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魔力循環

教会を訪れた次の日の朝、桜夜は子ども達と共に中庭に集まっていた。


「はい。それでは魔法の授業を始めます。魔法のクラスごとに分かれてください。」


マーリンがそう伝えると集団は3つのグループに分かれた。


上級コース:オリジナル魔法や扱いの難しい魔法を練習する

中級コース:基礎を応用し使える魔法の種類を増やす

基礎コース:魔法の基礎を学び魔力のコントロール方法を身につける


基礎・中級コースの先生にはマリア、上級者コースにはマーリンが主に担当する。もちろん桜夜は基礎コースである。


コースは年齢によって決まるのではなく、自身の魔法の技量によって決まる。つまり実力主義である。


ちなみに基礎コースは桜夜を含めて7人、まだ10歳にも満たないだろう子が5人、中学生くらいの女の子が1人である。話しかけてみると10歳にも満たない子達は最近魔法を教わり始めて魔法のコントロールのやり方は教わっているとのことで、それぞれ目の前にある小石やコップに入った水などを動かす訓練をしていた。


中学生の女の子は桜夜と同じで今日はじめて魔法を習うのだという。名前はリリアン、年齢は14歳だという。元々トーチの町の人間ではなく旅芸人の一座として世界各地を回っている。今回トーチの町に来て教会の噂を聞き、前々から魔法を教わってみたかったリリアンは一座の仲間にお願いして公演の無い日中に授業に参加することを許可してもらったらしい。


将来的には一座をもっと大きくしていきたいので魔法を使えば何かの力になるのではないかと思ったのだとか。



そんな話をしていると中級コースに指示を出したリリアンがやってきた。


「遅くなってごめんなさい。2人とも魔法を習うのは初めてでしたよね?」


2人はコクリと頷く。


「分かりました。まず魔法を使うためには自分の身体の中を巡る”魔力”を感じなくてはなりません。しかし、魔法を使ったことが無く、魔法を身近に感じこなかった人にとって魔力の感覚を感じることは難しいはずです・・・。なので最初にあなた達の身体に私が自分の魔力を流しますので、自分の身体の中にある魔力を感じ取る参考にしてみて下さい。」


マリアは説明すると2人の手を握り眼を瞑ったので、桜夜もそれに習う。すると何か全身に心地よい湯が循環し、満たされていく感覚が広がった。マリアがゆっくりと手を離すと同時にその感覚も消えていったが微弱ながら自分の身体にも似たような感覚があることを感じる。隣を見てみるとリリアンも同じように感じているようだ。


「素晴らしいです。お二人とも身体の中にある魔力を感じることが出来たようですね。感じる魔力が現在は微弱でも努力しだいで強めていくこともできますので頑張っていきましょう!」


「「はい!」」


「次に行うことは”魔力循環”です。これは現在身体の一部分に留まっている魔力を全身に行き渡らせる技術のことを言います。体外で魔法を使う場合は”魔力操作”という技術が必要で、範囲が広がる程魔力のコントロールが難しくなります。つまり”魔力操作”の第1段階として”魔力循環”があるというわけです」


ちなみに魔法を使えるものの寿命がなぜ長いかというと魔力循環を行うことで老化速度が遅くなるからだで、更に驚くことに身体能力も飛躍的に上がるらしい。


桜夜達はマリアに説明されたとおり”魔力循環”を行おうとする


・・・・・が全然身体の一部分から先ほどマリアから魔力を注がれたように全身に行き渡らない。それどころかある程度引き伸ばすと元に戻ってしまう。


「思っていたより難しい・・・伸びろ~~広がりたまえ~~」


「・・・・・くっ」


桜夜は変な呪文を唱えながら、その隣でリリアンは眼をぎゅっと瞑り身体に力を入れていた。


30分ほどやっていて再びマリアが巡回してきた。2人の顔を見たマリアは思わず笑いを漏らした。


「ふふっ・・・笑ってしまってごめんなさい。二人とも身体がガチガチだから思わず・・・もっと力を抜いたほうが良いですよ。それと魔力を伸ばしていこうとするのでは無く私達の身体の中で血が巡るように通り道に魔力を巡らせていくとイメージした方が上手くいくと思います。あと魔法全般に言えることですがより具体的なイメージが大切です。」


とマリアは”魔力循環”のコツを教えてくれた。


(ふむ~・・・確かに通り道も考えずただ魔力を伸ばそうとしても抵抗があって先に進むことができなかったな~。血の巡り・・・つまり血液循環!動脈血を全身の細胞に行き渡らせるイメージにすればよいのか!)


これでも部員の身体を毎日メンテナンスし、身体の構造に関しては熟知している桜夜にとってマリアのアドバイスは大変イメージし易かった。今度は上手くいく気がした桜夜はさっそく具体的な血液循環のイメージの元”魔力循環”を試みてみる。


(血管の巡りをイメージして・・・そこに魔力を通す!・・・あっ!できた!)


魔力を通した瞬間、先程マリアにされたときのような温かさが全身に広がった。マリアに出来たことを伝えると・・・


「えっ!もう出来たんですか!?」


「えっ!できたの?」


マリアとリリアンは驚きの声を上げる。普通だと”魔力循環”を出来るようになるまで早くても1ヶ月は掛かるらしい。


マリアは「サクヤ君は魔法の才能があるのかもしれないわね!」と喜び、


リリアンは「わ、私だって~~~おんどりゃ~~」




と更に気合を入れて練習しマリアや桜夜にコツを聞きまくった結果、1週間後には”魔力循環”を習得した。

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