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101/145

101 あなたがいるから、わたしは世界を明るくしようと、そう思ったんだよ。

 あなたがいるから、わたしは世界を明るくしようと、そう思ったんだよ。(わたしひとりぼっちだったら、世界は別に、まっくらなままでも、よかったんだよ)


 かげろうが『いなくなってしまってから』、まめまきはしばらくの間、その場所を動くことができなくなった。

 そうして、しばらくすると、……、浮雲かげろうは、さらさらとした白い砂漠の砂のようになって、地下の世界に吹く冷たい風に運ばれるようにして、この世界から消えてしまった。……、そして、そのあとには、この『小さなねじだけが残った』。

 幽霊ホロウはその最後のときを迎えると、さらさらとした白い砂漠の砂になり、消えてしまう。その生きた証をなにも残すことなく……。初めて幽霊ホロウの最後の瞬間を見て、それがわかった。(だから、きっと、幽霊ホロウの街の地下でみた、たくさんの捨てられていた形ある死体のような人形たちは、今の幽霊ホロウを生み出す前の段階のひまわりの実験での失敗作、ということなのだろう)

 ……、それとも、かげろうがこの『小さなねじ』を残したように、幽霊ホロウは最後に、なにかを残すことができるのだろうか?

 ……、あるいは、これはかげろうだけの特殊な事例なのだろうか?

 わからない。(わからないことばっかりだ)

 わかることは、『私は、このかげろうの残した小さなねじを絶対にひかりちゃんに届けなければいけない』ということだけだった。

 ……いなくなってしまったかげろうのかわりに。……かげろうの願い通りに。(かげろうは、ひかりちゃんがひとりぼっちになることをずっと心配していた。そんなかげろうの思いが、優しい気持ちが、なぜが小さなねじを拾ったときに、しっかりと、手のひらから、まめまきの心に伝わってきた)

 まめまきはかげろうが残した小さなねじをなくさないように、ぴっちりとした愛用のスパイの服にある特殊なポケットの中にしまった。

 そして涙を拭いて、まめまきは再び走り始めた。(……かげろうと、一緒に)


 天の川銀河の駅までくると、まめまきの予想していた通りに、そこは幽霊ホロウの街のほかの場所と比べても明らかに、きちんとした形を保ち続けていた。

 脱出経路として地下の秘密のホームにわざわざ隠して幽霊列車を配置しているのだから、この人工的な揺れで、この天の川銀河の駅は、本当に最後の最後の瞬間になるまでは壊れたりはしないのだろう。

 まめまきは(古代の柱のような)改札を抜けると、そのまま天の川銀河の駅の中に移動する。(世界は今も、ずっと大きく揺れ続けている)

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