↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
PR
136/138

3-60 ハク&孫2

「いやぁ、ハクさん? それは結構リスキーなんじゃ……。」

「3度も言わせるな。いいからやれ。」

「……ったく、仕方ねぇなぁ!」


 孫(ソン)が大きく息を吸い込み、何かの予備動作に入る。技を仕掛けてくるに違いない。


「させるかぁ!」


 オレは雷、紅狐は炎を放ち、孫の動きを阻害しようとする。


「ヴォン!!」


 ……しかしその攻撃が孫に届くことはなかった。ハクの咆哮によって打ち消されてしまったからだ。


「クソ、厄介な犬めが……!」


 この犬ッコロも、今はいない狗めも厄介この上ない。“いぬ“と呼称される者達は厄介なやつしか居ないようだ。


「孫! 早くしろ!」

「今やるよ! 急かすな!」

「くっ……! 紅狐! 幼女! 離れろ!」

「ウー!」


 紅狐と幼女の壁になるよう奴等の正面に立つ。何が飛んでこようと、たとえオレが死ぬことになっても構わん。オレが生きている間はこの2人だけは守り抜く。


「『乱レ淫レヨ(ディスターバンス)』。」


 ーー孫がボソリと呟く。

 ーー刹那、衝撃で前後不覚に陥る。


 轟音。そう例えるのが1番であろう。あまりの音量を喰らうと人間は思考も、行動も取れなくなりその場に固まってしまう。奴の技で鼓膜にダメージを負ったのか、耳はもう何も聞こえず静寂に包まれる。そして続け様に来る轟音の衝撃に体が圧され、フラフラと頼りなく地面を探し足が動く。


「ーーーー! ーーーー!」


 視界に映る孫が指を差し、此方に近寄る。言っている言葉は耳が聞こえず聞き取れないが、おそらくトドメを刺すだの、ざまあないななどと碌でもないことを口にしているのであろう。注意して奴の口の動きを見る。


「ーーーー! ーーーーーー! ーーーー!」


 ーーオマエヲヤッタラ。

 ーーツギハ、ウシロノクソガキドモダ。

 ーーキコエチャイナイダロウガナ。


 怒りに意識が支配され、体は勝手に孫に一歩近付こうとする。だがそれを遮るように視界が赤く染まる。ダメージを受けたからではない。それは炎。恐らく後ろにいるであろう紅狐が発動させたのだ。チラリと紅狐と幼女の方を見る。何かを伝えようとしているが、一切聞き取れない。


「ーー! ーーーー!」

「ーーーー!」

(全く聞こえん……! 耳を使えなくなるのがこんなにも煩わしいのか……!)


 紅狐と幼女の元へ駆け寄り、敵の様子を見ながらす魔ほのチャットで言葉を交わす。


『耳をやられた。なにも聞こえん。』

『他は?』

『平衡感覚も怪しい。』

『わたしが前に出る。』

『わたしも行きます!』

『危険だ。』

『ウーが前で戦うより勝算はある。』


 事実、音も聞こえず回避にも難が出るであろうこの状況では紅狐の言うことが恐らく正しいだろう。しかし……奴等の能力が不明な今、不安要素が多すぎる。


『信じて。』

『危なかったらウーさんが助けてくれるんですよね?』

『……ああ。』

『ならだいじょぶ。行く。』

『サポート、お願いします!』


 ……そう言い、2人はオレの意見も聞かず前に出てしまった。

いつもお読みいただきありがとうございます。

つまらないと思いましたら☆1、面白いと思っていただけたら☆5評価をいただけると嬉しいです。いいねを貰えると執筆意欲が更に湧きます!

感想欄にてご意見もお待ちしておりますので、御指摘、感想をいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。