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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
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135/138

3-59 ハク&孫1

 オレの声を皮切りに、ハクと孫(ソン)が動き出す。


 ーー孫:HP115/130。

 ーーハク:HP85/90。


「「ヴオォォォォォ!!」」


 両名、同時に咆哮を放ちながらこちらに向かって駆け出す。ハクはジグザグと走りながらオレに向かって。孫は……一直線に紅狐と幼女の方向に向けて走り出している。


「獣(けだもの)ぉ!! 行かせるかぁ!!」


 孫の進行方向に雷撃を放つ。しかし孫は避ける気配すら見せない。


(避けんだと……!? 一体何を考えーー)

「キィィィィエェェェェ!!」


 孫は雷撃に向けて大声を放つ。すると何故かまた雷撃は弾かれたように、孫の背後へと着弾する。


「なにっ!?」

「へへっ! バーカバーカ!」

「バカはあなた。燃え上がれ、『狐火(きつねび)』っ!」


 オレの陰に隠れ、紅狐が密かに設置していた『狐火』で大猿は燃え上がる。


「うぉぉぉぉぉ!? あっぢぃぃぃぃ!!」

「くだらんことをしてるな、孫(ソン)!」


 “ハク“が一声吠えたかと思うと、“孫“を包んでいた炎が跡形も無く消え去る。吠えで炎が消えるだと? どんな絡繰だ?


「“わたがし“、なかなか強い。」

「それはどうも、私はハクだがね。」


 狐火の設置を警戒したのか、ハクは進行方向を紅狐に変えようとする。しかしそんなことはオレが許さない。


「馴れ馴れしく紅狐に近寄るな、痴れ者が!」


 雷の槍を放ち、ハクが避けた先目掛けて帯電させた鉄パイプを振り下ろす。しかしハクも避ける気配は見せない。


(此奴もかーー!)

「ヴォン!!」


 低い威圧のような吠えで、鉄パイプが弾かれたように戻される。そしてオレの隙を突き、ハクは前足に着けている苦無を牙や前足で抜く動作などを見せず、まるで苦無が勝手に動いているかのように動き、こちらに放つ。無論そのような直線的な攻撃が当たるわけもなく、鉄パイプで叩き落とす。


「当たらんわ!」

「当たらなくて構わん。お(・)前(・)の(・)行(・)動(・)が(・)制(・)限(・)さ(・)れ(・)れ(・)ば(・)充分だ。」

「なにっ!?」

「オレサマが叩きのめすからなぁ!」


 いつの間にか真横の至近距離に迫っていた孫が、爪を立てて振り抜こうとしている。クソ、先程のハクの攻撃は目眩しかーー!


「『攻の型、水龍(すいりゅう)』っ!!」


 龍形態に戻り避けようと頭をよぎったが、幼女の技に驚き、回避するためハクと孫は一歩退く。


「すまん幼女。助かった。」

「わたしも戦うって言いましたから……!」

「あーちゃんナイス。ウー、もっと気をつけて。」

「……すまん。」


 紅狐に叱られてしまった。なんと情けない。己の不甲斐なさに恥ずかしくなる。


「しかし……彼奴ら2人は厄介だな。先ほどから何を仕掛けてきているのかがさっぱり分からん。」

「確かに。“音“か“衝撃波“?」

「“振動“かもしれん。或いは音と衝撃両方かもしれんな。」


 雷撃も鉄パイプも弾き、炎も消し去る咆哮。正体が未知数すぎて下手に攻撃に打って出るのが困難だ。


「孫。奴等の系統、雷と炎と水だ。」

「だな。やりにくい。」


 それは相手も同様のようで、能力の当たりはつけられたが、決め手にかけるといった様子だ。


「孫。『アレ』を使え。」

「え〝? ハク様マジで言ってんの?」

「当たり前だ。早くやれ。でなければ此方がジリ貧になる。」

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