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116 星と愛を探して ねえ、お願い。星を探して、愛を見つけて。

 あらゆるひとには、ひかりがあり、かげがある。

 あかるいひかりと、まっくらなかげ。

 あなたはひかり? それとも、かげ?

 ……、ねえ、どっちだと思う?


 星と愛を探して


 ねえ、お願い。星を探して、愛を見つけて。


「まめまき。星を探しなさい」とひまわりは言った。

「星? 星って、あの夜空に輝く星のこと?」とまめまきは言う。

「そうです。星です。星を探すのですよ。まめまき。それが『あなたたちに残された最後の希望』なのです」とくすくすと子供のように笑って、ひまわりは言った。

 ひまわりはゆっくりとその美しい素顔を隠していた絹のような白い薄いヴェールをゆっくりととった。そして、その(光り、輝くような)美しい真っ白な素顔のままで、美しい青色の(海のような)瞳で、じっとまめまきのことを見る。

 まめまきは一瞬、(まるで魔法にかかったように)そのひまわりの人間ではないような、神秘的な美しさに魅了されて、そのままひまわりの大きな青色の瞳の中に吸い込まれていくような、(落ちていくような)そんな不思議な感覚を味わった。

(ひまわりの顔は、あいかわらずとても美しかった。それは人間ではない、まるで名工の手によって命を吹き込まれて、作り出された精巧なお人形のようだとまめまきは思った。あるいは、本物の女神のようだと思った)

 それからひまわりはなにも言わずに、無防備に、音もなく歩いて、まめまきのすぐ目の前までやってきた。(まめまきは魔法で石になってしまったかのように、ぴくりとも動くことができなかった)

 そしてそのまま、ひまわりはそっと、まめまきのほほに子供のキスをした。(それは、とても優しいキスだった。愛を感じるキスだった)

 まめまきはとても驚いて、猫のような目を大きくして、ひまわりを見る。(ほほにはまだ、ひまわりのぬくもりがちゃんと残っている)

 するとひまわりはにっこりと、まるで(いたずらが成功してびっくりしている恋人を見て喜んでいる)いたずらっ子のような、年相応の十五歳の無邪気な少女の顔で嬉しそうに笑った。

 びっくりしているまめまきはひまわりからキスをされたほほを手で触りながら、(白い眼帯をしていないほうの)大きな目をしたままで、ひまわりを見ている。

「まめまき。悲しいけれど、もう二度と私たちは会うことはないでしょう。だけどね、最後にまめまき。あなたに会えてよかった。無理をして冒険をしてよかった。あなたの顔を見られて本当に嬉しかった。私はね、まめまき。あなたのことが大好きだったのよ、ううん。違うな。今も大好き。出会ったときからずっとね。嘘じゃないよ。『あなたの本当の名前だって、私は今もちゃんと覚えている』」とひまわりは魅力的な甘い声で、まめまきの可愛らしい小さな耳元でそう囁いた。

「さようなら、まめまき。命を大切にしてね」ひまわりはまめまきから離れると、その顔を絹のような、白い薄いヴェールをつけてまた隠してしまった。

 それからひまわりはくるりとまわって、音もなく、歩きだした。

 待っていた(ずっと顔を大きなフードを引っ張るようにして、深くかぶって隠したままの)つばさちゃんと手をつないで、ひまわりとつばさちゃんは豪華な客車の奥の扉を開けて、運転席のある先頭の機関車に行ってしまった。

 その扉がゆっくりと閉まると、二人の姿は見えなくなった。

 まめまきはぼんやりとしながら、そんなひまわりとつばさちゃんのことを二人の姿が見えなくなるまで、ずっと見続けていた。

(……まめまきは、ひまわりのキスで、ずっと前に私にかけられていたひまわりの魔法が今、とけたのだろうか? それとも今、私はひまわりのキスで新しい魔法にかかってしまったのだろうか? とそんなことをぼんやりとする頭の中で、子供のころの天使のようなひまわりのことを思い出しながら、考えていた)

「まめまきさん」とまめまきの手を触りながらひかりちゃんが言った。

「うん。わかってる。私は大丈夫だよ、ひかりちゃん。ここを一緒に出よう。そして、星を探そう。私たち二人で一緒にね」とひかりちゃんを見て、にっこりと笑って、まめまきは言った。

「はい」と嬉しそうな声で、嬉しそうな顔をして、ひかりちゃんは言った。

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