118 さあ、宇宙船に乗ってさ。あの星までいこうよ。わたしたちと一緒にね。
さあ、宇宙船に乗ってさ。あの星までいこうよ。わたしたちと一緒にね。
地上に出ると、そこは地獄だった。まめまきとひかりちゃんがはしごをのぼりきって、その頭を隠し通路の穴から出したときには、そこにはもう天の川銀河の駅はなくなっていた。幽霊ホロウの街はもうその大部分が崩壊して、幽霊ホロウの街の周囲にある真っ暗な深い穴の中に落っこちてしまっていたようだった。
幽霊ホロウの街の中心にある幽霊ホロウのお城はまだその形をたもっていた。……いや、もうすでに、中心部分の幽霊ホロウのお城あたりと、まめまきとひかりちゃんのいる天の川銀河の駅があったところ以外の幽霊ホロウの街は、崩れ落ちてもうなくなってしまっている、といったほうがいいだろう。
ただ、幽霊ホロウのお城はまだもう少し大きな揺れにも、持ちこたえてくれそうに見えるけれど、天の川銀河の駅のあたりは、もう間もなく、崩れ落ちて、深い大きな穴の中に落っこちてしまいそうだった。(みちびきの認識でもだいたいまめまきと同じ予測だった)
幽霊ホロウの街中に響き渡っていた大きな鐘の音は止まっている。(鐘はもう崩れ落ちてしまったのだろうか? 残っている幽霊ホロウのお城のところには音を鳴らし時刻をつげる大きな鐘のようなものは見ることができなかった)そのせいなのかはわからないけれど、ずっと鐘の音を聞きながら動きを止めていたロストチャイルドたちはみんなが動き出していて、たくさんのロストチャイルドたちは幽霊ホロウのお城に群がるようにしてあつまっている。
崩れかけている廃墟のような幽霊ホロウのお城にうずを巻くようにして、小さなロストチャイルドたちが群れを作るようにしてなにか巨大な一個の不気味な黄色に発光する不定形のこの世界にいるはずもない(悪魔のような、化け物のような)生き物のようになって、動いている風景は、とてもこの世のものとは思えない、あるいはこの世界の終末のような風景だった。
ロストチャイルドたちは『……しくしく、しくしく』『しくしく。ひまわりお母さん』『……ひまわりお母さん。どこにいるの?』『ひまわりお母さん。怖い。怖いよ。どこにいるの?』『しくしく、しくしく。……ひまわりお母さん』『ひまわりお母さん。どこ? 悲しいよ。寂しいよ』『怖いよ。怖いよ。しくしく、しくしく』など、それぞれが泣きながら、もう幽霊ホロウの街からいなくなってしまった、ひまわりのことを必死に探しているようだった。
その悲しみはとても深いようで、ロストチャイルドたちはみんなが泣いていた。……そのロストチャイルドという名前の通り、お母さんを失った小さな子供の迷子のように。(そんな風景をみて、ひかりちゃんはぶるぶると震えながら、とても、とても怯えていた)




