第6話:『ゴージャス女帝、現る』
ギルド結成も束の間、早速リーダーとして雑用に追われるシン。
そんな彼の前に、街をゴージャスにリフォームしたい「女帝」ミレイが現れる!
街は少女マンガのようなキラキラ空間に変わり果て、シンたちは美観を保ちながら敵と戦うという、地獄の美化ミッションに巻き込まれてしまうのだった。
舞台はアルカナ拠点都市・エリュシオン。
広場の中央に建てられた“アークタロット”のギルド本部では、御神楽シンが疲れた顔でため息をついていた。
「で、なんで俺が街の整備までやらされてんの?」
「ギルドリーダーだから。責任、取ってもらうわよ」
とレイがあっさり返す。
「筋肉整備士カエデです。よろしくお願いします」
「あと、運命の塔から予兆あり。まもなく爆発」
とミツルとカエデが重なるように言い出し、シンはもう頭を抱えるしかなかった。
そんな中、空に突如として花火が打ち上がる。
《システムイベント発動:女帝タロットによる街区変更申請が承認されました》
《発動者:天条ミレイ(女帝)》
「——来ましたわね、庶民の皆様♪」
上空からきらびやかな傘を開いて舞い降りてきたのは、金のドレスに身を包んだ華麗な少女——天条ミレイ。
その足元には豪華な花弁が舞い、周囲には無数の宝石が降り注ぐ演出が自動で展開された。
「この街、ちょっと地味でしたから……全面リフォームいたしますわ♪」
そう言った瞬間、街の地形がギュルギュルと音を立てて変化を始めた。建物の外壁はすべてレース模様に、道路はピンクと金のキラキラタイルに、噴水からは香水の香りが漂い始め、公園には“ハート型の迷路”が出現。空には常時虹がかかる演出付き。
「なにこれ!? 街が少女マンガに侵食されてる!?」
「“グランド・コーディネイト”は女帝専用スキル。使ったアイテム資源をベースに、街を完全にカスタマイズできるの」
とレイが冷静に補足する。
「でもこれ……住みづらくね?」
「オシャレは我慢から始まるものですわよ♪」
《ミッション開始:“エリュシオン・エレガンス”》
《目標:街の“美観度”を維持しつつ、敵性NPCの排除》
つまり、プレイヤーたちはリフォームされた街並みを壊さずに、定期的に現れる“好感度暴落NPC”を撃退し続けなければならないという、非常にバランスの悪い制約付きミッションだった。
「壊しすぎると好感度が下がって報酬激減、でも敵は普通に暴れる……」
「わたくしの美的センスを信じて、優雅に立ち回ってくださいませね♪」
しかも、女帝・ミレイは遠くからハート型ドローンを飛ばし、自身の“美観センサー”でリアルタイムに街の状況をチェックしていた。
「なんで監視までしてんだよ……!」
「美とは、管理と支配によって維持されるのですわ」
レイは軽く頭を抱え、ミツルは「これは美と混沌の交錯……美術史に残る戦い……」と勝手に燃えていた。
こうして、
香水が噴き出し宝石が降る、地獄の美化ミッション“エリュシオン・エレガンス”に挑むこととなった愚者一行。
果たして、キラキラすぎるこの街で、彼らは“美”を守り抜けるのか——。
キャラクター紹介
◆ 天条ミレイ(女帝)
華麗なる“女帝”適合者。街を好みのデザインに丸ごとリフォームできるスキル“グランド・コーディネイト”の使い手。美意識が高すぎてNPCすら振り回すトラブルメーカー。
◆ 御神楽シン(愚者)
毎回トラブルの渦中に放り込まれる愚者。今回もギルド整備のはずが、街全体が少女マンガに改造され、さらに疲労が蓄積中。
◆ 神代レイ(恋人)
選択肢強制スキル持ちのヒロイン。シンを引きずりながらも、冷静にミッションを分析しツッコミを忘れない常識人枠。
◆ 不破ミツル(塔)
中二病枠。“再誕と崩壊”を唱えながら、ミレイの美的改造を“芸術の昇華”と受け入れようとしているが、基本的にノリで動く。
◆ 陣内カエデ(力)
筋肉担当。筋肉整備士として街の物理的インフラを担うが、香水の噴水と虹には困惑している。筋肉で香りを中和できないか実験中。
街全体を巻き込む壮大なギャグに、シンは疲労困憊の様子。
これからこのギルド「アークタロット」はどうなってしまうのでしょうか……?
そして次回は、スピード狂の「戦車」カナデと、不穏な影を見せる「正義」ユダが衝突!
巻き込まれたシンは、再び社会的死の危機に!?
次回、『スピード狂と裁判ショー』、お楽しみに!




