108 あなたの罪とわたしの罰 お母さん。大好き。
あなたの罪とわたしの罰
お母さん。大好き。
ひまわりは子供だった。見た目以上にその心の中は、ずっと、ずっと幼い子供だった。(天才とは、みんなが、そういうものなのかもしれないけど……)そのことを子供のころ、ひまわりと一緒に暮らしていたまめまきはよく知っていた。(子供だからこその無邪気な残酷さを持っていることも知っていた)
ひまわりは明らかに怒っていた。幽霊ホロウから(自分の子供から)こんなにもはっきりと『嫌です』と言われたことは、今がはじめてのことなのだろうとまめまきは思った。
ふふ。ざまあみろ、と(小さく笑って)まめまきは思う。
「ひかりちゃん。私の後ろにいて」とまめまきは言った。
「はい。まめまきさん」ひかりちゃんは言われた通りにまめあきの背中に隠れるようにして移動した。
「ひかり。いい加減にしなさい。それ以上わがままを言うと本当に怒りますよ?」ともう(めちゃくちゃ)怒っているひまわりが言った。(白い薄いヴェールでひまわりの顔は見えないけれど、きっとひまわりは今、その美しい顔を真っ赤にして、ほほを風船のようにふくらませているのだろう)
「『嫌です』。戻りません。『ひまわりお母さんは、間違っていると思います!』」
とひかりちゃんはまめまきの背中から顔だけを出して、今度もはっきりとひまわりに言った。
そのひかりちゃんの言葉を聞いて、(ついに)ひまわりは『かちんと(子供のように)きれた』。
「ひかり!!!」
とひまわりは大きな声で叫ぶと、ぶかぶかの袖の中にでも隠していたのか、その手に(いつの間にか、魔法のように取り出した)びりびりと青白い光を放つ電気の鞭を持つと、思いっきり、その電気の鞭をふって、すぐ隣にある豪華な客車を破壊した。
どかん!!
と、ものすごい音がした。
まめまきの背中の後ろでひかりちゃんが、ひまわりの隣でつばさちゃんが(ほとんど同時に)びくんとその小さな体を大きく震わせる。
そのままひまわりは電気の鞭を振り回すと、今度はひかりちゃんに向かって、電気の鞭を(まるで獲物を狙う狡猾な蛇のように)ふるわせた。
そのひまわりの電気の鞭をまめまきの電気ロープの鞭が空中で、ぶつかり合うようにして叩き落した。(まめまきの中で、もうとっくにひまわりとの戦闘の準備は整っていた)
ばちぃ!! と青白い閃光とともに、電気の弾ける音がした。
それでもひまわりの鞭は止まらない。続けて、二度、三度と同じように、空中でお互いの電気の鞭が、まるで二匹の大きな蛇がじゃれあって遊んでいるかのように、ぶつかり合って、ばちぃ!! ばちぃ!! と青白い閃光が(放電現象とともに)走った。
「つばさちゃん!! あなたもこっちにきて!!」
とまめまきは(つばさちゃんを見て)叫んだ。
でも、つばさちゃんは(ひかりちゃんのように)動かなかった。つばさちゃんはその美しい顔をまめまきに向けている。その綺麗な星のある幽霊ホロウの大きな瞳には、とても深い悲しい感情が浮かんでいた。
「つばさちゃん!!」まめまきは言う。
そのまめまきの言葉につばさちゃんはゆっくりと小さく、その顔を左右にふって動かした。(つばさちゃんの綺麗な亜麻色の三つ編みの髪が小さく揺れた)そんなつばさちゃんを見て、どくん、と一度、まめまきの心臓が強く動揺して高鳴った。(つばさちゃんは、ひかりちゃんとはまたなにか違うことを、強く決意しているようなそんな強い瞳をしていた)




