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地下の秘密のホームに戻ってくると、ホームの奥の壁がまるでナイフでくりぬいたかのように、ぽっかりと四角い穴が開いている場所ができていた。(最悪の予想が本当になってしまった)
……それは人が通れるくらいの大きさの扉のような形をした穴だった。
それは、秘密の抜け穴だった。
その秘密の抜け穴をみて、まめまきここにひまわりがやってきていることがわかった。秘密の抜け穴を(きっと、わざと)閉じていないところを見ると、ひまわりはまめまきに幽霊列車に乗ってきなさい、と言っているようだった。(ホームには、ひまわりの姿はどこにもなかった。ひまわりは幽霊列車に乗っているのだろう。ひかりちゃんとつばさちゃんがいる幽霊列車に……)
まめまきはゆっくりと歩いて三両編成の真ん中にある幽霊列車の豪華な客車に乗り込んだ。すると、そこには(やっぱり)ひまわりがいた。
ひまわりはまめまきに背中を向けていた。(白金色の長くて美しい髪がとても綺麗だった)その服装は幽霊ホロウのお城にあるひまわりの部屋で会ったときと同じ服装だった。
真っ白な美しい華奢な両方の肩の出ている、腰のあたりに大きな水色の花のようなリボンのある上品な上着と、美しい足がふともも(のつけ根のあたり)まで見えているとても短い白色のハーフパンツを着ていて、そのドレスのような服には特徴があって両手の指が隠れるくらい長くてぶかぶかの大きな袖のデザインになっていた。ちょうど両手を隠して胸の前に(ぶらさげるようにして)持ってくれば、おばけの真似ができるようなデザインで、それは幽霊ホロウの着ている白色の大きなぶかぶかの袖のコートと同じようなデザインになっていた。(おこちゃまのひまわりのことだから、本当におばけがモチーフのデザインになっているのだろう)
ひまわりは豪華な客車の赤い絨毯のひいてある中央の通路に立っていた。
その横にある四人掛けの古風な客席には、つばさちゃんとひかりちゃんが眠っているはずだった。……でも、今、二人の姿は客車の椅子のうしろに隠れてしまって、まめまきのところから見ることはできなかった。
まめまきが白い眼帯をしていないほうの片っぽの猫のような瞳でじっとひまわりをみていると、ゆっくりとこちらに背中をむけていたひまわりがくるりと優雅に回って、まめまきのほうに顔を向けた。
すると、ひまわりの服装の中でひとつだけ、変化しているところがあった。
ひまわりは、その美しい人形のような顔を隠すようにして、白い薄い絹のような、ヴェールのようなものをその顔についていた。ひまわりの部屋であったときのように珍しい素顔ではなかった。(ひまわりの顔の輪郭は見えるけど、表情は影になっていて見えなかった)
ごごご、ごご、……。
……。世界が少しだけ大きく揺れた。世界は今もずっと揺れ続けている。だけど、この場所は古い神殿みたいな天の川銀河の駅の外に比べても、あるいは天の川銀河の駅の中に比べても、ずっと揺れが小さかった。それでも、その揺れがだんだんと大きくなっているのがわかった。
「幽霊ホロウが死んでしまうのは、どんなときだか、わかりますか? まめまき」といつもの美しい声でひまわりは言った。




