第8話:『音痴アイドルと運ゲー少女』
裁判イベントの混乱が続く中、今度は街で平和的な交流イベントが開催されることに。
主催者は、アイドル志望の「星」ヒカリと、運任せな「運命の輪」ミナト。
しかし、二人のスキルは、平和なイベントを前代未聞のカオスへと変貌させていく!
裁判イベントの騒動が収まりきらない中、“アークタロット”本拠地の空に突如、巨大なステージが出現した。
《システムイベント告知:“タロット交流フェスティバル”開催》
《主催:星乃ヒカリ(星)&小野ミナト(運命の輪)》
《目的:各陣営間の好感度を高め、戦争前の和解ムードを演出しよう!》
「いや、今さら和解って無理でしょ!? 一部もう戦争しか見てない連中いるぞ!?」
御神楽シンの叫びをよそに、ステージに無数のライトが灯り、スモークが炊かれ、電子音とともに中央にスポットライトが落ちる。
「ヒカリ☆きらめきステージへ、ようこそ〜っ!!」
満面の笑顔とともに回転ジャンプで登場したのは、アイドル志望の少女・星乃ヒカリ。タロット“星”の適合者。キラキラ衣装に眩しいウィンク、希望に満ちたポージング。
……ただし。
「歌、ズレてる!? 音程どころかリズムも合ってないぞ!?」「耳が……耳がッ!!」
《スキル発動:“スター☆ブレイカーソング”》
《効果:好感度上昇/鼓膜耐久チェック/周囲NPC魅了》
彼女のスキルは“希望の歌”……のはずだった。しかしあまりの音痴と破壊力により、観客NPCたちは笑顔のまま意識を失い、数名が“過剰感動”で転倒。
そんな惨状に構わず、ヒカリは次の曲に突入しようとする。
「つぎは〜“運命ガチャで恋しましょ♪”ですっ!」
「待て、ヒカリ! それはやばい!」
その警告を遮るように、今度はもう一人の少女がステージ脇からスロットマシンを引きずって登場する。
「今日の私の運命は〜……大吉♪」
彼女の名は小野ミナト。タロット“運命の輪”の適合者。彼女のスキルはすべて、その瞬間に引いた“運勢”によって性能が変動する。
《スキル発動:“ラッキーロット”》
《効果:全味方にランダムバフ(もしくはデバフ)》
光るスロットから放たれるラッキービームは、戦場に突如変身効果、空中浮遊、花びらシャワー、そして時々爆発を巻き起こした。
「おい! 誰だ今“味方全員に透明化”とか当てたの!」
「ワタシです!」とミナトが満面の笑顔でピースサインを決める。
ヒカリの歌、ミナトの運勢バフ、そして観客NPCたちの好感度メーターがそれに応じて上下し続ける。
「好感度メーターが最大になると“歓声爆発イベント”、下がりすぎると“暴動フラグ”!? どっちに転んでもカオスじゃねえか!」
ステージ裏ではレイとミツル、カエデがパニック状態で対応中。
「筋肉で音を吸収できないか!?」「塔に防音結界を……いや、逆に増幅される!?」「この状況、冷静に見ると完全に戦場」
ついに、好感度ゲージが最大に達し、空から紙吹雪と謎の巨大ハートが降ってきた。
《イベント進化:ギャグバトルロイヤルモード突入》
プレイヤー、NPC、観客、関係者全員がバフとデバフと爆笑に巻き込まれ、会場は戦争前の交流という名目を完全に逸脱。
最終的に、ヒカリのマイクはスキルの余波で爆発し、ミナトのスロットは“凶”を引いて観客全員に“宝くじ当選”のフラグが立った。
「……イベントって、何のためにあるんだろうな……」
控室でぼやくシンの声が、スモークに紛れて消えていった。
こうして、“平和のための交流イベント”は、前代未聞のギャグライブバトルとして伝説を残すこととなった。
登場キャラクター紹介(第8話時点)
◆ 星乃ヒカリ(星)
アイドル志望の希望属性少女。バフ効果のある“希望の歌”を歌うが、音痴ゆえに戦場の混乱を倍増させる。本人は真剣。
◆ 小野ミナト(運命の輪)
その時の“運勢”によってスキル性能が上下するギャンブル系少女。テンションは常にマイペース、スロットで戦場をかき回す。
◆ 御神楽シン(愚者)
爆発・ナレーション・スキル誤発動のトラブル体質。今回も流れでイベントに巻き込まれ、胃を痛める役回りに。
◆ 神代レイ(恋人)
選択肢強制型スキル持ち。突拍子もないイベントにも冷静に対処し、裏方として奮闘するツッコミ役。
◆ 不破ミツル(塔)
爆破中二病担当。突飛なイベントでも「予兆」扱いでスルーする。今回は防音結界に失敗。
◆ 陣内カエデ(力)
癒し系筋肉タンク。音響対策として筋肉で音を吸収しようとしたが失敗。リアクションが筋肉。
平和のためのイベントが、まさかのライブバトルロイヤルになってしまいましたね。
ヒカリの音痴とミナトの運任せスキル、この二人が揃うと何が起きるか分かりません!
次回は、妖艶な「悪魔」サキと、M体質の「吊られた男」シオンが登場。
背徳的な契約が、新たな波乱を巻き起こします!
次回、『悪魔との取引、そして釣られる男』、お楽しみに!




