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身体解析

セレスティアの東端にあるトーチの街は今日も人で賑わっていた。奥様方は井戸端会議をしつつ洗濯物を洗い、商人は声を張り上げ、買い物客は声に引き寄せられ商品を値踏みする。そんな平凡な日常が今日も繰り広げられていた。


その街の中にある教会の中庭でもいつも通り子ども達が剣術の稽古をしていた。唯一違うとすれば小柄で長い髪を一本に束ねた漆黒のマントを羽織る少年が熱血的に指導しているということであろうか。


「こらっ!ポックル!滅茶苦茶に剣を振り回さない!最後まで集中して相手の動きを良く見て動きなさい!」

「オ、オスッ!」


「ココ!動きは大分良くなってる。相手の実力は上なのだから胸を借りるつもりで全力でやってみなさい!」

「ハイ!」


「ビートは対人でも基本どおりの型が出来ていて大変素晴らしい!あとフェイントを織り交ぜて相手のペースを崩すことを心掛けてみて」

「サクヤさん了解!」


模擬線を終えてから2週間が経過し、トーチの街に来てから1ヶ月が経とうとしていた。桜夜は実力を認められモーリスと共に子ども達の剣術の稽古を指導している。今は剣術を指導しているがモーリスにとどめを刺した”柔道”も教えて欲しいとせがまれ桜夜が指導し始めた日から教えている。そんな桜夜が指導する様子を自身も指導しながら見ていたモーリスは・・・


(うむ・・・的確に子ども達の長所と短所を見極め、ポイントを絞った上で指導しておる・・・教えることは技量があっても難しいことのはずなのじゃが・・・やりなれておるのかの~・・・)


まだ17歳という若さでありながら、模擬戦前の子ども達の指導で疲労し、不意打ちで柔術を使いはしたが自分に勝利し、堂々と的確に指導していく桜夜に内心とても感心していた。子ども達も短期間でありながらこれまでよりメキメキと成長していることが感じられる。


当の本人は元の世界で運動部の兼任マネジャーとして同じようなことを1部活内だけでも何十人も行っていたので、たかが15人やそこらの指導など朝飯前なのである。教会での稽古は今までひたすら剣術の修行であったが柔道も教えることになったので、稽古前の柔軟体操、子どもの身体に負荷が掛からない程度に体力と筋力のトレーニングも追加させて欲しいとモーリスに進言した。最初は渋っていたが成長の近道だというので試験運用として許可されたのだ。


最初は子ども達も新しいことをするのに戸惑っていたが、自身の身体が鍛えられていくことが実感できることが嬉しいらしく、すぐに習慣化した。


桜夜自身も子ども達の稽古が一区切りついたところでモーリスに手ほどきを受けている。模擬戦では何とか勝ったが、あれは柔道技も使ったからであって純粋な剣術の技術と経験で桜夜はモーリスの足元にも及ばない。今ではモーリスの剣のスピードに反応することは出来ているが、剣術だけで勝つのはまだまだ掛かりそうだ。それでも、上達するスピードが異常であるのだが・・・おそらく桜夜の運動神経の良さと”魔力循環”により身体能力が底上げされ、相乗効果を生み出しているのだろう。


(わしの動きにもう対応出来るようになってきたか・・・末恐ろしいのう)


そんなことを思いつつモーリスは桜夜と子ども達が日々上達していくのを見て嬉しそうに笑っていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


魔法の授業ではモーリスとの模擬戦以来、桜夜にある変化が起きていた。


「うむ~・・・魔法の練習をしているとき身体からモヤモヤしているのはきっと”魔力”の流れだとして、これは何だろう?」


名前:サクヤ・クドウ

種族:人間

年齢:17歳

性別:女

身長:160.0

体重:54.5


体力:99

魔力:500

力:65

防御:60

敏捷:110


特技:身体解析Lv10、剣術Lv4、体術Lv3、魔力操作Lv2


称号:異世界人、男装の麗人




桜夜の目の前には何かの情報らしき文字の羅列が浮かび上がっていた。最近やっと簡単なものであればセレスティア語を読み書きで切るようになっていた桜夜は何とか目の前の文字の内容を理解することができた。

模擬戦の時モーリスが反撃する際、モヤモヤと魔力の流れ(?)だけ見えていたが、あれから更に魔力循環で眼に更に魔力を集中させると情報が表示されるようになったのである。今は桜夜自身を見ているので桜夜の情報が表示されているが、他の人を見てみると同様に情報が表示された。


名前:モーリス

種族:ヒューマン

年齢:78歳

性別:男


身長:174.0

体重:72.2



体力:120

魔力:150

力:105

防御:99

敏捷:110


特技:剣術Lv10、魔力操作Lv4


称号:神父、指導者、元聖騎団長




名前:マリア

種族:ヒューマン

年齢:19歳

性別:女


身長:167.0

体重:59.2


体力:45

魔力:2500

力:40

防御:32

敏捷:30


特技:魔力操作Lv6、剣術Lv2、棒術Lv2


称号:シスター、先生、賢者の意思を継ぐもの



といった具合である。基準が良く分からなかったのでトーチの街で道行く人に使ってみると、平均は、体力:25、魔力:10、力:25、防御:20、敏捷:20程度であり、特技も調理や剣術、魔法操作Lv1~2を持っている人がちらほらであった。


驚くことに教会では子ども達でさえも街の人の能力値の平均以上はあり、皆特技を持っていてLvも高い。教会で授業や稽古に励んでいるせいで能力値が全般高くなっているためと考えられるが、それでも逸脱している。マリアなんかは魔力が2500、魔法操作Lv6とか・・・桜夜の想像の範疇を軽々と超えることは確かだろう。


ちなみに桜夜の相手の情報を知る魔法(?)についてマーリンなら知っていると思い聞いてみたところ、身体に直接触れた部位から微弱な異常を探る”身体診察”や視覚に入ったものに対して大まかな情報が表示される”分析”といった似たような魔法ならあるらしい。しかし、桜夜のように身体情報を能力値に現すような細かいことは出来ないそうだ。


「つまりサクヤのオリジナル魔法ということになる。元の世界で桜夜は部活動?のマネージャー?という役職で人の身体を観察することが得意だって言ってたよね?それらの要素に加え、魔力操作のセンスも加わったことで出現した魔法だろうね。まだ魔法を習い始めてから1ヶ月程しか経っていないのに、もうオリジナル魔法を生み出すとか凄いねぇ!」


マーリンは桜夜にそう説明し、感心していた。


「でも、その魔法は無闇に人に言わないほうが良いよ・・・プライベートな情報だし、自分の能力が数値で表されてしまうとかシビア過ぎる」


ということだったので桜夜はマーリンの言葉に従い、自分が指導するときの目安として密かに使うことにした。マーリンが話し終わった後、子ども達に教えに戻ろうとしたのでチラッと”身体解析”をかけてみると・・・


名前:マーリン

種族:ダークエルフ

年齢:230歳

性別:男


身長:185.5

体重:80.2


体力:177

魔力:10700

力:120

防御:105

敏捷:135


特技:調理Lv10、魔力操作Lv10、棒術Lv8 etc.


称号:万能の賢者、守護者、先生、罪な男




この結果を見て桜夜は(あなたがシビアを語るのか!?)


とマーリンのあまりの異常な能力値に心の中で叫んでいた。

次回の投稿も1週間後くらいになりそうです。

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