表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/30

第4話:『筋肉がしゃべるんですけど』

中二病の「塔」、そして強制パーティの「恋人」と共に、バグだらけの異空間に転送されてしまったシン。


絶体絶命の彼らの前に、新たなタロットが現れる。


その名は「力」、陣内カエデ。


癒し系タンクのはずなのに、なぜか彼の筋肉が語り始めた!?

再誕フィールド、調査エリアα——


御神楽シンたちは、塔の崩壊跡とおぼしき区域に降り立った。瓦礫が積み重なり、あちこちに崩れかけた石材が散らばる中、魔力反応の残滓が淡く揺らめいていた。


空には紫がかったノイズのような靄がかかり、風の代わりに低周波のような振動が地面を伝ってくる。


「うわ、足場悪っ……てか、塔って崩れたまま放置なんかよ」


「当然だ。この世界は“未完の再誕”……つまり、完成を許されぬ領域なのだからな」


隣で腕を組んだミツルが、満足げに中二語を炸裂させてくる。シンは思わずため息を漏らし、背後で警戒中のレイに視線を送るが、彼女はすでに敵影のスキャンに集中していた。


そんな中——


突如、瓦礫の向こうから「ドゴォォン!!」という轟音とともに、巨体が跳ね上がった。


「筋肉は裏切らないッッ!!」


それは、まさに筋肉の塊と言っていいほどの男。分厚い胸板、鉄のような腹筋、隆起した上腕二頭筋。そして、なぜかその肉体が……震えた。


「我らはお前を歓迎するぞ、愚者よ……」


「はあああ!? 今、筋肉が……喋った!?」


《スキル連鎖:愚者の因果改変 × 力の同調覚醒》

《結果:筋肉に“意思”が宿りました》


愚者スキルの影響で、どうやら“筋肉”そのものに人格が芽生えてしまったらしい。


「愚者シンよ。我が名は右大胸筋、こちらは左、そして下腹筋の三兄弟だ」


「情報量多すぎるし、誰が知りたいんだそんな詳細設定!!」


その肉体の主、陣内カエデは頭を掻きながら申し訳なさそうに笑った。


「いやー……なんか、ダンベル振ってたら突然、筋肉が“語りかけて”きてさ」


「筋肉が……語りかけて……?」


真顔で反復したのはミツルだった。


「筋肉に意思……それは、生命進化の兆候……可能性の極地……」


「いやお前も乗るなよ! 真面目に考察するな!!」


レイは呆れたように一歩引いて、深呼吸一つ。


「まぁ……回復と防御性能が高いなら文句ないわ」


「実は、肩甲骨がヒーリングを発動するんだぜ。あと、左大腿筋が敵のヘイトを吸収する」


「筋肉万能かよ!!」


《スキル派生:“筋肉リンク:マッスルコア”を獲得しました》

《効果:戦闘中、筋肉が独自判断で行動を取ることがあります》


「それオートAIよりタチ悪いんじゃ……」


《ナレーション:筋肉とは、語り、動き、そして守る存在である!!》


「お前も出てくんなあああああ!!」


こうして、

人格を持つ筋肉とともに戦う、癒やし系(?)タンクの加入により、

愚者・恋人・塔の三人パーティに、筋肉トリオ(物理)が合流。


混沌に混沌を重ねた旅路は、ますます訳がわからない方向へと進んでいくのであった——。

「筋肉が語る」という、またしても理不尽な事態に巻き込まれてしまったシン。

それでも、仲間が増えていくことで、物語は少しずつ賑やかになってきましたね。


次回は、いよいよ個性豊かな仲間たちが集結し、ギルドを結成します!

果たして、そのギルド名は……!?


次回、『笑うタロット、集う愚者』、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ