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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
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3-42 ヴィナスとQueen

 ヴィナスがお札を3枚、それぞれ別の方向に放つ。一枚は紅狐さんに向けて『土ヨ捉エヨ』、一枚はあーちゃんに向けて『雷(いかずち)ヲ放テ』、最後の一枚は私に向けて『豪水ヨ打チ砕ケ』である。


(くそっ……! 各自が対応しづらい技で攻めてきたか……!)


 こちらは既に技を発動させてしまっている。このままぶつけたところで打ち消され、逆に相手の攻撃を食らってしまうのが関の山だろう。


「紅狐サン、雷ヲ! アーチャン、水ヲ! 私ガ土ヲ対応スル!」

「り。」

「はい!」


 紅狐さんの炎が雷に当たり、爆発音が響く。属性は違うが上手く相殺できたようだ。あーちゃんの水も相手とせめぎ合っており、おそらく問題ないだろう。一番の問題は私の担当した土だ。今は炎の化身になっているため、このままでは対処ができない。


(仕方ない……能力を解除するっ!!)


 能力を解き、人型形態に戻る。そしてあの技を繰り出す。


「『剛震滅脚(ごうしんめっきゃく)』っ!!!!」


 私に向かう土の盛り上がりに向けて、剛震滅脚を放つ。しかしその先にいるはずのヴィナスとQueenの姿がない。


「隙あり、だにゃ!!」

「殺す……殺すうぅぅぅ!!」


 しまった……! お札での攻撃は目眩し、こ(・)ち(・)ら(・)が(・)本(・)命(・)か(・)!!


「『恐怖ノ宴(スケアリー)』ぃぃぃぃ!!」

「急急(きゅうきゅう)如律令(にょりつりょう)!!」


 恐怖ノ宴により動きを封じられ、ヴィナスが一枚のお札をこちらに放つ。梵字で書かれた文字は「風ヨ斬リ裂ケ」だ。


 ーーズバァ!!


「ぐあっ!!」


 私の体に一文字の斬り傷が出来上がる。腹のど真ん中から右にかけてバッサリと斬れ、血が噴き出す。幸いまだ内臓は飛び出ていないがそれも時間の問題だろう。


「天輪!」

「大丈夫、それよりもQueenを!!」

「『水龍』っ!!」


 あーちゃんが再度“水龍“を繰り出し、Queenを拘束する。ヴィナスは身を翻し、ギリギリのところで回避をしてしまったが、まずはQueenから脱落させなければ……!


「燃え上がれ、『狐火』!!」

「噴(フン)っ!!」


 身動きが取れなくなったQueenに対し、紅狐さんが“狐火“を当て、それに続いて素手での攻撃を出す。狙いは喉。中指と人差し指を尖らせ、的確に打撃を叩き込む。


「かっは……!」

「お姉ちゃん!」

「勢(セイ)っ!!」


 喉を突いたことで大きく身じろぎ、隙ができる。そこに合わせて、顳顬(こめかみ)へと拳を叩き込む。


「これで……終わりだぁぁぁ!! 『剛震滅脚』っ!!」

「『炎陣』っ!!」


 剛震滅脚を出すのに合わせ、紅狐さんも炎陣をぶつける。動きが取れない中、紅狐さんのあの技を喰らっては逃げ場はない。


「ああぁぁぁぁ!!!!」


 ……一回戦の時に続いて、またしてもなんとか倒すことができたようだ。残りはヴィナスのみだが、傷が深く私が動いての追い討ちはかけられない。それが分かっているからか、ヴィナスは小刀を振るうためこちらに近付いてきていた。


「よくも……よくもおぉぉ!!」


 怒りにより狙いが露骨になっており、攻撃をなんとか回避する。しかし動くごとに腹部が痛み、段々と動きにキレがなくなってくる。


(くっ……! どうする⁉︎ このまま避け続けるのは不可能だ……!)

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