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同調圧力の始まり

「ねえねえ、四ツ目ちゃんは魔法少女なの? じゃないと窓をこんな簡単に直せないよね?」


 ビームで大胆に破壊した窓は綺麗に修復され、謎の炎がランタンの中でくすぶっている。

 どう見ても左江内 光眼には『魔法少女』にしか見えない。

「魔法少女になりたいのか? そこまで? じゃあなれば?」


「どうやって?」

「さあな」


 あしらわれ、光眼はどよめく外に気付いた。数人の声がして何やら話は合っている。

 耳を澄ましてみると、ご近所さんたちらしい。


「どうしましょう。電話も繋がらないのに……街から出られないなんて」

「あれは? 公衆電話は? どうなってる?」

「ダメだった。全部ダメだ、まるでこの世界だけ……」

 言いかけて皆、ナニカに気づいたようだ。牛の雄叫びに近しい奇声がして、皆、悲鳴やらをあげた。


「あの家の息子発狂しやがった!!」


「ぎゃあ! ぃたい! いたいわ! やめてちょうだい!」


 叫びは延々と続いている。どこかの家の息子が発狂して、たまたま井戸端会議(?)をしていた近所の住民に襲いかかったらしい。

「助けに行かないのか? 魔法少女さんよ」

「だってえ、知らないし。ご近所さんなんて」

「魔法少女にしては冷たいヤツだ。でもまあ、次期に静かになるさ」


 四ツ目は小さなナイフを手入れしながらも、なんて事のないように言う。


「ギャッ! ウボォー!! ヴァ!! があ! が」

「このっ! 死ね! 化け物のなりそこない目がっ! よくも!」

「そうだ!」

 男たちに袋叩きにされ、やがて牛男の気配は消えた。


「始まったな」

 四ツ目は悪どさをふんだんに含んだそれでケラケラ笑う。


「何が?」

「人間同士の疑り合いだよ。楽しいだろ? お前はどうする? 参加する?」

「ううん? だって仲間外れにされてきたから、今更……ファンタジーがいいから!」

「アハハハっ! 負け犬の遠吠えにしか聞こえねーがな」

極限環境に置かれた人間ほど恐ろしいものはないですよね。

こわ

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