3-49 狗&ウー4
菅笠、キリコを倒し、残りは狸1人となったが何やら狸の様子がおかしい。技のネタがバレ、2vs1の状況にも関わらず余裕綽々といった様相だ。空中からウーが降りてきて、人型に戻る。
「狗よ、彼奴の様子ーー。」
「ああ、まだなんか隠してやがるな。」
“狡猾ナル者“は認識を阻害させる技だと分かってはいるが、まだ他に技があるのか……? それとも“狡猾ナル者“の本領がまだ発揮されていないのか……?
(考えていても埒があかねぇ……仕掛けるか……!)
ウーも同じ考えに至ったようで、鉄パイプからバチバチと音が鳴り始める。
「ほれ、縮こまっとらんでさっさとこんか。老人をあまり待たせるもんじゃないぞぃ。」
「痴れ者が……! 泣きを見るぞ!」
「……老若男女問わず、平等にボコらせてもらうぜ!」
狸の挑発を皮切りに戦闘が始まる。ウーの鉄パイプの攻撃は見切られており、最小限の動きで避けられている。そして問題は目に見えないはずの俺の風も避けているということだ。くそっ、どうなってやがる……!
「カカカッ! なかなかに良い連携じゃが……仮面の小僧! そんな初動が見え見えの攻撃では儂には当たらんぞ!」
「初動だとっ!?」
「クカカッ! 悩め悩め!」
「……! 狗! 此奴、貴様の腕や指の動きを見ておるぞ!」
腕や指……? そうか、振りを見てそこから予測して避けてんのか! 癖者すぎんだろ……!
「カカッ! お主らは本当に良い仲間じゃのう……。羨ましいわぃ。」
「爺さん、アンタ自分でチームを組んだんじゃないのか?」
こちらの攻撃を避けつつ、狸は思いを漏らす。無論狸の手も止まることはなく、杖を槍のように構え突きを繰り出す。ウーは紙一重で避けるのでいっぱいになっており、俺も風の壁を出すが容易に貫通してくるため回避せざるを得ない。
「儂が元々組んでおったのは“ヴィナス“と“Queen“だけじゃよ。“キリコ“と“菅笠“は神に組まされたにすぎぬ。」
まあヴィナスの娘っ子は2人にも懐いておったがの、と呟く狸の表情は複雑そうだった。Queenとやらは見当たらないが……それにヴィナスも……まさか……!
「カカッ! 気付きおったか! 小僧共の仲間が来んのもそれが理由よ!」
途中でヴィナスを見失ったのも狸の作戦だったようで、俺達はまんまと嵌められチームを分断されていた。狸の言葉を聞いたウーが感情的に攻撃を仕掛ける。
「クッ……! 退けぇぇぇ!!」
「クカカッ! 目に見えて焦っておるのう! ホレホレ、そんな攻撃では儂には当たらんぞ!」
ウーの直線的な攻撃を軽く避け、杖で反撃をしてウーを突き飛ばす。マズい、ウーの体力がかなり減ってきている……!
「ウー! 一旦下がれ!」
「喧しい! オレに指図するな!」
「俺達を慌てさせるのが狸の狙いだ! 頼む落ち着いてくれ!」
「……その助言、もう遅いがのう!」
スッ、と杖を横に傾けて狸が言葉を紡ぐ。言葉の意味も、音階すら理解できないが、何かしらを仕掛けてくるのは分かる。
「ーー『百鬼夜行』。」
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