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【ハズレ職】素材採取士の私。お金のために採取していたら世界最強になりました。10000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち


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30話 また金貨につられてつよい魔物とたたかうことになってしまいました。

ブングルの街。


ラウラとダリアは、ギルティの鍛冶屋へ向かっていた。


「ギルティさん、いるでしょうか」


「いるだろう!」


「そうですよね」


二人は店の扉を開ける。


「こんにちはー!」


「邪魔するぞ!」


「おや?」


奥からギルティが顔を出した。


「ラウラ、ダリア。どうしたの?」


「これを渡しに来ました!」


ラウラは魔法の鞄から、小さな魔石を取り出した。


キラリ。


淡く輝く魔石。


「これは……」


ギルティが目を見開く。


「フェアリーラットの魔石です!」


「フェアリーラット……」


ギルティが魔石を受け取る。


そして、鑑定するようにじっくり眺めた。


「…………」


「どうですか?」


「これ……」


ギルティの目がさらに大きくなる。


「極上品質!?」


「はい!」


「すごいな……!」


ギルティは魔石を光にかざす。


「フェアリーラットの魔石自体が珍しいのに、極上品質なんて……」


「頑張って取りました!」


「頑張って?」


ラウラは少し遠い目をした。


「……ものすごく追いかけられました」


「?」


ダリアが笑う。


「追いかけっこをしたのだ!」


「なるほど……?」


ギルティはよく分からない顔をした。


「まあ、いいや」


そして魔石を大切にしまう。


「これなら、かなり面白い装備が作れそうだよ」


「本当ですか?」


「うん」


ギルティは設計図を広げる。


「スライムストーンもある」


「はい」


「サファリ鉱石とパル鉱石もある」


「あります!」


「魔結晶も用意できる」


「お願いします!」


ラウラが頭を下げる。


「それで――」


ダリアが懐から金貨を取り出した。


「いくらだ?」


「そうだね……」


ギルティが少し考える。


「一人、金貨15枚でどう?」


「金貨15枚……」


ラウラが金貨を見る。


「払います!」


即答だった。


ダリアも金貨を取り出す。


「もちろんだ!」


二人はそれぞれ金貨15枚を渡した。


合計――


金貨30枚。


「これでよろしくお願いします!」


「任せて!」


ギルティが笑う。


「最高の装備を作ってみせるよ!」


「楽しみです!」


ラウラとダリアは店を出た。


そして――


「…………」


「…………」


二人は顔を見合わせる。


「暇ですね」


「暇だな」


装備が完成するまで、やることがない。


「どうします?」


「ギルドに行くか」


「そうですね」


二人は冒険者ギルドへ向かった。




「さて……」


ギルドに到着したラウラとダリア。


依頼掲示板を眺める。


「ダンジョンに行きますか?」


「それとも採取か?」


「うーん……」


ラウラは掲示板を見る。


薬草採取。


鉱石採取。


魔物討伐。


ダンジョン探索。


「迷いますね」


「どれも金になるな」


「そうなんですよね」


二人が悩んでいると――


バンッ!


ギルドの扉が勢いよく開いた。


「大変だ!」


一人の冒険者が飛び込んでくる。


「どうした!?」


受付嬢が立ち上がる。


「タイガーキャットが出た!」


「タイガーキャット!?」


ギルド内がざわつく。


「タイガーキャットって……」


「あの魔物か?」


「Aランクの魔物だぞ!」


「本当に出たのか!?」


「勝てるのかよ……」


冒険者たちの顔が一気に険しくなる。


ラウラとダリアも顔を見合わせる。


「Aランク……」


「強そうだな」


「怖いですね」


「うむ」


ギルド職員たちも慌ただしく動き始める。


「場所は!?」


「西の街道近くだ!」


「被害は!?」


「まだ確認できていません!」


その時。


ギルドの奥から――


大きな声が響いた。


「落ち着け!」


冒険者たちが振り返る。


現れたのは――


ギルドマスターだった。


「タイガーキャットが出現したのは本当か?」


「はい!」


報告した冒険者が頷く。


ギルドマスターはすぐに指示を出す。


「近隣の冒険者に緊急招集をかけろ!」


そして――


ギルド内を見渡す。


「タイガーキャット討伐を緊急依頼とする!」


「報酬は――」


ギルドマスターが声を張り上げる。


「金貨20枚だ!」


「おお……!」


冒険者たちがざわつく。


金貨20枚。


かなりの高額報酬だ。


その時。


「はい!」


ラウラが手を上げた。


ギルドマスターが見る。


「なんだ?」


「素材ももらえますか!!!」


「…………」


ギルド内が静まり返る。


ギルドマスターは少し驚いた顔をした。


そして――


「当たり前だ!」


「!」


「討伐した魔物の素材は討伐者のものだ!」


「……!」


ラウラの目が輝く。


隣を見る。


ダリアも――


ニヤニヤしている。


ラウラも――


ニヤニヤする。


二人は目を合わせた。


そして。


コクリ。


同時に頷いた。


ダリアが右手を上げる。


「しょうがない!」


ギルド内に声が響く。


「我々が討伐してやろうではないか!」


「おお!?」


冒険者たちが一斉に振り返る。


ギルドマスターも驚く。


「お前ら……」


二人を見る。


「ランクは?」


少し恐る恐る聞いた。


ダリアは胸を張る。


「聞いて驚けぇ!」


一拍。


そして――


「我々は!」


右手を高々と上げる。


「Eランカーである!」


「…………」


「…………」


ギルド内が静まり返った。


ポカーン。


冒険者たちも。


受付嬢も。


ギルドマスターも。


全員が固まる。


そして――


「ダメだ」


ギルドマスターが即答した。


「なぜだ!?」


「Aランクの魔物だぞ!」


「だからこそ我々が――」


「お前らEランクだろうが!」


「ランクは関係ない!」


「関係ある!」


ダリアとギルドマスターが言い争う。


その横で。


ラウラは少し困っていた。


「ダリアさん……」


「なんだ?」


「本当にダメなんじゃないでしょうか?」


「むぅ……」


ダリアが考える。


そして――


何かを思いついた顔をした。


「……しょうがない」


ダリアがラウラを見る。


「あれを見せるのだ!」


「?」


ラウラが首を傾げる。


「あれだ! ア・レ!」


「……?」


「ほら! アレ!」


「どれですか?」


「だからアレだ!」


ラウラは考える。


魔法の鞄。


薬。


素材。


石。


うんこ。


「あ」


ラウラは魔法の鞄から――


ストーンアントの磨かれた宝石を取り出した。


「これですか?」


「ちーがーう!」


ダリアが頭を抱える。


「アレだ! ア・レ!」


「えぇ……」


ラウラはさらに考える。


「……あ!」


何かを思い出した。


魔法の鞄を開く。


ゴソゴソ。


そして――


ドンッ!


机の上に置いた。


「これです!」


ストーンアントの目。


「…………」


ギルドマスターの顔が固まる。


「…………」


周囲の冒険者たちも固まる。


「……お前ら」


ギルドマスターが目を見開く。


「それは……」


ラウラは首を傾げる。


「ストーンアントの目です」


「分かっている!」


ギルドマスターが叫ぶ。


「Bランクの魔物――ストーンアントの素材だぞ!?」


「はい」


「お前ら……」


ギルドマスターが二人を見る。


「Bランクの魔物も狩っていたのか?」


ダリアが胸を張る。


「無論である!」


「…………」


「どうだ!」


ダリアがさらに胸を張る。


「我々は強いぞ!」


ラウラは小さく頷く。


「……逃げただけですけど」


「それは言わなくていい!」


ダリアが即座に突っ込む。


ギルド内がざわつく。


「Bランクを……」


「ストーンアントの素材だぞ……」


「こいつら本当にEランクか?」


「どうやって倒したんだ……?」


ギルドマスターも頭を抱える。


「しかし……」


ギルドマスターが二人を見る。


「Aランクのタイガーキャットは別格だ」


「それはそうですが――」


ダリアが一歩前に出る。


「報酬は金貨20枚」


「……」


「そして素材は討伐者のもの」


「……」


「つまり――」


ダリアがニヤリと笑う。


「金になる」


ラウラもニヤリと笑う。


「金になりますね」


二人の目が輝く。


ギルドマスターは二人を見る。


そして――


「……本当にやるのか?」


「やる!」


ダリアが即答した。


ラウラも頷く。


「素材、欲しいです」


「……」


ギルドマスターは深いため息をついた。


「分かった」


「!」


「緊急依頼――」


ギルドマスターが宣言する。


「金満腹に依頼する!」


「よし!」


ダリアが拳を握る。


「ありがとうございます!」


ラウラも嬉しそうに頭を下げた。


「ただし!」


ギルドマスターが指を立てる。


「無理だと思ったらすぐに逃げろ!」


「はい!」


ラウラは即答した。


「それなら得意です!」


「そこは自信あるんだな……」




西の街道。


タイガーキャットが出現したという場所へ向かう。


「ラウラ!」


「はい!」


「準備はいいか!」


「はい!」


石。


毒石。


魔法の鞄。


採取道具。


準備は万全。


ダリアも薬品を確認する。


「よし!」


その時――


ガサッ。


森の奥で何かが動いた。


「……」


ラウラが固まる。


「ダリアさん」


「ああ」


「何かいます」


「いるな」


そして――


木々の間から。


巨大な影が現れた。


虎のような身体。


猫のような顔。


鋭い爪。


巨大な牙。


そして――


金色の瞳。


「……」


ラウラの顔が引きつる。


「大きい……」


タイガーキャットが二人を見る。


「グルルル……」


「……」


ラウラは一歩後ろに下がる。


タイガーキャットが身を低くする。


「……」


次の瞬間。


ドンッ!


「ひゃあああああ!」


タイガーキャットが猛烈な勢いで突っ込んできた。


「逃げろぉぉぉ!」


ダリアが叫ぶ。


「はいぃぃぃ!」


ラウラも走る。


ドドドドドドッ!


「速い!」


「速いぞ!」


「追いついてきます!」


「走れ!」


ラウラの速度は60。


ダリアは38。


しかし――


タイガーキャットは、それ以上だった。


「なんでAランクってこんなに速いんですかぁぁぁ!」


ラウラが叫ぶ。


「知らん!」


「追いつかれます!」


「逃げろぉぉぉ!」


森を駆ける。


右。


左。


木を避ける。


岩を飛び越える。


タイガーキャットが迫る。


「ラウラ!」


「はい!」


「投げろ!」


「はい!」


ラウラが走りながら石を取り出す。


振り返る。


狙う。


「えいっ!」


ビュッ!


タイガーキャットが――


ヒュンッ!


避けた。


「……」


ラウラが固まる。


「避けました……」


ダリアが叫ぶ。


「やはりAランクだ!」


「どうしましょう!」


「逃げるしかない!」


「ですよね!」


そして――


ラウラとダリア。


タイガーキャット。


三者による――


果てしない追いかけっこが始まった。

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