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ファッションモンスター

続きです。

桜夜達3人は七色の蜘蛛を見つけ現在近くの茂みに隠れて様子を伺っていたのであるが・・・


「相変わらず派手ね~」

「うわっ派手!」

「派手ですね~(原宿系ファッション?)」


虹色の蜘蛛を見た3人は皆一様に同じ感想であった。2.5m程の蜘蛛の身体に派手な七色のフサフサな毛に包まれている。その光景は森の中では異質で正にファッションモンスターという言葉が相応しい外見であった。


ちなみに身体解析をかけてみると

名前:無し

種族:七色レインボー蜘蛛スパイダー

性別:雌


体長:270.0

体重:250.5


体力:550

魔力:2500

力:299

防御:600

敏捷:150


特技:魔力操作Lv4、粘糸Lv7、硬糸Lv7、絹糸Lv7

称号:森の主、Aランクモンスター、ファッションモンスター


「それでは手筈どおりにいくわよ!」


「了解です!」


「おっけ~」


ナタリアは背後に回り、桜夜とマーリンは飛び出して相手を引きつける。2人に気づいた七色の蜘蛛は、若干驚きつつもこの森で絶対的強者である奴は迷うことなく向かってくる。


「私が魔法で狙撃するから、怯んだところで攻撃を頼むよ!」


「はい!」


マーリンが魔法を放つ準備をしている間に桜夜は相手に肉薄する。残り10mというところでマーリンから10もの氷の弾丸が物凄い勢いで放たれる。それに気づいた七色の蜘蛛は炎の魔法が付与された赤い糸で防ごうとするが・・・半分以上は対処できず、直撃してしまう。


「はーーーーーーーーっ!これでも喰らえっ!!!」


その隙を見て桜夜は剣で足の部分に連撃を加える。しかし、毛の下にある身体は岩石とまではいかないが相当に硬く、多少傷がついただけであった。


(剣だと傷付けるのが難しいか・・・でもマーリンの攻撃は効いているみたい。だとしたら打撃かな?)


2人の攻撃に怯んだものの立ち直った七色の蜘蛛が黄と紫の糸を放ってきたため、それを桜夜は難なくかわしつつ、一度距離を置きなぜか剣を鞘にしまってしまった。


(平常心、平常心・・・魔炎斬が出来たんだから、この魔法も出来るはず!)


桜夜は焦る気持ちを抑えつつ、身体の魔力を循環・操作して魔法を完成させていく。四肢に練られた大量の魔力が徐々に凝縮し、鋼のように強固な黒いコーティングがかけられていく。


この魔法は”魔装甲”と言い、マーリンが使用した”魔水鎧”と似ているが非なる物である。魔水鎧は防御主体であるが、魔装甲は攻撃主体でコーティング部位の攻撃力を高め、身体能力を底上げするという効果を持つ。本来は全身に装甲を施すのであるが、あいにく桜夜ではそこまでの魔力も魔力操作技術も持っていないため四肢にのみ施しているのである。


四肢に魔装甲のコーティングがかけられると、桜夜は先程斬撃を放った位置よりも更に肉薄したかと思うと地面を蹴って大きく飛び上がった。


落下による重力と身体を回転することで遠心力を利用し、七色の蜘蛛に破壊力を増幅させた踵落としを繰り出した。



ドーーーン!



しかし、桜夜の踵落としは七色の蜘蛛に当たることは無かった。


どうやら、危険を察知して間一髪避けたようだ。


外して攻撃しすることになった地面は亀裂が入り、大きく抉れていた・・・


「サクヤ!そんな強烈な一撃なんて喰らわせたら、七色の蜘蛛が死んでしまうよ!」


「すみません・・・まだ力加減が分からなくて・・・」


桜夜は再び七色の蜘蛛に肉薄し、パンチやキックといった肉弾戦によって追い詰めていく。先程の斬撃とは違い、桜夜の攻撃を受けるたび呻き声をあげていることからダメージが確実に入っているようであった。


押されているのが分かったのか今度は七色の蜘蛛が一度桜夜から距離をとる。そして、黒い糸を口から吐き出した。どうやら肉弾戦を避け、中距離での攻撃に切り替えるようだ。七色の蜘蛛の表情からは桜夜に対し恐怖を抱いている様子が見られるのであるが、撤退しない様子を見ると相当ガッツがあるのだろう。

恐怖に負けじと今度は土魔法が付与され鋼鉄化した黒の糸を鞭のようにして桜夜を攻撃してきた。しかも今までの速度とは比べ物にならない程の高速な攻撃である。


その攻撃を数度は四肢のコーティング部位を上手く使い受け流した桜夜であったが、七色の蜘蛛は口だけでなくお尻の部分からも黒の糸を吐き出してきた。


完全に隙を突かれた桜夜はそれを腹部に叩きつけられ20m程吹き飛ばされ、茂みの中へ消えてしまった・・・。


この時、彼女は桜夜という強敵に打ち勝ったことで一瞬気を抜いてしまったのだろう。マーリンはその瞬間を逃さず、いくつもの植物の蔦を操り8本の手足は勿論、糸を吐き出す口や尻なども塞いでしまった。


七色の蜘蛛の動きが完全に封じられたところで背後にいたナタリアがそっと近づき、足の一本に桃色の首輪を嵌め、装飾の真紅の玉に魔力を流した。


すると少し大きかった首輪が腕と足とぴったりのサイズとなり、それまで蔦から逃れようと暴れていたのが急に大人しくなった。


「これであなたは私の下僕よ!オ~ホッホッホッホッ!」


森には暫くの間、興奮したナタリアの高笑いが響き、それを聴いた魔物たちは震えあがっていたというのは余談である。



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