準備は着々と2
文章短いですが一区切りするので載せちゃいます。
エリザベスが来てからは豊穣祭りまで怒涛の日々であった。ナタリアとマーリンはエリザベスの糸をもの凄いスピードで生地を織る、織る、ひたすら織る。ただでさえも驚くべき速度なのにマーリンの魔力操作により作業を10か所で同時進行しているため、もはや異常である。
織った生地は膨大な魔力を秘め、淡く輝き、神秘的な雰囲気醸し出す美しい物になっていた。
生地が出来上がった後は考えたデザイン通りに裁断、糸を通された縫い針が幾つも空中を飛び交い、生地同士を繋げ形作っていく。桜夜はマーリンが魔力操作で幾つもの料理を同時進行で作っていた場面は見たことがあったのだが、ここまで細かい作業を出来るとは想定外であったため、その様子をぽか~んと見ていた。
しかし、桜夜もただぽか~んと見ていたわけではない。テントへ芸人たちの練習の様子を見に行ったり、2人に頼まれた品を買い足しに行ったり、作ることによって発生したゴミを廃棄したり、ナタリアが手を離せないので店の接客をしたりした。
また、2人は集中すると何時間、何日も倒れるまで作業を続けるため、桜夜はその間2人の口に食事をあ~んとらせたり、無理やりお風呂に連れて行ったりと在宅介護のようなことをしていた。
作り上げたものは旅芸人達が練習しているテントまで行き試着してもらい微調整をする。
完成品の物を見たリリアンやポルクを含む芸人の皆はあまりの出来栄えに大喜びだった。
「私こんな素敵な衣装を着れるの!やった~!うんしょ!桜夜どうかな?」
「うわ~リリアン本当のお姫様みたい!」
「本当!?えへへへ」
リリアンは赤と白の2色の糸で織った桃色の生地で作られたワンピースドレスで、アクセントとして小振りの薔薇水晶(ロランがマリアに送った薔薇の形をした水晶)が幾つかあしらわれていており、彼女の愛らしさを5割増しで際立たせている。
「よいしょ!サクヤさん・・・似合いますか?」
「ポルク君王子様みたいだよ!」
「/////」
ポルクは青と黒を基調とした燕尾服のような形の衣装で、動くたびに魔力の光が輝く。幼いながらも利発そうな彼にぴったりの落ち着きと可愛らしさを見事に体現している。
ちなみに他の芸人たちは皆雪のように真っ白なタキシードで襟元の紐帯だけ赤というシンプルであるが、華やかな衣装となっている。しかも、生地が白いのにもかかわらず汚れにくく、例え汚れてしまったとしても洗えば大抵の汚れは落ちてしまうという優れものなのである。
そんな喜んでいる中でたった一人青い顔をしている人物が一人
「あれの生地ってAランクモンスターの七色の蜘蛛の糸から作られる、・・・七色シルクじゃ・・・」
「おお、さすがですね座長殿」
動揺している座長に対してマーリンは平然と答える。
「って!七色シルクは王族御用達の超高級品ですよ?ハンカチ1枚だけでも金貨1枚はするんですよ!?師匠でさえこんな高級品使ってないのにこんな無名の旅芸人一座なんかが使って良いものじゃ・・・」
「でもいつかは有名になるんでしょ?そう世界1有名な君の師匠の劇団・・・“女神の宴”を超すくらいに・・・これは私からの先行投資だと思ってくれたら良いよ」
「うっ・・・確かにその通りなのですが・・・そうですね。ここは“万能の賢者”の恵をありがたく頂戴することに致しますか」
「うむ。それで宜しい」
その後2人はお互いの顔を見て笑いあったのであるが、座長は内心プレッシャーで泣きそうと思っていたことは秘密である。
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リリアンとポルクが衣装を着るとこんな感じです。
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