表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/30

第7話:『スピード狂と裁判ショー』

ようやく街に平穏が戻ってきたと思いきや、今度はスピード狂の「戦車」カナデが街を暴走!


そこに立ちはだかったのは、秩序を重んじる「正義」のタロット、ユダ・アークライト。


二人のスキルが衝突し、シンたちは全員巻き込み型の公開裁判にかけられてしまうのだった。

イベント“エリュシオン・エレガンス”がようやく収束し、街に平穏が戻りつつあった頃——


突如として、広場全体に轟音が鳴り響いた。


「うおおおおおおッ! 通ります通りますぅぅぅ!!」


遠くから疾風のような咆哮と共に突っ込んできたのは、銀髪ツインテールの少女が操る巨大なバイク型召喚獣。その名もロード・トライアンフ。そして彼女自身は——風嵐カナデ、タロット“戦車”の適合者。


「ヒャッハーッ! やっぱスピードが全て! 正義なんて踏み倒せっ!!」


「いやいやいやいや止まれえええ!!」


御神楽シンの悲鳴もむなしく、カナデはギルド本部の目の前を縦横無尽に暴走。カフェのテラス席をなぎ倒し、NPCの頭上すれすれを跳び越える。


「この街、せっかく整備したばっかなんだが!? しかもオシャ街仕様に……!」


だが、広場の空気が一変する。


「この場で、裁きを行う」


厳かな声が響き渡り、空中に現れたのは正義のタロット適合者・ユダ・アークライト。彼の手には天秤と剣を模した双輪の魔法陣。その一閃で空間が歪み、広場全体が異空間と化した。


《副スキル発動:“審理の場”》

《全プレイヤーに対し、裁判イベントが強制発動されます》


「ちょっ!? なんで俺まで被告扱い!?」


シンの頭上に“容疑:街の破壊・スキル乱用・ナレーション騒音”の文字が浮かぶ。


さらにカナデには“暴走騒擾罪”、レイには“巻き込みすぎによる関係者損失”など、アークタロット全員にそれぞれ“罪状”が割り振られていく。


「うわ、これ……全員対象の公開裁判イベント!? 完全にトバッチリなんですけど!!」


「大丈夫大丈夫、過去最高速の無罪記録、持ってるから!」とカナデが謎の自信を見せる。


「それ記録っていうか、前科じゃねーのか……?」


裁判は、NPC“観衆”の好感度・証言・演説ポイントによって量刑が決定される複雑なマルチイベント。アークタロットのメンバーはそれぞれ、自分の無実(あるいは罪の軽さ)を必死にアピールし始めた。


「筋肉は正義です! 見てください、この大胸筋を!!」(カエデ)

「爆破は……文化! 必然の破壊なのです……!」(ミツル)

「俺だって爆発したくて爆発してるわけじゃねぇんだああ!!」(シン)


一方、ユダは冷静そのもの。証拠ログ、行動記録、NPCの証言を次々と提示し、シンたちを追い詰めていく。


「君たちは、選ばれなかった者であると同時に、秩序の外で好き勝手に動いた存在だ」


「好きでやってねぇぇぇ!!!」


審理は次第にクライマックスへと差し掛かり、ユダが天に手を掲げる。


「判決を——下す」


“ジャッジメント・レイ”。それは裁判イベントの最終演出にして、最も厳しい罰則。天から正義の光が降り注ぎ、地面が光に包まれる——その刹那。


「スピードは! 全てを超える!!」


カナデのロード・トライアンフがエンジンを轟かせ、光の柱に突入。信じられないスピードで剣の光線をすり抜け、全体魔法を強引に“押し返す”。


システムログが錯乱する。

《警告:判決処理に失敗しました》

《裁判演出:キャンセル》


「え、物理で裁判止めた!?」


「言ったろ? スピードが正義だってさ♪」


こうして、

全員巻き込み型“裁判イベント”は、戦車の加速力によって強制終了。正義と混沌のバランスはまたもや崩壊したのだった。


だが、静かに空から降りてきたユダは、ただ一言。


「愚者……やはり、お前は世界の論理を破壊する存在だ」


その視線は冷たく、だがどこか……興味深げでもあった。


キャラクター紹介


◆ 風嵐カナデ(戦車)

爆走系女子。召喚獣“ロード・トライアンフ”を操るスピード狂。自称・過去最高速の無罪記録保持者。速度と突撃であらゆる問題を物理突破する。


◆ ユダ・アークライト(正義)

冷徹な論理と裁判型スキルで秩序を守ろうとするが、ギャグに対しては無力。審判に情は介さない。


◆ 御神楽シン(愚者)

トラブルの発生源にして中心人物。愚者スキルによりナレーション・誤爆・強制イベントに常時晒されるが、本人に悪気はない。


◆ 神代レイ(恋人)

ツッコミと介護を両立する相棒枠。選択肢強制スキルで常に状況を整理しようとするが、ギャグ展開には敗北気味。


◆ 不破ミツル(塔)

爆破と再誕の中二病担当。裁判中も“文化としての破壊”を主張し、ロジックが斜め上。


◆ 陣内カエデ(力)

筋肉担当。筋肉に人格が宿る癒やし系タンク。証言も筋肉に頼りがち。筋肉=正義を信条としている。



「スピード」で「裁判」を物理的に突破するという、前代未聞の事態となりました。

さすが『アルカナ・オデッセイ』、常識が通用しませんね!


次回は、癒し系?のアイドル「星」のヒカリが登場!

彼女の歌声は、街の調和をもたらすのか、それとも……?


次回、『音痴アイドルと鎮魂歌』、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ