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目覚めと逃亡

久しぶりに投稿させていただきます。遅くなってしまい待っていた方すみません。

「うっ!もう抑えきれない!!!」


ただひたすら真っ白で果てしない空間の中、ぽつんとある2つの存在。


一つは雪のように白く輝く美しい髪と陶器のような肌を持った少女。一目見れば愛くるしく、可憐なその姿に虜になってしまうであろう美少女は、現在手を眼前に突き出し、球のような汗を浮かべつつ、苦悶の表情を浮かべている。


少女の手の先にあるのは巨大な卵のような球体。しかし、その表面は白い卵でなく血を凝固させたような赤黒い。真っ白な空間の中にあるポツンとあるそれは異質で所々に入った日々からは黒い霧のようなものが吹き出す。


そして遂に限界がおとずれ・・・



ピキッ・・・ピキピキピキッ!


パリーーーーーン!!!



卵の殻に次々に亀裂が走った次の瞬間、弾け飛んだ。


黒い霧が辺り一面に広がり、白い空間があっという間に暗黒に浸食される。


そして、卵のあった場所に何者かが立っていることに気づく


「んふぅ~~~・・・やっと出てこられたわ~何百年ぶりかしら」


その者は両手を挙げ大きく伸びをする。


卵から姿を現したのは女であった。香油を縫っているかのような艶やかな長い黒髪、青白いと言っても良いほどの透き通った肌はきめ細かく美しい。溢れそうなほど豊満乳房、むっちりとした肢体は男性でなくてもむしゃぶりつきたい衝動にかられ、纏っている卵と同じ赤黒いドレスはその艶めかしい体を更に強調している。


魔性の女、傾国の美女そんな言葉さえも霞むほどの魅力を女は持ち合わせていた。


そして、女は近くに立っていた白髪の少女に気づき、薔薇色の唇に自身の指をはわせ、妖艶な笑みを浮かべながら話しかける。


「久しいわね~我が可愛い~妹・・・セレスティア」


白髪の少女はその笑みに一瞬たじろくが、すぐ強い意志を宿した瞳で向き合い返事をする。


「・・・そうですね我が偉大なる姉上・・・シャルローズ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あらあら硬いわね~2人しかいない姉妹なんだから昔みたいにお姉ちゃんとかシャル姉とかって呼んでくれても良いのよ~?」


「・・・そんな風に読んだ覚えはありませんが?」


「えへっ!ばれちゃった。テヘペロッ!」

シャルローズは舌を出しながら自分の頭を軽くゲンコツする。


「そんな話で誤魔化さないでください!」

姉の態度に苛立った彼女は声を荒げる。


「あら私が何を誤魔化しているっていうの~?」

そんな妹に対し姉はのらり、くらりとあしらう。


「・・・どうせまた世界に干渉して、生きている者たちを狂わせるのでしょう?」


「え?そんなの当り前じゃない」

真剣な妹の言葉に対して姉は「それ以外何があるの?」みたいな態度で答える。


「な!なぜ!?」

しかし、妹はそんな姉の反応が心底理解できなかった。


「なぜって言われても・・・もちろん楽しいからよ?」


「希望ある輝かしい者が落ちていく、身も心も壊れていく姿・・・あ~考えただけでも身体の熱いものが疼いてくるわ~」

姉はそう言うと恍惚な表情を浮かべて何かを思い出しているかのように身を震わせる。


「・・・姉上は下劣ですね。生き物をそんな物みたいに扱うなんて!この世界の皆私たちが産みだした愛すべき我が子ですわ!」


「あら、所詮人も亜人も魔族も私達神の手のひらで踊らされている哀れな人形マリオネットに過ぎないのよ?神である私の欲望を満たしてくれるために存在しているの」


シャルローズはセレスティアに近づき耳元で囁く。


「今度生きの良いのがいたらあなたにも紹介してあげる。・・・まぁ初めてのあなたには刺激が強すぎて・・・抜け出せなくなってしまうかもしれないけどね。この世の物とは思えない甘美な感覚なんだから・・・激しい雄は良いわよ~うふふっ!」


シャルローズは笑いながらセレスティアの横を通ろうとするが・・・


その腕をセレスティアが掴み留まらせる。

「・・・行かせると思いますか?」


「思わないわねぇ・・・だったらどうするつもり?」


セレスティアの質問からシャルローズは先程までの軽い態度から一変し、あたりが凍り付くような低い声を出す。


「力ずくで止めるまでです!」


セレスティアが手を広げると一瞬で千もの光の矛が空中に現れシャルローズを襲う。

しかし、シャルローズは身動きもせず地面の四方八方に影のような物を伸ばしたかと思うと突如それが地面から飛び出し、彼女を覆うと千の光の矛は陰に飲まれるように姿をけしてしまった。


「うふっ・・・お・返・し!」


すると今度は陰の中から紫に変色した光の矛が放たれてきた。


「くっ!」


セレスティアは光の球体のような障壁で辺りを覆い攻撃を塞ぐが、しだいに傷つき亀裂が入っていく・・・


もう駄目かと思うところで何とか防ぎ切った。


「あら随分成長したじゃない?」


その妖艶な声はセレスティアの後ろから聞こえた。


(しまった!!!)


と思ったときは既に遅くシャルローズの闇を纏った一撃に障壁は粉砕され、その爆風によりセレスティアは吹っ飛ばされる。


「もう諦めなさい。あなたに邪魔されるのもいい加減に疲れたから、今度は私が封印してあげるわ・・・未熟なあなたとは違って私の術なら完璧な永久の眠りにつけるわよ~良いわね~眠り姫のおとぎ話みたいで・・・王子は永遠に現れないだろうけどね~うふふふっ・・・あ~はははははははっ~!!!」


圧倒的な力の差にシャルローズは愉悦に浸り高笑いをあげる。


(やはり今は勝つのは無理か・・・それなら)


その刹那彼女の周りから強烈な光が放たれた。予想外の反撃にシャルローズは目を覆う。


その光は暫くすると、次第に薄れ・・・消えた。


しかし、そこに立っていたのは何の怪我も追っていない妖艶な女のみ。


「逃がしたか・・・」


白髪の少女、セレスティアの姿はどこにも見当たらなかった・・・。


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