酒場での暴走
1週間後の予定でしたが、勢いで書いてしまったので投稿したいと思います。今回の話苦手な方が居るかもしれませんがご了承ください。
ある日今日も語学の授業が終わり桜夜とマリアは教室を出て廊下を歩いていた。桜夜は自分が女であることをマリアに話していないのであるが年が近いこともあり、この1ヶ月で親友や姉妹のように仲良くなっていた。今も最近町で流行の料理屋について「行きたいね~」と話していた。
すると前のほうから歩いてくる男性2人が話しかけてきた。
「「マリア久しぶり~」」
「アラン!・・・・とロラン・・・」
桜夜は急に隣のシスターから強烈な殺気を感じたかと思うと、次の瞬間ロランにドロップキックをかますマリアの姿が眼に入った。距離はまだ10メートルは離れていたのであるが、模擬戦で桜夜が何とか反応できたモーリスの一撃の更に上をいくスピードであったことは確実であろう。
ドロップキックをくらったロランは地面から身体が浮き、桜夜から更に5メートル離れたところまで吹っ飛ばされていた・・・。
「痛って~~!マリア何しやがる!」
「それはこっちのセリフ!この前美味い料理食べさせてくれるって言って待ち合わせ場所で私とアランがどれだけ待たされたと思ってるの!結局来なくて食べられなかった上に遅れた理由が寝不足で2度寝してたからですってふざけないで!」
「そ、それは、もう済んだ話じゃねえか・・・」
「済んだで納得できるような問題?私ロラ・・・皆で食べるのすごく楽しみにしてたんだから!」
そのとき桜夜は
(マリアにこんな一面があったなんて・・・)
と内心驚いていた。聞いてみると3人は同い年の幼馴染でこの教会で一緒に育ったらしく、血は繋がっていなくても本当の家族のような気心知れた仲らしい。モーリスとマーリンのことは子どものときから慕っていて親のような存在なのだとか。
「お前サクヤって言ったっけ?男だったんだな~最初会ったときは女かと思ってたぜ」
「こら、ロラン!サクヤ君に失礼でしょ」
とマリアの拳骨が頭に落ちる。
「うお~・・・痛って~・・・マリアそんな力込めなくても良いだろ」
サクヤはそんな夫婦漫才のようなやりとり見ているとアランが桜夜に耳元で話しかけてきた。
「お気づきでしょう?昔からこんな感じなんです・・・さっさとくっ付いてしまえと思いませんか?」
「激しく同意だね」
この問いかけに桜夜はやっぱりかと思いながらアランに同意した。
その後武術の稽古でロランとアラン、そして普段は参加していないがマリアも加わり、子ども達に教えることになった。ロランとアランは衛兵なので勿論武器の扱いも慣れていたのだが、マリアの棒術も中々の腕前であることには桜夜は驚かされた。しかし、本人曰く「鈍っている」のだそうだ。何でも昔はロランとアランと同程度の実力で、3対1であるが当時のモーリスに勝負を挑みコテンパンにやられたこともあったとか。(ちなみに当時のモーリスの強さは現在の比では無いらしいが・・・)
武術の稽古でロランとアランとすっかり意気投合した桜夜は、マリアも一緒に酒場へ行くことになった。定期的に幼馴染3人で飲んでいるらしい。
酒場の外観は西部劇に出てくるような木造の建物で隣には併設して宿屋がある。中に入ると思った異常に奥行きがあり、奥の中央には台座があり楽器らしき物を持った人達が音をチューニングしているようだった。その中央にはスパンコールのように光をキラキラ反射する黄色のワンピースを着た少女がいた。明るい長いブラウンの髪、赤いルビーのような瞳、ピコピコと動く猫のような耳、クネクネと動く長い尻尾。人懐っこそうな愛嬌のある顔をしている。その少女は桜夜を見ると手をブンブンと振ってきた。
「サクヤさ~ん!マリアせんせ~」
「リリアン!そうか君が今働いているのはこの酒場だったのか!」
「あら、サクヤ君は知らなかったの?仲良いからてっきり知っていると思ってたんだけど・・・」
彼女はリリアンといって魔法の授業のとき仲良くなった。旅芸人をしていてトーチの街は、その道中に訪れたのだそうだ。夜に公演していると言っていたが、それがここの酒場だったらしい。
「今夜は私がリードボーカルをやるので、是非聴いていってください!」
「うん!楽しみにしているよ!」
「リリアンさん頑張ってね!」
そして程なくしてリリアンたちの公演が始まった。軽快な音楽で楽しく踊るような曲もあれば心にジーンと来る魅せる曲もあり、最終的に満場スタンディングオーベーションで、リリアンは何人もの人から握手を求められたり、花束を受け取ったりしていた。
桜夜たちは手頃な席に着き、料理や酒を注文しリリアンの歌を聴きつつ、談笑していた。3人の子どもの頃の話、教会の子ども達の話、衛兵になってからの厳しい上司の話、マーリンやモーリスの話、今日の稽古の話など大いに盛り上がったのだが、1人ソワソワしている男がいた。それを見ていたマリアは・・・
「ちょっとロラン!何かさっきから落ち着きが無いわよ?オシッコ行きたいならさっさと行って来なさい。まったく何時まで経っても子どもなんだから・・・」
「そ、そんなんじゃ無え!」
「じゃあ何なのよ!はっきり言いなさいよ」
「そ、それはだな・・・・・」
ロランはしばらく俯いていると意を決したようにアランに目線を送る。それに気づいたアランは「やっとか・・・」と笑顔のままボソッと言うと、酒場の主人とリリアン達に合図を送る。
すると音楽と歌が流れ始め、酒場の主人はにこやかに何かを持ってきてロランに何かを渡し「うまくやれよ」と激励の言葉をかける。
何かを受け取ったロランはマリアに向き合う、その顔は真っ赤なのであるが先ほどまでと違いどこか威厳のあるものになっている。
「・・・マリア」
「な、何よ!」
先ほどと急に態度が変わったロランにマリアは動揺していた。するとロランは急に椅子を立ち上がり、マリアの前にひざまづいた。
「ちょっと、何やって・・・」
そんなロランの様子を見てマリアは更に動揺する。
ロランはマリアに見えないように後ろに隠し持っていた酒場の店主に渡されたものを取り出す。
それは真っ赤な花束であった。
バラに似ているが花びらが水晶のように透き通っており、淡く光り輝いている。
「きれい・・・」
花束を見たマリアの口から思わず声が漏れた。今まで見たことが無い美しい花であったからだ。そしてロランは言葉を続ける。
「マリア・・・子どもの頃からお前のことが好きだった。・・・世界で一番愛している。お前と一緒に生きていきたい!・・・この花束を受け取ってくれないだろうか?」
マリアはロランの言葉に嬉しさで眼に涙を見せながら答える。
「嬉しい・・・ロラン私もあなたのことが好き・・・ありがとう」
その瞬間、周囲で息を潜めていた酒場の人たちから歓声が沸き起こった!
「ヒュ~ヒュ~!」
「あんちゃん男前だな~!」
「幸せにしてやれよ~」
そんな周囲の温かい声援に当事者2人は顔を真っ赤にしていた。その後、4人で少し飲んでから解散した。2人は今日はロランの家に泊まるらしい・・・
残された桜夜とアラン、そして仕事が終わり途中から参戦したリリアンと飲みなおすことにした。
「たっぐ~ろらんはボクがいないと何にもできないんだから~」
アランはプロポーズがうまくいったことで終始笑顔で酒を飲みまくり、呂律が廻らなくなっていた。相当嬉しかったらしい。
「いや~すてきだったねぇ~私もいつか・・・フフフフ」
リリアンは何やら妄想して、一人で笑っていた・・・ちょっと気持ち悪い。桜夜はというと
「おい!店主!酒が足りない!追加を頼みゅ!」
完全に出来上がっていた。酒は弱く無さそうであるのだが何分今日が初めてなのでペース配分が分っていなかった・・・。
「あんちゃん。無理は言わねぇ。今日は止めておきな・・・」
酒場の店主は優しく止めようとするのだが、
「なに~!俺にゃ~酒は出せないってのか?」
「いやそんなわけでは・・・」
そういい終わる前に桜夜はいきなり店主の胸ぐらを掴み柔術で組み敷いた。そして、店主のことをジ~と見てから言葉を発する。
「店主・・・あんた気に入らない・・・」
「俺はあんちゃんのためを思っ「そうじゃねぇ!」て」
桜夜は店主を黙らせると店主の身体をまさぐりはじめた・・・
「店主の身体・・・素直じゃない・・・気に入らない・・・」
「なっ!何を!俺にそんな趣味は・・・アンッ!」
店主は自分からは想像がつかないような声が出て驚いた。周辺にいる客も注目している。
「随分と硬くなっているな・・・溜まってるのか?」
桜夜は不適に微笑む。
「そ、そんなこと!アンッ!やっやめろ!」
「気持ち良いんだろ?無理すんなよ・・・ここはどうかな!」
「アンッ!そこは駄目だって!アンッ!変になっちまう!」
そして更に数分後・・・
「アンッ!アンッ!アンッ!アハン!気持ちいぃ~あんちゃん!もっと~もっと~」
「随分素直になったじゃねぇか・・・これで終わりだ!」
「あ~~~~ん」
酒場の店主はビクビクと痙攣し、床に蹲っていた。終わった桜夜は立ち上がると周りを見回す。1部始終を見ていた酒場に居る奴等は呆然としている。
「さて、次の獲物はどいつかな?・・・朝まで寝かせないぜ」
そして今夜酒場に居た全員が桜夜の毒牙にかかり、朝には酒場の床で朝を迎えた。
・・・桜夜は酔うと誰彼かまわず整体をしてしまう”揉み上戸”であることが今回判明したのであった。
http://11283.mitemin.net/i108362/
http://11283.mitemin.net/i108360/
http://11283.mitemin.net/i108359/
次回投稿は1週間後くらいになります。




