03-26-0106
Side:アッシュ
私はストーンゴーレムの動きを見るも、ストーンゴーレムは私の動きなど関係なく襲って来た。
といっても、再びパンチを放って来ただけだ。
私はそれをかわし、接近して攻撃しようとする。
しかしながら素早く拳を戻すストーンゴーレムは隙が無かった。
ストーンゴーレムは石で出来ているが、しかし動きが遅い訳ではない。
硬い材質で出来ていながら素早く動くとは……面倒なモンスターだな。
それに大きさがバラバラだ。
奥にいる剣を持ったストーンゴーレムは結構な大きさをしているが、目の前のストーンゴーレムは私より少々小さい。
もしかしたらストーンゴーレムは小さい方が素早くて厄介なのか?
私はそんな事を思いつつも、目の前のストーンゴーレムに対して構えを崩さずに見る。
正直に言って反撃という形でないと戦うのは難しい。
相手は生物でない以上、痛みも感じずに攻撃してくる。
しかも硬い石ともなれば、相当にこちらが不利だ。
だからこそ隙を突く形で戦いたいのだが………
ストーンゴーレムが再び右拳で殴りに来たので、私は腕盾を使って内側へと逸らす。
すると思い切りだった所為か、ストーンゴーレムの体が大きく右へと泳いだ。
私の左腕にもそれなりの衝撃が来たので、どうやら上手く逸らせなかったらしい。
それでもストーンゴーレムの体は右に流れているので、私はその隙だらけのストーンゴーレムの頭に<邪獄樹の棍棒>振り下ろした。
ドゴォン!!
一瞬とはいえ、ブルーオーガの力を乗せた棍棒だ。
十分な威力をしていたらしく、一撃で頭を砕いた。
しかし全てを砕く事は出来ず、首の3分の1は残ってしまったらしい。
そして、そのストーンゴーレムは私の方を向いて攻撃してきた。
右拳での裏拳だったが、私はバックステップで離れて距離をとる。
頭を潰したものの、ストーンゴーレムはそれでは死なないようだ。
どうやら体を砕かなければいけないのだろう。
そう思った私は再び盾を前に出す形で構え、ストーンゴーレムへとにじり寄る。
ストーンゴーレムも私の動きを見ていたのだろうが、再び右拳で殴りかかって来た。
またもや同じだったので、今度は一瞬の強化と共に、右拳を内側へと腕盾で弾く。
すると、ストーンゴーレムは私の右へと流れていき、つんのめるような形で倒れた。
私はチャンスと思い、一瞬の強化と共に胴体へと<邪獄樹の棍棒>を振り下ろす。
ドゴッ!!
胴体は頭よりも硬いのか、一撃では表面が削れただけだった。
それを見た私はブルーオーガに強化して二度目を振り下ろす。
ドゴォン!!!
その一撃はストーンゴーレムの胴体に大きな亀裂を入れる事に成功。
そしてストーンゴーレムが立ち上がろうとするのでバックステップで距離をとる。
ところがストーンゴーレムは立ち上がる途中で胴体が砕け、そのまま動かなくなってしまった。
おそらくストーンゴーレムは体を砕かれると停止するのだろう。
しかし、本当に素材になるような物が何も無いな。
なんでこんなモンスターが生まれるのやら……?
そんな疑問を持ったものの、倒し方さえ分かればそこまで強い相手でもない。
私は次のストーンゴーレムえある剣持ちの近くへと行く。
すると先程と同じく2メートルよりも接近すると起動。すぐに私は距離をとった。
先程のストーンゴーレムと違い、こちらは2メートル50~60センチほどの大きさだ。
それだけでも厄介なのだが、おまけに剣まで持っている。
「かなりのリーチなので、相手の懐に入るのは難しそうだな。
それでも入らないと勝機は無いし、厄介な事だ」
思わず口から出たが、それでも少しずつにじり寄りながら接近。
相手の攻撃を待つ。
敵が始動した為、私は敵が持つ石の剣を流そうと腕盾を構えるが、先程のストーンゴーレムと違って非常に遅い。
なんというか、想像していたゴーレムの遅さだったので慌てて回避して距離をとる。
「なんでコイツあんなに遅いんだ?
ワザとか、それとも大きいストーンゴーレムは遅い?」
詳細は分からないが、それでも私は近づいて行く。
次も遅かったら、おそらく私の予想は当たっているのだと思う。
小さいストーンゴーレムは速く、大きなストーンゴーレムは遅い。
遅いのは、その分だけ体が大きく重いからだ。
そう考えると、目の前の剣持ちが遅い理由も分かる。
それだけ重い体を支えるのは大変だろう。
更にはバランスをとらないと、重さで倒れてしまうしな。
そうなると余計に大きな体じゃ速く動けない。
敵の圧し掛かりだけは警戒しよう。
それだと速く動けるだろうからな。
私が盾を構えて接近すると、再びストーンゴーレムは剣を振るって来た。
しかし遅く余裕を持って回避した私は、左の足の関節部分を強化して殴りつけた。
ドゴン!!
私の意図した通りに一撃で関節が壊れたストーンゴーレムは、そのまま前のめりに倒れる。
私は一瞬の強化で力を上乗せした棍棒を3度振るい、大型のストーンゴーレムの胴体を砕いた。
そしてその時点で停止、ストーンゴーレムは動く事も無くなった。
「やはりストーンゴーレムは胴体を破壊すると完全に停止するようだ。
倒し方は分かったものの、嫌われて当然のモンスターだとしか思えないな」
冗談でもなんでもなく、コレは嫌われるだろう。
お金が儲からないうえに、石の胴体を砕かないと倒せないんだ。
流石に冗談だろうと言いたくなる。
それにこの場にはまだ後2体も残っているのだ。
それに空洞にはまだ奥があるのも見えている。
<悪食>の巣は殲滅したが、ロックセンチピードとストーンボールがどこから来たか不明なんだ。
となるとロックセンチピードとストーンボールの巣もある可能性を考えないといけない。
その割には空洞に来ている数が少ないし、その少ない中に統率者が2匹も居た。
ロックセンチピードの巣には沢山いるのかもしれないし、もしかしたらあの2匹は番だったのかもしれない。
そうなると、そこまでの数は居ないと思うが……
思考しつつ休憩していた私は、戦闘に集中する為に意識を切り替える。
そして今度は槍持ちの小さなストーンゴーレムへと近づく。
この槍持ちは1メートル50センチぐらいしかないので、相当に素早い事が予想される。
なので私は先手必勝を行う事にした。
2メートル50センチぐらい離れた場所で構えた私は、ブルーオーガにまで強化した途端、一気に接近して胴体を打つ。
ドゴォン!!!
その一撃で胴体が壊れた槍持ちストーンゴーレムは、碌に戦う事も無く倒れて停止した。
「どうやら上手くいったようだ。
となるとストーンゴーレムは先手必勝で破壊した方が手っ取り早いな。
わざわざ戦ってやる必要は無かったのか。
………いや、おそらくコレが出来るのは小さいストーンゴーレムだけだ」
大きいストーンゴーレムは、おそらく本気のブルーオーガかパープルオーガまで強化しないと無理だろう。
一撃でアレを倒すというのは大変だ。
だからこそ、大きいヤツは足を壊してから殴りつければ勝てる。
そもそもストーンゴーレムで厄介なのは小さいヤツだからな。
私は最後の大きいストーンゴーレムに近づいて行くが、コイツが持っているのは鎌だった。
何故それを持ってくるのか知らないが、リーチがそこまで長い訳ではないので楽だろう。
それに大きいから動きは遅い。
舐めてはいないものの、そこまで苦労する相手でもない。
私はギリギリの距離から素早く接近し、鎌持ちの左足を破壊。
そして倒れたストーンゴーレムに対して胴体を4度叩き、完全に壊す。
ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!
4度の攻撃で破壊されたストーンゴーレムは完全に停止。
これで空洞の中のモンスターは殲滅完了だ。




