3-61 ハク&孫3
ウーがかなり危ない。ここはわたしとあーちゃんで戦うしかない。まだ耳がキンキンするけど、音の聞こえないウーよりは戦える。
「あーちゃん、いける?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「あーちゃんは“わたがし“をやって。わたしはおさるをやる。危なくなったらウーが手伝ってくれるはず。」
「わかりました……!」
そう声をかけ、わたしはおさるの目の前に立つ。
「オイオイ、結局お前らクソガキ共相手かよ。」
「紅狐。」
「あん?」
「私の名前。クソガキじゃない。」
「知らねーよ!」
会話の最中なのにおさるは鋭い爪で攻撃を仕掛けてきた。人の話は最後まで聞くべき。そういうのとっても良くない。
「どうしたぁ! 避けてばっかりかぁ!?」
「様子見。」
「お高くとまってやがんなぁ! ムカつくぜ!」
「品があるのがウリ。」
「火遊びしてるクソガキに品もクソもねぇだろうが!」
「ムカッ。」
何度もクソガキと言われるのは腹立つ。それに訂正を入れたのにまだクソガキ呼びを止めないとは、おさるは相当のお馬鹿さんらしい。
「おうおうどうしたぁ! 表情に余裕が無くなってやがんぞ! いつまで避けられるかなぁ!」
わたしのムカムカしてる顔を見て、おさるが勘違いを始めた。更にイライラポイントが貯まる。手元に炎を集め、炎の剣を作りあげておさるの爪を弾いて削る。
ーーガキィン!!
「おさる。調子に乗りすぎ。お灸を据える必要がある。」
「……え? あれあれあれ?」
「避けるのはよゆう。だから様子見って言ってた。」
「……えっとー……もしかして、めちゃくちゃ怒ってらっしゃる……?」
「ぼちぼち。」
「ボチボチとか言いながらめっちゃ剣振り回してるじゃねーかよ! ブチギレてんだろ!」
「おさる、うるさい。今ので更にムカムカ。」
大剣を双剣へと変化させ、ヒュンヒュンと振り回す。
「悪い子にはお仕置き。」
「待て待て待て! そんなもん使われたらお仕置きじゃ済まねぇーー」
「執行。」
おさるが何かを言いかけてたけど、無視無視。おさるも話聞かなかったからおあいこ。
「ウキィ!? あち! あちち!!」
わたしの剣での攻撃におさるは困ってるみたい。それもそのはず。だって体は狙ってないもん。わたしが狙うのは邪魔な爪。爪が無くなればもっと戦いやすくなる。
「やだやだ! あっつい!」
「おさる、遊んでるの? さっきの技使えば?」
「うるせぇ! こっちにも順序がーー」
「使わないなら使わないで良い。死ぬだけ。」
数回の剣戟でおさるの爪は酷く歪み、折れ、元の凶器のような鋭さは無くなってる。これなら拳に当たらなければダメージはそれほどなさそう。
「くそ!」
ーースゥ。
大きく息を吸い込む動作。おさるの技の予備動作だ。
「引っかかった。そのままそこで固まってて。『炎陣』っ!」
「ウキッ!?」
一瞬でおさるを中心に炎の壁を出現させて、中までこんがり焼く。おさるはやっぱりお馬鹿さんだったみたい。
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