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『どうしますか? まめまき』(重たい沈黙を破って)みちびきが言う。
「当然、追いかけるよ。まだ私は『つばさと友達』になっていないからね」そうみちびきに言ったときには、すでにまめまきは闇の中を駆け出し始めていた。
……ようやく目がこの暗闇になれてきた。
さっきまで、ランプの明かりがあったから、少し時間がかかってしまった。
まめまきはその目になれた闇の中でぼんやりと光る猫の瞳のような大きなつり目をきょろきょろと動かして、風のように走りながら、周囲の様子を確認する。
……いない。変だな? まだ見失うわけないんだけどな。
まめまきは一度、走るのをやめて、その大きな光る猫の瞳を閉じて、周囲の気配にじっと意識をかたむけてみる。すると、少し遠くで、何者かがざっざ、と言う足音を立てて、駆け足をしている音が聞こえた。
それは、その音の感覚からわかる体重や、大きさから考えてみても、先ほど出会った幽霊ホロウの女の子、小枝つばさに違いないとまめまきは判断をする。
でも、それほど距離は離れていないはずなのに、まめまきにはいつものように、自分の近くにいるつばさの様子やその場所を正確に判断することができなかった。
……なにかが私の邪魔をしている。まめまきはそう決断を出したあとで、そっと、その大きな猫のような瞳を開ける。
「みちびき。この周囲になにか妨害電波のようなものは流れている?」まめまきは言う。
『確認できます。微量ですが、思考の邪魔をするような力場が感知されています。正体は不明。その力場は、思考だけではなく、聴覚、嗅覚、視力、味覚、身体、運動感覚など、あらゆる感覚に作用するようです。脳に直接影響を及ぼす力です。磁力に似ていますが、……地上では確認されていない力場です。そんな力場が、この空間のかなりの範囲を覆っています。不思議な力です。データを収集します。データ収集中……。収集中』
……なるほど。それでさっきから、なんだか頭がくらくらするのか。(少し頭痛もする)
自分の頭を少し押さえながらまめまきは言う。
『この場所に長くとどまっていることは危険です。まめまき。ここは一度、壁の穴をもう一度通って、外壁から幽霊の街まで戻りましょう。撤退を提案します』みちびきは言う。
「却下。それはできない。幽霊ホロウの保護を優先する。あんなに小さい子供をひとりぼっちにしておけない」
まめまきは言う。
それからまめまきはまた、大地の上を風のようになって、駆け出した。
周囲には真っ暗な闇の中にぼんやりと浮かび上がるようにして、たくさんの瓦礫の山があった。
その山と山の間の道を、まめまきは一人で逃げ出してしまった小枝つばさを追って駆け足をしている。
しかし、つばさの姿はもうどこにも見えない。(どうやら、つばさはこの辺りの地形にかなり詳しいようだった。それに、見かけによらず、鬼ごっこもかくれんぼもすごく得意みたいだった)
やるじゃん。とまめまきは思った。




