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 まめまきはひかりちゃんと一緒に手をつないで、大きく揺れている大地の上を走りながら、自分たちの今の状態をあたらめて確認してみる。

 まめまきは特殊な繊維で織られている引き締まった(十五歳のまだまだ成長途中の)自慢の体にぴっちりとした(体の形がよくわかる)手首や胸元、腰回りなどに幾何学模様のある黒のスパイ服をきている。(00というまめまきのコードナンバーが桃色の数字で肩のところと首の後ろに書かれている)左目には白色の包帯の眼帯をしている。背中に桜色の小さな(特殊な背中に張り付くような)携帯用のリュックサックを背負っている。その中にはいろいろなスパイ道具や非常食や水などがはいっている。

 ひかりちゃんは(もういろんなところが汚れていたり、ぼろぼろになってしまっている)幽霊ホロウのぶかぶかのそでの(おばけの真似ができそうな)白い大きめのフード付きのコートをきている。それだけで、あとはなにも荷物はもっていない。

 まめまきは最後の非常食をひかりちゃんとわけあって食べた。スティック状の固形物の非常食(ストロベリーチョコレート味)をぽきっとおって、ひかりちゃんに渡してから、一緒に口の中にいれてそれを食べる。それで少しだけ元気がでた。(ひかりちゃんは初めて食べる非常食に興味津々だった。もぐもぐといつまでも口を動かしながら、非常食を飲み込むと、「なんだか不思議な味がします」とにっこりとわらって、口元に食べかすをつけたままで、まめまきに言った。とってもかわいい)

 水筒の水をひかりちゃんと一杯ずつ飲んだ。(ひかりちゃんは水筒のコップを両手でもって、美味しそうにごくごくと水を飲んだ)

 スパイ道具は探索用の道具や(軍事用の特殊な双眼鏡やコンパス。幽霊ホロウの街の地図。時間が正確な時計。鍵開けの道具。簡易的な医療キッド。暗視用のゴーグル。などなどだった)盗み用の道具、あるいは逃げるときのための道具などばかりで、今の追い詰められている状況では、役に立つ道具はほとんどなにもなかった。

 唯一の武器としても使用できる道具である、捕獲用の電気ロープの鞭はひまわりとの戦いのときに壊れてしまっていた。スイッチを押しても、びりびりと電気を放ったりはしなかった。(もともと捕獲用でそれほど耐久力があるわけではなかった)

 獣化(けものか、ビースト)することも、限界があった。本来獣化は最終手段であり、ずっと獣の姿のままでいられるわけではなかった。(あっという間に、とても体力と精神力を消耗してしまうのだ。副作用として疲れによって全身が動かなくなってしまったり、うまく思考することができなくなったりして、それから、きゅうにとても強い眠気に襲われて、とても長い時間、抵抗することもできずに、眠ってしまったりしてしまうことがあった。それでも無理に獣化していると『もっとひどいこと』がおこってしまうのだけど、それは体重と同じくらい『秘密トップシークレット』だ)

 ……ずっと強がっているけれど、まめまきの体力はすでに限界にちかく、今はもう、ひかりちゃんの小さな体を抱えて、風のように走ったり、大きくジャンプをして飛んだりすることもできなかった。(ひまわりを追わなかったのには、自分の力の限界がきていたことも理由の一つにあった)

 ひかりちゃんと一緒に手をつないで走りながら「はぁ、はぁ」とまめまきの息があがる。まめまきはたくさんの汗をかいている。ひかりちゃんはそんなまめまきのことを心配そうな瞳で時折、見たりしている。

 まめまきはひかりちゃんの星のある大きな瞳を見返して、無理をして笑うと、それから前を見て、……我ながらちょっと情けないな、と思って反省した。

 ごごごご、……。

 大きな揺れは、またさっきまでよりも、ずっと大きくなった。

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