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 Side:アッシュ



 私はストーンゴーレムの動きを見るも、ストーンゴーレムは私の動きなど関係なく襲って来た。

 といっても、再びパンチを放って来ただけだ。


 私はそれをかわし、接近して攻撃しようとする。

 しかしながら素早く拳を戻すストーンゴーレムは隙が無かった。


 ストーンゴーレムは石で出来ているが、しかし動きが遅い訳ではない。

 硬い材質で出来ていながら素早く動くとは……面倒なモンスターだな。


 それに大きさがバラバラだ。

 奥にいる剣を持ったストーンゴーレムは結構な大きさをしているが、目の前のストーンゴーレムは私より少々小さい。


 もしかしたらストーンゴーレムは小さい方が素早くて厄介なのか?

 私はそんな事を思いつつも、目の前のストーンゴーレムに対して構えを崩さずに見る。


 正直に言って反撃という形でないと戦うのは難しい。

 相手は生物でない以上、痛みも感じずに攻撃してくる。


 しかも硬い石ともなれば、相当にこちらが不利だ。

 だからこそ隙を突く形で戦いたいのだが………


 ストーンゴーレムが再び右拳で殴りに来たので、私は腕盾を使って内側へと逸らす。

 すると思い切りだった所為か、ストーンゴーレムの体が大きく右へと泳いだ。

 私の左腕にもそれなりの衝撃が来たので、どうやら上手く逸らせなかったらしい。


 それでもストーンゴーレムの体は右に流れているので、私はその隙だらけのストーンゴーレムの頭に<邪獄樹の棍棒>振り下ろした。


 ドゴォン!!


 一瞬とはいえ、ブルーオーガの力を乗せた棍棒だ。

 十分な威力をしていたらしく、一撃で頭を砕いた。

 しかし全てを砕く事は出来ず、首の3分の1は残ってしまったらしい。

 そして、そのストーンゴーレムは私の方を向いて攻撃してきた。


 右拳での裏拳だったが、私はバックステップで離れて距離をとる。

 頭を潰したものの、ストーンゴーレムはそれでは死なないようだ。

 どうやら体を砕かなければいけないのだろう。

 そう思った私は再び盾を前に出す形で構え、ストーンゴーレムへとにじり寄る。


 ストーンゴーレムも私の動きを見ていたのだろうが、再び右拳で殴りかかって来た。

 またもや同じだったので、今度は一瞬の強化と共に、右拳を内側へと腕盾で弾く。

 すると、ストーンゴーレムは私の右へと流れていき、つんのめるような形で倒れた。


 私はチャンスと思い、一瞬の強化と共に胴体へと<邪獄樹の棍棒>を振り下ろす。


 ドゴッ!!


 胴体は頭よりも硬いのか、一撃では表面が削れただけだった。

 それを見た私はブルーオーガに強化して二度目を振り下ろす。


 ドゴォン!!!


 その一撃はストーンゴーレムの胴体に大きな亀裂を入れる事に成功。

 そしてストーンゴーレムが立ち上がろうとするのでバックステップで距離をとる。


 ところがストーンゴーレムは立ち上がる途中で胴体が砕け、そのまま動かなくなってしまった。

 おそらくストーンゴーレムは体を砕かれると停止するのだろう。


 しかし、本当に素材になるような物が何も無いな。

 なんでこんなモンスターが生まれるのやら……?


 そんな疑問を持ったものの、倒し方さえ分かればそこまで強い相手でもない。

 私は次のストーンゴーレムえある剣持ちの近くへと行く。


 すると先程と同じく2メートルよりも接近すると起動。すぐに私は距離をとった。

 先程のストーンゴーレムと違い、こちらは2メートル50~60センチほどの大きさだ。

 それだけでも厄介なのだが、おまけに剣まで持っている。


 「かなりのリーチなので、相手の懐に入るのは難しそうだな。

 それでも入らないと勝機は無いし、厄介な事だ」


 思わず口から出たが、それでも少しずつにじり寄りながら接近。

 相手の攻撃を待つ。


 敵が始動した為、私は敵が持つ石の剣を流そうと腕盾を構えるが、先程のストーンゴーレムと違って非常に遅い。

 なんというか、想像していたゴーレムの遅さだったので慌てて回避して距離をとる。


 「なんでコイツあんなに遅いんだ?

 ワザとか、それとも大きいストーンゴーレムは遅い?」


 詳細は分からないが、それでも私は近づいて行く。

 次も遅かったら、おそらく私の予想は当たっているのだと思う。

 小さいストーンゴーレムは速く、大きなストーンゴーレムは遅い。

 遅いのは、その分だけ体が大きく重いからだ。


 そう考えると、目の前の剣持ちが遅い理由も分かる。

 それだけ重い体を支えるのは大変だろう。


 更にはバランスをとらないと、重さで倒れてしまうしな。

 そうなると余計に大きな体じゃ速く動けない。


 敵の圧(の)し掛かりだけは警戒しよう。

 それだと速く動けるだろうからな。


 私が盾を構えて接近すると、再びストーンゴーレムは剣を振るって来た。

 しかし遅く余裕を持って回避した私は、左の足の関節部分を強化して殴りつけた。


 ドゴン!!


 私の意図した通りに一撃で関節が壊れたストーンゴーレムは、そのまま前のめりに倒れる。

 私は一瞬の強化で力を上乗せした棍棒を3度振るい、大型のストーンゴーレムの胴体を砕いた。

 そしてその時点で停止、ストーンゴーレムは動く事も無くなった。


 「やはりストーンゴーレムは胴体を破壊すると完全に停止するようだ。

 倒し方は分かったものの、嫌われて当然のモンスターだとしか思えないな」


 冗談でもなんでもなく、コレは嫌われるだろう。

 お金が儲からないうえに、石の胴体を砕かないと倒せないんだ。

 流石に冗談だろうと言いたくなる。


 それにこの場にはまだ後2体も残っているのだ。

 それに空洞にはまだ奥があるのも見えている。


 <悪食>の巣は殲滅したが、ロックセンチピードとストーンボールがどこから来たか不明なんだ。

 となるとロックセンチピードとストーンボールの巣もある可能性を考えないといけない。


 その割には空洞に来ている数が少ないし、その少ない中に統率者が2匹も居た。

 ロックセンチピードの巣には沢山いるのかもしれないし、もしかしたらあの2匹は番(つがい)だったのかもしれない。

 そうなると、そこまでの数は居ないと思うが……


 思考しつつ休憩していた私は、戦闘に集中する為に意識を切り替える。

 そして今度は槍持ちの小さなストーンゴーレムへと近づく。

 この槍持ちは1メートル50センチぐらいしかないので、相当に素早い事が予想される。

 なので私は先手必勝を行う事にした。



 2メートル50センチぐらい離れた場所で構えた私は、ブルーオーガにまで強化した途端、一気に接近して胴体を打つ。


 ドゴォン!!!


 その一撃で胴体が壊れた槍持ちストーンゴーレムは、碌に戦う事も無く倒れて停止した。


 「どうやら上手くいったようだ。

 となるとストーンゴーレムは先手必勝で破壊した方が手っ取り早いな。

 わざわざ戦ってやる必要は無かったのか。

 ………いや、おそらくコレが出来るのは小さいストーンゴーレムだけだ」


 大きいストーンゴーレムは、おそらく本気のブルーオーガかパープルオーガまで強化しないと無理だろう。

 一撃でアレを倒すというのは大変だ。

 だからこそ、大きいヤツは足を壊してから殴りつければ勝てる。

 そもそもストーンゴーレムで厄介なのは小さいヤツだからな。


 私は最後の大きいストーンゴーレムに近づいて行くが、コイツが持っているのは鎌だった。

 何故それを持ってくるのか知らないが、リーチがそこまで長い訳ではないので楽だろう。

 それに大きいから動きは遅い。


 舐めてはいないものの、そこまで苦労する相手でもない。

 私はギリギリの距離から素早く接近し、鎌持ちの左足を破壊。

 そして倒れたストーンゴーレムに対して胴体を4度叩き、完全に壊す。


 ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!


 4度の攻撃で破壊されたストーンゴーレムは完全に停止。

 これで空洞の中のモンスターは殲滅完了だ。


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