裏切り
短いですが本日2回目の投稿です。
「ケインなぜこんなことを!」
サリーは動揺で震える声を絞り出し、ケインに問いかける。
「なぜかとは?私は最初からこの古代の遺跡を手に入れるためサリー様に仕え機会を伺っていました。つまり、これが本来の目的と言うわけです。」
そんな悲痛そうな表情をしているサリーに対し、ケインはそれが当然であるかのように答える。
「そんなぁ!!!じゃあ好きって言ってくれたのも・・・ゴニョゴニョ」
最後の方はボソボソと言ったので聞き取ることは出来なかったが、確かに聞こえたキーワードに桜夜は反応する。
「ん?好き?もしかしてサリリンが言っていた秘密の恋人って」
「・・・そう。そこにいるケインよ」
つまり絶対の信頼を置いていた部下もとい恋人にサリーは裏切られたということになる。
「2人だけの秘密と誓っていたのにサクヤ殿に言ってしまわれたのですね・・・私は悲しい」
「私を裏切ったあなたが言うんですの!?」
ケインのさも悲しいという演技の表情に、サリーはヒステリックに泣き叫ぶ。
これは彼女が絡め手に弱いとかそんな問題では無く、一人の人間として心に相当ダメージだろう。
事実今の彼女はこの世の終わりといった表情で「うそよ・・・うそ・・・じゃなきゃこれは夢・・・」などと延々とうわ言を言いながら不敵な笑みを浮かべるケインを呆然と見つめている。
(ん~何か引っかかってるんだけどそれが分からない。好きな人が実は自分の財産目当てだったとかきついなぁ~・・・サリリン強く生きて!っと!それもまぁ置いといて・・・今は詐欺師を抑えて古代の遺産を奪還することが先決!だけど最大戦力は動けないし・・・私が動くしかない!)
桜夜はケインに対して“身体解析”を発動する。
(1週間前“身体解析”をかけたとき彼は私よりも能力的に下だった。たしか・・・
名前:ケイン・トゥインクル
種族:人間
年齢:27歳
性別:男
身長:177.7
体重:64.5
体力:90
魔力:120
力:85
防御:70
敏捷:99
特技:剣術Lv4、魔力操作Lv4
それに対して今の私の能力は・・・
名前:サクヤ・クドウ
種族:人間
年齢:17歳
性別:女
身長:160.0
体重:54.5
体力:111
魔力:850
力:80
防御:75
敏捷:140
特技:分析Lv10、剣術Lv5、体術Lv4、魔力操作Lv4、調理Lv1
称号:異世界人、男装の麗人
これだったらショックから立ち直れないサリリンを抜きでも、私だけでも取り押さえられるは・・・ずっ!!!!)
そう思考していた桜夜であったが、身体解析によって得た結果に驚愕する。
名前:?????
種族:???
年齢:??歳
性別:???
身長:177.7
体重:64.5
体力:320
魔力:50
力:205
防御:200
敏捷性:250
特技:??????、
称号:??????
名前、種族、年齢、性別、特技、称号は表示されず、身体能力は1週間前に比べ、2倍・・・いや3倍近くにも跳ね上がっていた。
・・・まるで別人のように
(そうか・・・そういうことだったのね)
ある導かれた結論に合点がいった桜夜は、昼ドラのような愛憎劇を繰り広げている2人の間に割って入る。
「ん?」
「サ・ク・ヤ?」
突然の割り込みに怪訝そうな顔をするケインと今にも泣きそうな顔をしてその様子を見上げるサリー
「もう茶番は終わりです・・・」
「あなたは何を言ってるんですか?私が部下もとい恋人の演技をしていたのは確認できたでしょう?」
ケインの返答に桜夜はフッと鼻で笑う
「・・・何がおかしいのですか?」
「いや~ぶれないな~と思って、確かにサリリンをず~と騙していたということになりますね。あなたが本当のケイン・トウィンクルであればね・・・」
「っ!!!」
「サクヤそれはどういう・・・」
困惑する2人の視線を受け止めつつも、怯むことなく桜夜はハッキリと言葉にする。
「改めましてこんばんはケイン・・・いやケインに化けた盗賊さん?」




