それは童話的で 絶望的な
「手からビームなんて出すな。つーか簡単にそんな事をすんなよ」
「手からビームは否定しないの? 四ツ目ちゃんらしくないね」
「お前に俺の何がわかんだよ」
四ツ目は手を洗ってこい、とキツくいいつけてきた。
仕方なく格好がついたビームつき目玉をハンカチごとあらっていると、丁度洗い終えた瞬間に水が出なくなり、停電した。
「あ、ブレーカ、ブレーカの場所は〜〜えっと、玄関の」
落雷したらブレーカに頼るのが光眼である。オール電化住宅ではなかったが、水圧も停電した際に何か起きたのかも。
「馬鹿だな。インフラが終わったんだよ」
「インフラが? みんな仕事が嫌になって帰っちゃったの?」
「あんさぁ、分かって言ってんの? この世界にインフラたる設備はない。かろうじて動いていたモンが限界を超えてオシャカになった、それだけ」
「えっ?」
街は浄水場が一つあったはずだ。それに……他は、外が担っている。
「ボクの家だけじゃないの??」
「どうだろうな」
暗がりの中、四ツ目の眼光が奇妙に浮かび上がっていて、眼の前にいる存在が人でないのを実感する。
「……」
自分の部屋に戻り、窓から外を眺める。外はのっぺりとした暗闇に支配されていた。
「あ、星」
空には息を呑むほどの銀河が広がっているではないか。
「きれい、ボク、生きていて良かったかも」
ポツリと呟いた。月と銀河。それだけが街には存在している。
「変なやつだ……」




