4/8
消える
左江内 光眼はどこにでもいる県立高校に通う女子だ。
成績はとことん悪く、いつも教師に叱られている。そうして悪びれずに空想に浸る。
周囲からは怖がられ、あるいはいじめの対象になっていたが、本人は気づいていない。
彼女の部屋には児童文学やファンタジーなものがあふれ、空想を書き綴ったノートが何冊もある。
光眼は毎日楽しそうに暮らしていた。
ある日、おばあちゃんは光眼へ渡していたお守りが弾けてしまったかのように裂けているのを見つけた。
地元の神社のお守り。
おばあちゃんは危なっかしい彼女を守って欲しい、との願いを込めてお守りを渡し、肌身はなさずつけているのよ……と言い聞かせていたのだ。
「これ、どうしたの?」
「あ、これ、いきなり破けちゃって」
「まあ、新しいお守りを買ってこなきゃね」
「う〜〜ん……うん」
釈然としない返事だが、光眼にはさしてお守りは大切なアイテムだと思っていないらしい。ため息を付くと、夕飯の話題をふろうとふりかえった。
「光眼?? どこいったの?」
彼女は忽然と消えていた。さっきまでそこにいたのたのに。
「光眼! どこ?」
最初から居なかったかのごとく、光眼は失踪してしまった。




