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「幽霊ホロウは食事を必要としません。水を飲む必要もありません。人間の真似事として食べてり、飲んだりすることはできますが、(ちゃんと栄養にも毒にもなります)する必要はありません。体もとても丈夫です。見た目以上に力も体力もあります。そして、幽霊ホロウは生まれた姿のままで、成長しません。『幽霊ホロウは(永遠に)子供であり、ずっと(どんなに長く生きたとしても)大人にはなりません』。正確に説明をすれば、体は(姿や形は)成長しません。(変化しません)でも、心は愛をもって育てればちゃんと植物のように成長します。赤ちゃんのようだった生まれたての幽霊ホロウの丸くて、あったかくて、ちいさな心は、木々が成長するように、子供と同じように心が成長します。でも、体は最初からずっと子供のままです。成長もしなければ、(そのかわり)なにかを失うこともありません。もちろん、事故や怪我をしなければのお話です。そんな幽霊ホロウも死ぬときがあります。それはどんなときだか、わかりますか?」
ひまわりは黙っていたまめまきに言葉を続ける。
みちびきはいつものように、ひまわりの言葉をずっと記録し続けている。……まめまきは、今もずっと、沈黙したままだった。(頭の中はずっとちりちりとしていた)
「まめまき。あなたの答えは沈黙ですか? なら正解を教えてあげます。正解は『愛を失ったとき』です。幽霊ホロウは愛をもって育てます。『愛こそが、幽霊ホロウのエネルギー』なのです。なので、愛を失うと、幽霊ホロウは死んでしまいます。死んでしまって、心と命を失って、ただの砂になってしまうのです」とひまわりは言った。(ひまわりがどんな顔をしているのかは、薄いヴェールに隠れていてわからなかった)
「ひまわり。かげろうはあなたの愛を失ったから、砂になってしまったの?」とまめまきは言った。
すると、「え!?」というひかりちゃんの声が聞こえて、ひかりちゃんがちょこんとその綺麗な顔を豪華な客車の椅子の影から出して、とっても驚いた顔をしてまめまきを見た。(どうやらつばさちゃんとひかりちゃんはもう幽霊ホロウの眠りから目覚めていて、ひまわりに命令されて、その眠っていた席に座って私たちの会話をずっと聞いていたようだった)
「はい。そうです。まめまき。かげろうが死んでしまったのは私の愛を失ったからです。私はかげろうを愛していました。愛をもってかげろうを育てました。でも、かげろうは失敗作でしたので、もう愛してはいません。それはかげろうもわかっていたことです。星屑でのかげろうの暮らしは、見て見ぬふりをしてあげました。あの子がそうしたいのなら、最後に自由にさせてあげようと思いました。……そうですか。もうすぐだとは思っていましたが、かげろうは死んでしまったのですね。まめまき」とひまわりは言った。
ひまわりの隣で、ひかりちゃんがとても真剣な顔をしてまめまきをじっと見つめていた。そんなひかりちゃんをみて、まめまきは「ごめんなさい。ひかりちゃん。……本当に、ごめんなさい」と(震える声で)まめまきは言った。
その瞬間、ひかりちゃんの幽霊ホロウの星のある大きな瞳から、たくさんの透明な涙があふれだしてきて、それはすぐに、ぽたぽたと真っ赤な客車の絨毯の上に落っこちた。(泣いているひかりちゃんの顔はまるで時間が止まったように、ずっとかたまったままだった)




