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【ハズレ職】素材採取士の私。お金のために採取していたら世界最強になりました。10000pv突破  作者: 異世界文庫 きらっち


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20/55

20話 パーティー名を決めたけど、鉄人のような名前になりました。

数日後――。


「きたか!」


 鍛冶屋にやってきたラウラとダリアを、ガルグが出迎えた。


「お待たせしたな!」


「待っていたのだよ!」


 ダリアが身を乗り出す。


 ガルグが作業台の上に二つの装備を置いた。


「まずはこれだ」


 そこにあったのは――。


「ハイウルフブーツ」


 狼の毛皮を使った、軽そうなブーツ。


「そして、ハイウルフメイルだ」


 こちらは胸を守るための軽装鎧。


「履いてみな」


「はい!」


 ダリアがブーツを履く。


「おお……!」


 次にハイウルフメイルを装着する。


「どうだ?」


 ダリアがその場で軽く走ってみる。


「速い!」


 その場でくるくる回る。


「軽い!」


 さらにもう一度走る。


「すごいではないか!」


 ダリアは大喜びだった。


「ハイウルフブーツは速さを上げるだけじゃねぇ。スタミナも上がるようにしてある」


「素晴らしい!」


「ハイウルフメイルは防御力重視だ」


「これなら魔物に追いつかれても少し安心ですね」


 ラウラが頷く。


「それで、いくらですか?」


「金貨六枚だ」


「分かりました」


 ラウラは魔法のバッグから金貨を取り出した。


「はい」


 チャリン。


 金貨六枚をガルグへ渡す。


「毎度あり!」


「ありがとうございます!」


 ラウラは頭を下げた。


「いや、こっちこそいい素材を使わせてもらったからな」


 ガルグは完成した装備を眺める。


「ハイウルフハートまで使えたから、かなりいいものになったぞ」


「ありがとうございます!」


 ダリアが何度も頭を下げる。


「ガルグ殿!」


「なんだ?」


「これでラウラについていけるのだね!」


「たぶんな」


「たぶん!?」


 ダリアが驚く。


 ラウラは少し笑った。


「では、ダリアさん」


「なんだい?」


「ステータスを見てみませんか?」


「ステータス?」


「はい。装備をつけた状態で、どうなったのか見てみたいです」


「なるほど!」


 ダリアが手をかざす。


「では――」


 ステータスが表示される。


 ――――――――――


【職業】

錬金術師


【スキル】

《薬物生成》Lv.2


【体力】

33


【スタミナ】

50


【魔力】

22


【力】

2


【防御】

18


【速度】

19


 ――――――――――


「…………」


 ラウラが数字を見る。


「速さ……19」


 ダリアも確認する。


「…………」


 そして。


「おおおおお!」


 ダリアが両手を上げる。


「速さなら、ちみと同じくらいになった!」


「そうですね」


 ラウラの速度は20。


 ダリアは19。


「これで一緒に逃げられるではないか!」


「はい」


 ラウラは少し安心した。


「よかったです」


「これで置いていかれない!」


 ダリアは嬉しそうに走り回る。


「待ってくれ、ラウラ!」


「はい?」


「いや!」


 ダリアはニヤリと笑った。


「今度はあちしが追いつくのだよ!」


「……怖いです」


「なぜだい!?」


 ガルグが豪快に笑う。


「まあ、二人とも逃げるのが得意になったってことだな!」


「はい!」


 ラウラも頷いた。


「ガルグさん、本当にありがとうございました」


「おう!」


 こうして二人は鍛冶屋を後にした。


   


「次はギルドですね」


「うむ!」


 ダリアが頷く。


「パーティ申請をするのだろう?」


「はい」


 それから――。


「素材も売ります」


「金儲けだね!」


「はい!」


 二人はギルドへ向かった。


   


「パーティ申請ですね」


 受付嬢が手続きを進める。


「はい」


 ラウラが頷く。


「では、パーティ名を決めてください」


「パーティ名?」


 ラウラが固まる。


「必要なんですか?」


「はい。登録にはパーティ名が必要です」


「…………」


 ラウラは考える。


 何がいいだろう。


 冒険者らしい名前。


 かっこいい名前。


 強そうな名前。


 しかし――。


「うーむ」


 隣のダリアが腕を組んだ。


「あちしにいい考えがある!」


「なんですか?」


「お金が大好き!」


「はい」


「そして、お金でお腹いっぱいにする予定だ!」


「はい……?」


 ダリアは胸を張った。


「ならば!」


 ビシッ!


 受付嬢へ指を向ける。


「金満腹!」


「…………」


「きんまんぷく!!」


 ラウラはその名前を聞いた瞬間――。


「…………あ」


 前世の記憶が少しだけ蘇った。


 かつて転生する前。


 どこかでそんな名前の料理人を見たことがあったような――。


「うーん……」


 ラウラは少し考える。


「でも、まぁ、いっか!」


「決まりだね!」


 受付嬢が書類に名前を書き込む。


「パーティ名――『金満腹』ですね」


「はい!」


「……金満腹」


 受付嬢が少し不思議そうな顔をした。


 こうして。


 ラウラとダリアのパーティ名は――。


 『金満腹』


 となった。


   


「では、素材を売ります」


 ラウラは魔法のバックを開く。


 中には大量の素材が入っている。


「これはいらない素材」


「これも売ります」


「これも……」


 次々と素材を取り出していく。


 受付嬢が査定していく。


「こちらは――」


 そんな中。


 ラウラの手が止まった。


「あ」


「どうしたんだい?」


「これも売ります」


 取り出したのは――。


 以前、道で拾った謎のペンダント。


 今までずっと魔法のバッグの中に入れていたものだ。


「これは……」


 受付嬢がペンダントを見る。


「…………」


 突然、表情が変わった。


「これを――」


 受付嬢が顔を上げる。


「どこで?」


「え?」


「このペンダントです」


 受付嬢は少し声を落とした。


「これを、どこで手に入れました?」


「道で拾いました」


「…………」


 受付嬢がペンダントを見る。


 そして――。


「ちょっと待ってくださいね!!」


「え?」


 受付嬢はペンダントを持ったまま、奥へ走っていった。


「…………」


「…………」


 ラウラとダリアは顔を見合わせる。


「なんでしょう?」


「分からん!」


 二人はその場で待つ。


 数分。


 さらに数分。


 そして――。


「ラウラさん!」


 受付嬢が戻ってきた。


「ダリアさんも!」


「はい?」


「ちょっと、奥に来てください」


「…………」


 ラウラの顔が引きつる。


「奥……?」


「はい」


 受付嬢は真剣な表情だった。


「ギルドマスターがお話したいそうです」


「ギルドマスター!?」


 ダリアが叫ぶ。


「なぜだい!?」


「分かりません……」


 ラウラも不安になる。


「ラウラさん、こちらです」


 二人は受付嬢に連れられて、ギルドの奥へ進んでいく。


 そして――。


 大きな扉の前で止まった。


「こちらがギルドマスターの部屋です」


 扉が開く。


「…………」


 ラウラとダリアは恐る恐る中へ入る。


 部屋の奥には――。


 一人の男が座っていた。


 ギルドマスター。


 そして、その隣には――。


 見知らぬおじさんが一人。


「…………」


 ラウラは緊張する。


 ダリアは小声で言った。


「ラウラ……」


「はい……」


「殺されるかもしれん!」


「なんでですか!?」


「ペンダントを拾ったからだ!」


「そんな理由で!?」


 二人が小声で騒いでいると。


 ギルドマスターがこちらを見る。


 そして――。


 隣にいたおじさんもラウラを見る。


「…………」


 おじさんの目が大きく見開かれた。


「君が……」


 その一言で。


 部屋の空気が変わった。


 ラウラは思わず息を飲む。


「…………」


 おじさんはラウラを見つめたまま――。


 静かに口を開いた。


「君が……」



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