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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
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3-54 変化

 幼女の示すマップを見たところ、オレ達は六角形の右下から下にかけての場所、髑髏チームの占領地と他チームの境目辺りに飛ばされたらしい。ここから本拠地に戻るためには2つルートがある。髑髏チームの占領したエリアを通り大きく迂回するルート。……そして目の前の他チームのエリアを横断する最短ルート。

 現状としてはできれば敵と相対するのは避けたいが、これから先、陣地の占領も考えるとそうも言ってはいられない。


「ふむ……。」

「ウー、どうする?」

「……あ、あの!」


 珍しく幼女が意見を挙げるために声を張る。


「どうした幼女?」

「……ここの陣地を取りながら戻りましょう!」


 幼女は一点を指差す。そこは敵の陣地を横断しつつ、本拠地を目指す途中にある空白の陣地。


「天輪さんや狗さん……2人が戻ってきた時に安心出来るようにここを攻めましょう!」


 今までの弱々しく、天輪や紅狐の後ろに隠れていた時とは違う表情で幼女はハッキリと言い切る。


「……ウー。」

「……そうだな。それも良かろう。……それにしても幼女、どんな心境の変化だ?」


 目の前にいる幼女の瞳を見つめ返す。その瞳には強い意志を感じる。


「わたし……このままじゃダメだと思って……。」

「ほう?」


 ポツポツと幼女は語る。


「今までは……皆さんの後ろにいるだけでした……。でも……狗さんも! 天輪さんも! わたしのことを仲間と言ってくれたんです!」


 ーーオレと紅狐の袖を掴み、幼女が続ける。


「守られてるだけなのは仲間じゃありません! わたしも……わたしだって皆さんのために戦います!」


 ーー袖を掴む力が強くなる。


「……結果的に一度死ぬことになるかもしれないぞ?」

「それでも……わたしは戦います!」


 胸中を語り、自分の意志を強く表明する幼女。

 ……これ以上聞くのは無粋であろう。


「分かった。貴様の案を採用しよう。だが決して無理をするな。そして死にそうになったらすぐに逃げろ。よいな?」

「はい!」

「あーちゃん、えらい。はぐをしてあげよう。」

「く、紅狐さん、苦しいです……!」


 感情が昂った紅狐が幼女を強く抱きしめる。正直羨ましいが今オレが割り込むのは憚られる。できるだけ紅狐のやりたいようにさせてやろう。……まあ締めている位置が少々危険だが。


「紅狐よ、勢い余って幼女を殺すなよ?」

「あ、ごめんごめん。あーちゃん、いい子いい子。」

「え、えへへ……。」


 今後の方針は決まった。幼女の提案の通り、空白地帯を目指すことにする。……あとは2人を死なせないよう動くだけだ。狗や天輪がしたように。


 ーー仮(・)に(・)オ(・)レ(・)が(・)死(・)ぬ(・)こ(・)と(・)に(・)な(・)っ(・)て(・)も(・)。

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