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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
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3-55 1つの問題

 敵の陣地を横切る。今のところ敵影はなく、辺りも静寂に包まれている。聞こえるのはオレ達の足音くらいなものだ。いつ襲われても良いように、握りしめた鉄パイプに電流を流す。


 ーーパチパチっ。


 不規則にスパークの弾ける音が鳴る。紅狐は炎を、幼女は水の塊をいつでも発射できるように手元に構える。残り体力が多くない今、先手を打たれることだけは避けねばなるまい。


 ーーウー:HP37/40。

 ーー紅狐:HP78/100。

 ーーああああ:HP70/70。


 全員の体力を足しても2人分に満たない、特に酷いのはオレだ。威力の高い攻撃を喰らえば一撃で戦闘不能になることもあり得る。2人には悪いが、前衛にはなれそうにない。後方から雷撃を放つのが精々だろう。


「ふむ……。」

「ウー? どしたの?」

「いや……。このメンバーのこの状況では近距離戦に対応できんと思ってな……。」

「た、確かに! ど、ど、どうしましょう!?」

「……致し方無い。やはりヤツに尋ねるほかあるまい。」


 オレ達をこんな状況に陥れた張本人、神にチャットを飛ばす。


『今良いか?』

『なにさ?』

『頭の中を読んで欲しい。』

『うーん……。近距離技かぁ……。技としてはこれ以上の許可は無理かなー。威力そこまでないなら通常攻撃で召喚するのはあり!』

『感謝する。』

『具体的な内容決まったらまた報告するよーに!』


 一先ずの許可は得た。あとは2人と相談をするだけだ。


「さて。技としてではなく、狗めの風刃のような通常攻撃なら良いそうだ。」

「おおー、ふとっぱら。」

「今まで遠距離技しか考えてこなかったからな。丁度良いタイミングだろう。して、どうする?」

「炎の大剣にする。」


 こんな感じ、と紅狐は地面に炎を使って絵を描く。……絵心はあまり無いようだが、それはそれで可愛らしい。


「幼女、貴様はどうする?」

「えと……えと……。」


 オロオロと狼狽えながら幼女は話す。まだ上手くイメージが纏まっていないのであろう。


「あーちゃん、別に剣にする必要はない。」

「あっ……そうですよね、でもどうしましょう……?」

「まかせて。良いのがある。」


 紅狐が胸を張り、幼女に耳打ちをする。時折目をパチクリさせながら紅狐の話を聞いている。


「そ、それ、私に似合いますか……? もっと大人の女性の方が似合うと思うんですが……?」

「だいじょぶ。あーちゃんならいける。みんな大喜び。」


 どうやらオレにも秘密にしておくつもりらしい。紅狐のことだ、オレが思いつかないような予想外のものを考えたのだろう。


「ウーは?」

「オレはこの武器があるが……この武器を弾かれた場合も考えねばならないか。片手で取り扱えるサイズの雷の槍にしておこうと思う。いざとなれば射出もできるしな。」

「剣じゃないの?」

「雷の剣などあまりに平凡すぎるであろう? 少しは変わったものにしてみたくてな。」

「え、槍もわりと聞くけど?」

「け、剣よりかはマイナー……ではないか?」

「うーん。わかんない。」

「……ま、まあよかろう! 各自、神へ報告を済ませよ!」


 紅狐ツッコミに耐えきれず話を区切ってしまう。神に報告をしたところ『了解ー、それならおっけー。』と軽い返事が返ってきた。

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