つばさちゃんと、お友達になれなかったじゃない!」とちっと舌打ちをして、腰に両手を当てて仁王立ちをした格好で、みちびきにまめまきは怒った声で言った。
(みちびきは、まめまきの耳につけている銀色のイヤリングの中で沈黙している)




