表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/39

IT'S SHOWTIME

陽が沈みトーチの街にポツリポツリと明かりが灯る頃、中央広場には1万人もの人が詰めかけていた。


ステージは光魔法のスポットライトで華々しく照らされ、各地から集まってきた芸人たちが磨き続けてきた技を続々と披露していく。


そしてついに旅芸人一座アイド~ルの出番となった。


「続いては今回初の参戦!旅芸人一座アイドールです!どうぞ!」


司会の紹介と共にスポットライトが消え、暗闇と静寂に包まれる。観客はこれから何が始まるのか気になり皆ソワソワとしながらも時を待っていた。


・・・すると




ラ~ラ~ラ~ラ~ラララ~




天使が歌っているのかと思うほど美しく優しい歌声が広場に流れてきた。続いて歌声に寄り添うように楽器によるメロディーが流れてくる。声が1万人もの人に届くのは音を拡声する魔法を使っているからだろう。歌声は観客を一瞬で虜にし、周りの空気を支配していく。


しかし、声の主はステージにはおらず、観客は声の主を探そうと辺りをキョロキョロ見渡す。


すると1人の観客が


「あっ!!!」


と声を漏らし空に指を指した。1人に釣られ周りの観客たちも上を見上げた・・・



空には透き通った球体が浮かんでおり、中に人影らしき者が確認できるが、如何せん暗くてよく分からない。

観客たちがそう思ったところで再びスポットライトが輝き、空の球体を照らした。





スポットライトに映し出されたのは巨大な水球とその中に浮かぶ歌声の主である少女。


少女はキラキラと輝く薔薇水晶があしらわれた桃色のワンピースドレスの衣装を身に纏っており、スポットライトに照らされユラユラと光を反射する水球、可憐な歌声と相まって誰もが溜息を吐いてしまうような美しく儚げな雰囲気を出している。


観客たちはそんな幻想的なステージに目を奪われ離すことが出来ない。時折少女と目が合い微笑まれた者の中には失神した者もいた。


1曲を歌う中でグルッと広場を一周した少女は地上のステージに降り立つ。その姿はまるで地上に降臨した天使を体現したかのようだった。


少女がフッと手を挙げると急に演奏が止まる。すると少女が纏っていた水球から水が流れ出しステージを水で覆い、頭上にはアーチが作り出された。



そしてまた少女が手を前に出すと・・・


ピキッピキピキピキ


少女が入っている水球、ステージ、アーチが一瞬にして氷漬けにされ、スポットライトの光によりキラキラと輝く幻想的な氷のステージとなった。


「おおっ!」

「綺麗・・・」

観客からは思わず声が漏れる。


ピキッ・・・ピキッ・・ピキピキピキ、パリ~~ンッ!!!


中に少女が居るはずの凍った水球に大きな亀裂が入り、次々に日々が広がっていったかと思うと氷が突如弾けた。

弾けた氷の粒は観客席にキラキラと輝きながら降り注ぐ、そして冷気の靄の中から出てきたのは・・・


先程歌っていた少女


少女とよく似た燕尾服を着ている少年


褐色の肌を持つ美丈夫


そして・・・黒装束の絶世の美少年





楽団と思われる楽器を持つ芸人達も脇からぞろぞろとステージ上に集結する。


氷球から姿を現した4人はゆっくりと天に指を指し・・・観客に叫んだ





「「「「IT'S SHOWTIME!!!」」」」



それに答えるよに1万人の観客からは大きな歓声が上がった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


4人がステージに降り立ってからは、一気に場の空気が変わった。



「ヘイッ!皆私たちに着いてきて~~!!!」

少女は先程のしっとりとした歌声と裏腹にアップテンポな曲をパワフルに歌い。


「ハッ~~~!どうだ!!!」

燕尾服の少年は獣人持ち前の身体能力でステージ上を激しいダンスをしながら駆け巡っている。


「2人共盛り上がってるね~」

「私たちも負けないよ!」

褐色の美丈夫は絶世の美少年は他のバックダンサーの先頭に立ちつつ一味違うキレのある動きを魅せ、その後ろのバックダンサーたちの一糸乱れぬ迫力のある動きは観客たちを魅了していた。


「うわ~!!!格好いい!!!」

「音楽に合わせて動くってこんなに楽しいものだったんだ!!!」

「こんなの初めてだ!!!」

観客たちはパフォーマンスを見て今までに無い高揚感と臨場感を味わい、盛り上がっていた。


その後予定していた公演時間を大幅に過ぎてもアンコールが鳴りやまず、豊穣祭史上の最高の盛り上がりを見せることになるのであるが、この場の誰一人そんなことを考えている者はおらず、今の一瞬を楽しむことに皆全力を注ぐのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ