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【ハズレ職】素材採取士の私。お金のために採取していたら世界最強になりました。10000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち


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27話 ダンジョンの海でサメ人間に襲われました



ラウラたちは――


四階層に来ていた。


「四階層です!」


「ついに来たな!」


ここまで来るのに、かなりの日数がかかった。


スライムを見つけては石を投げ。


素材を見つけては採取し。


気がつけば、二人は四階層まで到達していた。


そして――


「この階層は、お宝が多いみたいですよ」


「なに!?」


ダリアの目が輝く。


「お宝だと!?」


「はい」


「それは探さねば!」


「探しましょう!」


二人はさっそく歩き始めた。


右へ。


左へ。


さらに奥へ。


「……ないですね」


「ないな」


しばらく歩く。


「……まだありません」


「きっとこの先だ!」


さらに進む。


「…………」


「…………」


そして――


「……あ」


ラウラが立ち止まった。


「どうした?」


「前が……」


ダリアも前を見る。


すると。


洞窟の先が、突然ひらけていた。


「…………」


「…………」


その先に広がっていたのは――


青い海だった。


「海……?」


ラウラが呟く。


「海だーーーー!!」


ダリアが叫んだ。


「海です!!」


ラウラもテンションが上がる。


「海ですよ!」


「海だ!」


「海!」


二人は顔を見合わせる。


そして――


「行きましょう!」


「行くぞ!」


二人は浜辺へ走っていった。


ざざーん。


ざざーん。


波が静かに打ち寄せる。


「綺麗ですね……」


「うむ!」


ラウラは海を眺める。


ダンジョンの中に海がある。


なんとも不思議な光景だった。


「泳ぐか?」


「泳ぎません」


「即答だな」


「魔物がいたら怖いです」


「それもそうだな!」


二人は浜辺を歩く。


すると――


ラウラの《素材感知》が反応した。


「……素材があります」


「なに!?」


ラウラが砂浜を見る。


キラキラと輝く小さな粒。


「これは……」


拾い上げる。


「星の砂です」


「星の砂!」


ダリアが目を輝かせる。


「珍しい素材だぞ!」


「高いですか?」


「高い!」


「拾いましょう!」


二人は砂浜にしゃがみ込む。


「星の砂……」


「星の砂……」


黙々と拾う。


すると――


「こっちにもあります!」


「なんだ?」


「結晶です」


透明な結晶が岩の隙間から顔を出している。


「これは塩結晶だな!」


「塩ですか?」


「普通の塩より純度が高い。料理にも薬にも使えるぞ!」


「これも売れます?」


「もちろん!」


「では、拾います!」


二人はさらに採取を続けた。


星の砂。


塩結晶。


海晶石。


珍しい貝殻。


青い海草。


魚の鱗。


そして――


海底から流れ着いた珍しい鉱石。


「すごいですね……」


「お宝だらけだな!」


「四階層、最高です」


ラウラは満足そうに素材を鞄へ入れていく。


「こんなに素材があるなら……」


「うむ」


「またお金持ちになれそうです」


「金満腹だな!」


二人はご機嫌で歩いていた。


その時だった。


ざばぁっ!!


「きゃあああああっ!?」


海面から巨大な魔物が飛び出した。


「魔物です!」


「逃げるぞ!」


二人は全力で走り出す。


「なんで海に魔物がいるんですか!」


「ここはダンジョンだからな!」


「そうでした!」


魔物が追いかけてくる。


「速いです!」


「こっちも速いぞ!」


ラウラは走りながら石を取り出す。


「これなら!」


ヒュッ!


ドンッ!


石が魔物に命中する。


「効きました!」


しかし魔物はまだ追ってくる。


「もっと投げます!」


ヒュッ!


ドンッ!


ヒュンッ!


ドンッ!


走りながら、ラウラは次々と石を投げる。


そして――


最後の一投。


「これで!」


ヒュンッ!


ドゴンッ!!


魔物の頭へ石が直撃した。


「グオオオオオッ!」


魔物が大きく鳴く。


そして――


ドサァッ。


倒れた。


「…………」


「…………」


ラウラが恐る恐る近づく。


「……倒しました?」


「倒したな!」


「よ、よかった……」


ラウラが胸を撫で下ろす。


その瞬間。


ピコン。


頭の中に音が響いた。


《投てき術がLv3になりました》


「…………え?」


ラウラが固まる。


「どうした?」


「投てき術が……レベル3になりました」


「おお!」


「また強くなりました……」


「石を投げまくったからな!」


「でも、怖かったです……」


「そこは変わらんのだな」


「怖いものは怖いです」


二人は海の魔物から素材を採取する。


高品質の鱗。


巨大なヒレ。


海魔石。


そして――


「これは……」


青く輝く珠。


「海珠だな!」


「これも高そうですね」


「間違いなく高い!」


「やりました!」


二人は嬉しそうに素材を鞄へしまった。


そして――


ついに。


「五階層……」


「最下層だな」


二人は五階層へ到着した。


そこは広く、薄暗い空間だった。


「…………」


「…………」


何もいない。


「魔物、いませんね」


「そうだな」


その時。


「グルルル……」


背後から声がした。


「…………」


ラウラが振り返る。


そこにいたのは――


巨大な魔物。


人のように二本足で立っている。


筋肉質な身体。


鋭い牙。


そして――


サメの頭。


「…………」


「…………」


「シャークマン……」


ダリアが呟く。


「サメの魚人みたいですね……」


「怖いな」


シャークマンがこちらを向く。


「グルルルル……」


「怖いです!」


ラウラは走り出した。


「逃げます!」


「逃げるぞ!」


シャークマンが追いかけてくる。


「速いです!」


「だが、ちみも速い!」


ラウラは走りながら毒石を取り出す。


「これなら!」


毒草から作った毒を染み込ませた石。


「いきます!」


ヒュンッ!


ドンッ!


毒石がシャークマンに命中する。


「グオオオッ!」


シャークマンは怒りながら追いかけてくる。


「効いてません!」


「毒が回るまで逃げろ!」


「はい!」


二人はひたすら逃げる。


走る。


走る。


さらに走る。


そして――


「……あれ?」


ラウラが振り返る。


シャークマンの動きが鈍くなっている。


「効いてきました!」


「そのままだ!」


シャークマンが膝をつく。


「グ……」


そして――


ドォン。


倒れた。


「…………」


「…………」


「倒れましたね」


「うむ」


ラウラはその場に座り込む。


「怖かったです……」


「よくやったな」


そして二人はシャークマンの素材を採取する。


すると――


「あ」


ラウラが何かを見つけた。


「指輪があります」


「指輪?」


拾い上げる。


黄金色に輝く指輪だった。


「金……?」


ラウラが《素材感知》を使う。


《黄金の指輪》


《特殊効果:なし》


《価値:非常に高い》


《高値で売却可能》


「…………」


ラウラの目が輝いた。


「効果はないみたいです」


「ほう」


「でも――」


ラウラは指輪を握る。


「高値で売れるそうです」


「それなら十分だな!」


「はい!」


二人は顔を見合わせる。


「帰りましょう!」


「帰るぞ!」


こうして二人は、最下層から地上へ戻った。


そして――


「楽しかったですね!」


「素材もいっぱいだ!」


二人は意気揚々と冒険者ギルドへ向かった。


ところが。


ギルドの前に着くと――


「……あれ?」


人が集まっている。


「何か騒がしいですね」


冒険者たちが何やら話している。


ラウラは近くにいた冒険者へ声をかけた。


「あの……何かあったんですか?」


「ああ、それがな」


冒険者が答える。


「初級ダンジョンに行ったパーティが、まだ戻ってきてないんだ」


「え?」


「普通なら三日くらいで戻ってくるんだが……」


「まだ帰ってこないんですか?」


「ああ」


「何かあったんじゃないかって、みんな心配してるんだ」


「…………」


ラウラとダリアは顔を見合わせた。


「心配ですね」


「うむ」


しかし――


その時。


ギルドの中から、受付嬢が慌てた様子で走ってきた。


「あっ!」


「え?」


「ラウラさん!」


「はい?」


「ダリアさん!」


「うむ?」


受付嬢が二人を見る。


そして――


「ああっ!」


大きな声を上げた。


「やっぱり!」


「え?」


「ラウラさんとダリアさん!」


受付嬢は驚いた顔をしている。


「お二人を探していたんですよ!」


「…………」


ラウラが固まる。


「ラウラさんたち、初級ダンジョンに入ったまま――」


「え?」


「六日以上、帰ってこなかったじゃないですか!」


「…………」


ラウラはダリアを見る。


ダリアもラウラを見る。


「……六日?」


「六日だな」


「そんなに経ってました?」


「経っていたようだ」


受付嬢が大きくため息をつく。


「本当に心配したんですよ!」


「す、すみません……」


ラウラはぺこりと頭を下げる。


「でも……」


受付嬢は困ったように笑う。


「無事でよかったです」


「すみません」


「大丈夫ですよっ」


受付嬢が頷く。


「ラウラさん達が戻ってこないので、と 騒ぎになっていただけです」


「なるほど……」


「………」


ラウラは少し安心する。


「よかったです」


「はい」


ラウラは鞄を見る。


星の砂。


塩結晶。


海珠。


そして――


黄金の指輪。


「これを売りたいです!」


受付嬢が固まる。


「…………」


「どうしました?」


「……今度は、何を拾ってきたんですか?」


ラウラとダリアは顔を見合わせる。


「いっぱいです!」


「金になるものがいっぱいだ!」


受付嬢は頭を抱えた。


「……もう驚かないことにします」


こうして――


「黄金の指輪の買い取りをお願いします!」



「はいはい……」


ギルドの受付へ、大量の素材を並べ始めたのだった。

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